Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTAKA(defspiral)×中島卓偉【完全版】(web Rooftop2016年1月)

V-ROCKを基軸とした新宿LOFT主導の企画「master+mind」が、2016年の年始もROCKフェスティバル【Rock is Culture 2016】を開催!

2016.01.18

ボーカリストとしての心掛け

——普段からボーカリストとして心掛けていることはありますか?
卓偉:あっ、TAKAさんに聞きたい事がいっぱいあるんですよ。とにかく喉のケアの事ですよ。
TAKA:いや俺、結構、適当にやってきたんで。
卓偉:煙草って吸わないですか?
TAKA:吸わないです。4〜5年前に止めて。
卓偉:あっでも、4〜5年前まで吸われてたんですね!
TAKA:めちゃめちゃ吸ってた(笑)。
卓偉:凄いっすねー。ロックンロールですね。止めた理由は何なんですか?
TAKA:単純に縛られてるなって思って。吸えなくてイライラするのが悔しくて。吸わない人と一緒にいたりすると遠慮しちゃって、なんかそわそわして、「何だこれ。何やってるんだ、俺」って。
卓偉:そういう自分が嫌で?
TAKA:なんか嫌で。あとは単純にお金が勿体ないなって。
卓偉:1日1箱とか平気で?
TAKA:もう余裕で。
卓偉:そういう人こそ、止めると強い人が多いですよね。絶対吸わないみたいな。
TAKA:今は嫌煙家になっちゃって(笑)。人の煙草の匂いとかで気分が悪くなっちゃうんですよね。
卓偉:分かります。
TAKA:それが1つだけデメリットと言うか。止めて嫌なのが、人の煙が嫌になり過ぎちゃって。
卓偉:止める人ほど、そういうのが多いみたいですね。元々吸ってない人はそんなにないみたいですよね。
TAKA:全然吸わないの?
卓偉:当時から吸わないです。酒、煙草がダメで。
TAKA:お酒も飲まないの?
卓偉:はい。本当は吸って大丈夫なら、吸いたいです(笑)。
TAKA:結構、影響があるの?
卓偉:そうですね、喉が締まっちゃうんですよ。お酒も体に合わなかったりもするんですけど。だから喉にデリケートになっちゃったりしますね。観て頂いたAXのライブのその年の暮れに喉を完全に1回潰しまして、復活出来るか出来ないかくらいまでやっちゃってですね。それ以来、すごく喉のことを気に掛けて労りながら今はやってるんで。ステージに立つ時のストレスを無くすためにケアをしてるんですけど、いろんな人のケアを聞きたいなって思ってたんです。
TAKA:そういうのは卓偉くんには完璧なイメージがありますね。本当、いろいろと調べてって。
卓偉:調べるのは好きですけど(笑)。
TAKA:調べるし、鍛えるし、ストイックなイメージだから。
卓偉:TAKAさんは何もされないんですか?
TAKA:若い頃は本当に何もしなくても大丈夫だったけど、歳を重ねていくとちょっとずつ影響が出るようになってきたので、気にはしてますね。煙草を吸ってる人の近くには行かないし、楽屋も禁煙にしてもらったり。メンバーは吸うので、割とそういうのとかはありますけど。喉のケアでスチームとかってします?
卓偉:家に帰ってたまにですかね。あれもやり過ぎると咳が出るんですよね。声帯が蒸気で痒い感じと言うか。だから自分がいいと思うものをやるのが一番いいなって。
TAKA:相性的なものはでかいですよね。俺はとりあえずやってれば安心するんですよね。気持ちがすごく落ち着いて。
卓偉:それも大事ですよね。ライブの前も後もやります?
TAKA:あんまり会場に持ち込んでとかは少ないですけど、本当にやばい時は持ち込んでますね。
卓偉:蒸気だけですか? 何か入れたりします?
TAKA:蒸気だけですね。落ち着くし、「これで俺は最善を尽くした、これ以上はもう無理だから」っていう安心感ですね。
卓偉:気持ちが大事ですからね。病院へは安心から行くっていうのと一緒ですよね。食べ物でこれは食べないとかはありますか?
TAKA:そういうのはないですね。
——食べ物で影響するものってあるんですか?
卓偉:ありますよ、僕的にはですけどね。辛いものとか。しょっぱいものを食べると喉が締まって、次の日に声が嗄れてるんですよね。だから摂らなかったりとか。
TAKA:あと一番良くないのが、ライブが終わった後の打ち上げで、うるさい居酒屋とかでしゃべってたりすると、ライブの時は絶好調だったのに、次の日に「あれ、おかしいな。昨日の打ち上げだ!」って(笑)。だからツアー中は、悲しいけどおとなしくしてます。
卓偉:歌った後にしゃべるっていうのがダメみたいで。そういうのがありますよね。
TAKA:一番怖い!
卓偉:普段、運動はされてるんですか?
TAKA:今はしてないですね。去年はジムに行って結構やってたんですけど、ちょっと飽きちゃって。
一同:(笑)
卓偉:なるほど。ずっと続けていくのが大変だったりしますもんね。
TAKA:走ったりするんですよね?
卓偉:1日置きに走ってます。ボーカリストって肺活量が必要じゃないですか。30代って年齢で衰えてるんでしょうけど、やってるとそれを実感しないので。衰えた自分を味わいたくなくて、怖くて続けてるみたいな(笑)。
TAKA:いやー、凄いな。本当はしないといけないんですけどね。
卓偉:でも、やらなくてもTAKAさんみたいに今も声が出るんだったら、全然羨ましいですよ。
TAKA:いやいやいや、とんでもない。
卓偉:むしろ羨ましいです。本当は僕もやりたくないですもん。面倒くさくて。
一同:(笑)
卓偉:これさえなければ、どんなに時間があるんだろうって(笑)。
TAKA:走ったりとか?
卓偉:はい。他にもストレッチとか喉をケアすることとか…。
TAKA:1時間くらい走ったりするの?
卓偉:いえ、ゆっくり5km走ったりとか、決して飛ばさずって感じですね。なかなかそこから抜け切れないんで、このまま続けるのかって思うと苦しくなってきちゃうんですよね(笑)。
TAKA:十何年も続けてるんだよね。すごいな!
——1人でスタジオに入って練習したりはするんですか?
卓偉:ほとんどやらないかなぁ。
——リハーサルでみんなでスタジオに入った時にって感じですか?
卓偉:そうですね。あとは、僕はしょっちゅう歌える環境にないので、イメトレって言うんですかね。次のライブの日まで、そのライブの曲順でCD-Rを作って、それをひたすら家や車で聴いて反復する感じですかね。歌詞が覚えらんないんですよ、僕。自分で書いた歌詞が。
TAKA:俺もですよ。昔は全然大丈夫だったんだけど、ここ数年かな(笑)。アルバムができて、今はツアー中なんですけど、覚えらんないんですよね。で、覚えて初日を終えて、2日目になると覚えてないっていうね。「あれっ、昨日は覚えてたのに!」って。今、週末ツアーで1週間置きにやってるんで、毎週ライブの日にメイクをしてもらってる時にひたすら歌詞を覚えてて、この労力がこれからずっと続くのかなって(笑)。
卓偉:分かりますね〜。1週間空くからよっぽどなんですよね。毎日とか2日置きにやってればまた違うんでしょうけど。
TAKA:多分そうだね。2days目の2日目は楽みたいなね。
卓偉:ありますね。だからリハも曲を確認してるんじゃなくて、歌詞を確認するために歌いたいみたいな。
TAKA:入ってるかどうかね。分かりますね。
卓偉:ライブ中もびっくりするくらい頭が真っ白になるんですよね。気付くと1番の歌詞を2回歌ったりとかして(笑)。
TAKA:そうそう、その場で作詞したりとかしてね(笑)。しかも今はアルバムの曲が多いんで、まだ書いたばかりだから、作詞していた時に最初に書いた古い方の歌詞を歌っちゃったり。アルバムが出来てすぐはそういうのがあるよね。
卓偉:あー、分かります!
——そうしたら逆に今のライブが貴重ですね。
TAKA:まぁね。意味は一緒だけど、言い回しが違ったりね(笑)。
卓偉:全然歌詞が覚えられないですよね。
TAKA:あ〜、でもホッとした。卓偉くんにもそういう人間らしいところがあるんだなって分かって。
卓偉:ありますよー。若い時から歌詞が覚えられないんですよ。
TAKA:そうなんだ。
卓偉:自分で書いている歌詞ではあるんですけど、昔から歌詞だけは全然入らないんですよね。
TAKA:でもプロンプターは見ない?
卓偉:見ないですね。あれは、目線がどうしても下がっちゃうんですよね。伝わってこないと言うか、前の方を向いてて欲しいなっていう感覚をオーディエンスの気分の時に感じて、これはどうにかしないとなって思って、何とか頑張ってますね。
TAKA:俺も頑張ろう!
一同:(笑)
卓偉:ただ例えばセッションとかをやる時に、相手のバンドの方の曲の歌詞とかはさすがに置かせてもらってます。本当に間違って失礼なことがあったらいけないんで。でもみんなそうみたいですね。歌詞が入る人ってあんまり聞いたことがないんですよね。
一同:(笑)
——先ほど前を向いて歌って欲しいっていうお話がありましたが、お2人のライブ中の目力って凄いなって感じてて、さらに歌に凄い力があると思うんですけど、何か秘訣とかってあったりしますか?
卓偉:目力はそんなにないと思うんですけどね。歳と共にどんどんなくなってきてるんで。たまに1曲目にサングラスを掛けたりね(笑)。
一同:(笑)
卓偉:TAKAさんにも聞いてみたかったんですけど、僕は若かりし頃の方が強く歌ってたんですよ。でもマイクに乗る声(周波数)って決まってるじゃないですか?
TAKA:そうですね。
卓偉:でもバンドで合わせた時に、ドラムの音がでかかったり、マーシャルのアンプがフルテンだったりした時に、それに負けじと大声を出してたんですけども、結局ネット(グリップ)に対して鳴る声って決まってて、それ以上に声を出していくと単純に消耗するっていうのが分かって。ある時、リハーサルでフロアまで降りていって、ワイヤレスのマイクで歌いながらスピーカーの音を聴いてみたら、大声を出したのと普通に歌ったのが、まぁ音量が一緒だったんですよ。
一同:(笑)
卓偉:それに気付いて、「うわっ、俺すっげー無駄になることをやってたんだ」って思って。弱く歌うわけではないですけど、ちゃんとマイクに乗る歌い方を心掛けてる感じですかね、この10年は。
TAKA:分かりますね。モニターによって、本当に力んじゃったりとか、全然ありますね。そういう時にちょっと声を嗄らしちゃったりとかしますね。
卓偉:だからLOFTさんにお願いしたいのは、サイドスピーカーを入れてくださいって(笑)。今後お願いします!
TAKA:あ〜。でもLOFTは結構回り込みがくるからね。
卓偉:でもボーカリストはサイドスピーカーがないときつくないですか?
TAKA:まぁ、あるのとないのとでは全然ね。あと返りが結構欲しい方なんで、デッドだと力が入っちゃいますね。
卓偉:ボーカリストはデッドはきついですよね。
TAKA:いくら下から聞こえてても、やっぱりホールの鳴りが聞こえないと。
卓偉:響きがないと厳しいですよね。
TAKA:難しいですよね。
卓偉:声の加減とかって変わってきたりします?
TAKA:俺は結構、理屈であんまり考えない方なんですけど、無駄な力は使わないで、抜けるところは抜けるようになってきたと思います。
——特にマイクに拘ってるとか?
卓偉:僕は性能とか製品とか、数字とかはよく分からないままやってきたんで。
TAKA:普通に58が好きって感じですね。衛生的なところでも安心感があるので、58だけ持ち歩いて(笑)。58だけあれば、ワイヤードでいいし…、と言うかワイヤードがいいですね。
卓偉:あっ、そうなんですね。
TAKA:会場が広くなって不便になったら、ワイヤレスを用意してもらったりする時もありますけどね。58でずっと育ってきたんで、指向性の距離感とかもそれで入っているので、違うのだと「あれっ?」って感じになっちゃったりするんで。
卓偉:どこの会場でもワイヤードの人もいますもんね。いいお話を聞きました、本当に。
 
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LIVE INFOライブ情報

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SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY
master+mind presents【Rock is Culture 2016】
2016年1月20日(水)新宿LOFT
OPEN 18:30/START 19:00
前売り 4000円/当日 4500円(共にD別)
【出演】
defspiral/中島卓偉(50音順表記)
【チケット発売】
LOFT店頭(Bチケット)・ローソン(Bチケット/L:78504)・e+(Cチケット)にて発売中!
【入場順】
Aチケット(受付終了)→Bチケットの並列→Cチケット
【主催・企画・制作】
新宿LOFT
【後援】
テレ玉
【協力】
HOT STUFF PROMOTION/TOWER RECORDS 新宿店/ライカエジソン/自主盤倶楽部/little HEARTS./ZEAL LINK/ブランドエックス
【問い合わせ】
新宿LOFT 03-5272-0382
 
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