Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューMystery Girls Project/近藤佳奈子(Rooftop2016年4月号)

日常に潜むミステリーを歌とリーディングで表現するガールズ・ユニット、待望のメジャー・デビュー!

2016.04.01

 メンバーは現役の若手声優・女優とパフォーマーで構成され、その演技力・表現力を活かし、歌とダンス、朗読劇などのパフォーマンスを行なうガールズ・ユニット、Mystery Girls Project(以下、MGP)。ダンサブルでキャッチーなナンバーからメロウなバラード、荘厳な佇まいのスケール感溢れる楽曲までバラエティに富んだ12の楽曲、3作の朗読劇で構成された最新作『V Generation』は、満を持してメジャー・デビューを果たした彼女たちの名刺代わりに相応しい力作だ。特異な表現活動を展開するMGPの核を探るべく、Mikiko、Miho、Saoriの精鋭メンバー3人に話を聞いた。

■Mystery Girls Project
 
MGP_ArtistPhoto.jpg

妖艶で“かっこキレイ”なイメージを打ち出した

──今回のメジャーデビュー・アルバムがこれまでの作品と違うのはどんなところですか。
Saori:メンバーが変わったのが一番大きいですね。
Mikiko:今のメンバーで『Force』(2014年7月発表)の頃にいたのはChisaとAnnaの2人だけで、あとの5人にとってはMGPに入って初めてのアルバムなんです。
Miho:今は第5期MGPだからアルバム・タイトルも『V Generation』にして。念願のメジャー・デビューなので、かなり気合いを入れて制作に臨みました。
──どんなコンセプトで制作に臨んだんですか。
Saori:ジャケットにも表れてると思うんですけど、“かっこキレイ”なイメージですね。楽曲もかっこいい感じの曲が揃いましたし。
Miho:ジャケットは女性らしく、なおかつかっこよく見せるのがコンセプトだったんです。ちょっと妖艶な感じと言うか、かわいくなりすぎない感じを出そうとしました。
──ずばり、今回のアルバムの聴き所はどんな部分でしょうか。
Mikiko:朗読を含めて15トラックあるんですけど、どれもメンバー一人ひとりの個性がよく出た曲や朗読なので、アルバムを通じてMGPのことを知っていただけたら嬉しいですね。
Miho:メンバーが作詞した曲もいくつかあったりして、それぞれのカラーが違った曲になってると思うんですけど、その違いも楽しんでほしいです。アルバムを聴いた後は是非ライブに来ていただいて、今度はMGPのパフォーマンスやメンバーのキャラクターを生で感じてほしいですね。
Saori:他のグループにはない朗読パートは是非聴いてほしいですし、ストーリー性のあるメンバーの作詞も聴き所だと思います。歌も物語性があると思うので、全体を通して楽しんでいただきたいです。
──そもそもこのMGPは、当初は朗読のみを行なうガールズ・ユニットだったんですよね。
Mikiko:そうなんです。MGPは声優、女優、歌手、パフォーマーで構成されていて、3年前から歌に比重を置くようになったんです。朗読は今回のCDの中にも入ってますけど、声優のメンバーがメインでやっています。ライブでも朗読を披露してるんですよ。
──朗読劇のレパートリーはどれくらいあるんですか。
Saori:CDになってないものを合わせると3、40本くらいはありますね。
──『V Generation』に収録された3作の朗読はすでにライブでも披露されているんですか。
Saori:いえ、これが初出しです。
──3作とも登場人物が『ピックアップ・ジャパン・ニューアーティスト』なるラジオ番組を聴いている設定ですが、どの話も非常にシュールですよね。特に倦怠期の男女が登場する「EPISODE-A」は本当に救いのないオチと言うか何と言うか…(笑)。
Mikiko:そうですね。「EPISODE-A」はSaoriが担当しておりまして、迫真の演技を見せています。
Saori:はい。ちょっとゾワッとするようなサスペンス感を出してみました。
Mikiko:「EPISODE-B」も救いがないと言えばないですね。最後にキキキキ…ガシャン! と行っちゃう話なので(笑)。
Miho:「EPISODE-C」はちょっとほっこりする話ですけどね。
Saori:ドラマはどれも、日常の中にミステリーが潜んでるっていうのを表現したかったんです。
──これらの朗読劇はすべてプロデューサーである高濱祐輔さんの作だそうですが、メンバー発信でドラマが生まれることはないんですか。
Mikiko:私はいつか電車の話をやりたいですね。普段から電車を乗り間違えて、気づいたら違う駅にいた…みたいなことがよくあるので。
Miho:私はメンバー全員が出演する話をやりたいです。過去のメンバーではそういうのがあったんですけど、今のメンバーではまだないので是非やりたいです。
 

あくまでもライブや作品で評価してほしい

──今日お揃いのお三方は作詞も手がけていますが、楽曲の割り振りの基準みたいなものはあるんでしょうか。
Miho:私はタイトルトラックの「V Generation」とか「00:24AM」みたいなアップ系の曲が多いですね。
Mikiko:私は「Colors」や「キセキノホシ」といったバラード系ですね。
Saori:私はHarukaさんとの共作で「Toy Panic!」というライブで楽しめる曲だったり、「Presious Time」みたいにしっとりとしたバラードだったり、いろんな曲を担当させてもらってます。
Mikiko:そんなふうにそれぞれのキャラクターに合った曲を作詞してますね。7人のメンバーのキャラクターもいい具合にバラけてるんです。Chisaさんがリーダーで私はサブリーダーなんですが、Mihoはエース・ボーカル、Saoriはライブで盛り上げ役なんです。
Saori:MCとかを担当させてもらってます。
Miho:私はダンスの振り付けとかパフォーマンス面をやらせてもらってるんです。で、Mikikoさんは主に歌の指導を(笑)。
Mikiko:私は普段、六本木にあるジャズバーで唄ってるんです。もともとクラシックをやっていたり、ミュージカルの勉強をしていたんですが、その後はジャズが好きになって、ジャンルの幅がどんどん広がってきたんです。そんな経験がMGPに活かせていると思います。
──収録楽曲はとてもバラエティに富んでいて、強弱のついた構成も見事ですが、終盤の「B.L.A.」、「MYSTIC BLUE」、「瞳にカンジル愛の意図」を再録したのはMGPにとって重要な曲だからですか。
Saori:私たちのキラーチューンですし、新しいメンバーになってから改めて唄い直すことにしたんです。「MYSTIC BLUE」はライブ・バージョンで入れました。
Mikiko:いろんなカラーの曲を唄えるのがMGPの持ち味だと思うんです。メンバーの個性もいい意味でバラバラなので、曲の雰囲気に合ったメンバーが唄うことでそれぞれの持ち味を出せてると思います。
──7人もメンバーがいると、派閥ができたり険悪になったりしませんか?(笑)
Miho:それは全然ないですね。
Saori:似た系統がいないから派閥もできないんじゃないですか?(笑)
Mikiko:年齢もバラバラですからね。
──センター争いで足の引っ張り合いとかもないですか。
Miho:歌はないですけど…(Saoriに)ドラマはどうなんですか?
Saori:ないですね。ただ、私は先輩でも後輩でも一定の距離感を保とうとはしてます。
──今回、レコーディングで手こずった曲はありましたか。
Miho:私は「00:24AM」で初めて英語の詞に挑戦したんですけど、発音がかなり難しくて苦戦しましたね。
Mikiko:英語なのに、なぜかフランス語とか中国語みたいに聞こえたりしてね(笑)。私は「Toy Panic!」の“Oh Yes!”っていう掛け声が苦労しました。私自身が割とゆったりした性格で、明るくはっちゃけたような声を出すことが少ないので。
Saori:私は「MYSTIC BLUE」で唄わせてもらったんですけど、2人に比べて歌の経験が浅いので、どんなふうに唄えばいいのか、どんな表現をすればいいのかを考えて自分なりに工夫しました。歌に関しては今、猛ダッシュで2人に追いつこうとしてます。
──玉石混交のライブアイドルの世界で、MGPらしさとはどんなものだと捉えていますか。
Miho:まず、私たちは自分たちのことをアイドルとは思ってませんし、アーティストでありたいと思ってるんです。だからお客さんに媚びることもないし、MGPらしい歌やパフォーマンス、世界観を表現することを大事にしてるんです。
──媚びない以上、握手会やツーショット撮影会もしないと?
Miho:しませんね。チェキとかもやってませんし、あくまでもライブや作品で評価してほしいです。特にライブは歌もダンスも朗読もできるし、メンバー全員の個性が全力で出せるので、MGPにとって大切な場なんです。
 

Mystery Girls Project
「V Generation」

TECH-26468
定価:2,407円+税
2016年3月16日(水)発売

amazonで購入

【収録曲】
01. V Generation
02. Back Wild
03. 00:24AM
04. EPISODE-A(dorama)
05. day break
06. Presious Time
07. Colors
08. EPISODE-B(dorama)
09. CROSS MIND
10. キセキノホシ
11. EPISODE-C(dorama)
12. Toy Panic!
13. B.L.A.(2016 Version)
14. MYSTIC BLUE(2015 Live Version)
15. 瞳にカンジル愛の意図(2016 Version)

近藤佳奈子
「fraction」

TECH-28467
定価:2,593円+税
2016年3月16日(水)発売

amazonで購入

1. Prologue (dorama)
2. evolutional
3. Like a Wind
4. Sweet Chain
5. Unmelted Snow
6. Wonderful World
7. Duelist
8. Parade
9. またね
10. Epilogue (dorama)
11. Que sera sera SLV (Bonus track)
12. Que sera sera SLV (instrumental)

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