Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE MACKSHOW(Rooftop2015年11月号)

踊り明かそう夜明けまで!
昭和九十年最新型ロックンロールは今夜も灼熱ヘヴン!

2015.11.02

キャロルがいなければ今の僕らは影も形もない

──「カワサキ・レイニーデイ」は昨年他界したジョニー大倉さんに捧げたナンバーですか。

KOZZY:もちろんそう。実際に川崎に行って作ったんだけど、川崎に行くとなぜかいつも雨なんだよね。今でこそ駅のほうは新しいショッピングモールで栄えてるけど、東京から高速で降りた工業地帯のほう…ジョニーさんの生まれ育った辺りは未だに人通りが少ないね。僕は昔、あの辺の石油コンビナートで働いてたことがあるからよく知ってるんだけど。

──川崎は歌が生まれやすい場所ですか。

KOZZY:昔はこんな所で歌なんて生まれやしないと思ってたけどね(笑)。まぁ、工業地帯の辺りだけ時が止まってる感じはあるよ。昭和50年くらいで止まってる。まさにマックショウ向きのエリアだね。

──ジョニーさんが亡くなった時は、やはりかなり堪えましたか。

KOZZY:まぁ、やっぱりね。キャロルを結成した人だし、音楽的な才能もあった人だから尊敬してたし。ジョニーさんが「マックショウ、凄くいいよ!」っていろんなところで言ってくれてるのは知ってた。ちょっと前に奥様にお会いした時にも言われたんだよ。「ジョニーはマックショウのことが凄い好きだったから」ってね。

──ご本人との交流はあったんですか。

KOZZY:深い交流があったわけじゃないけど、何度かお会いしたことはあった。マックショウを好きでいてくれてたから、「ジョニーさん、ウチをバックに何か唄いますか?」って聞いたら、「いや、いい」って言われたけど(笑)。

──(笑)そんなエピソードを抜きにしても、「カワサキ・レイニーデイ」はマックショウ史上屈指の大名曲だと思うんですよね。

KOZZY:ああ、そう? 僕はこんな曲を好きなヤツいるのかな? って思ってたけど(笑)。

TOMMY:いや、分かるよ。俺も凄く好きだね。

KOZZY:ジョニーさんが唄ってくれたら嬉しいよね。そういう曲は今までもけっこうあって、「恋はキャンディ・ブルー」もぜひジョニーさんに唄って欲しいと思って作ったんだよ。それで自分でモノマネして唄ってみたんだけど(笑)。まぁそれはともかく、「カワサキ・レイニーデイ」はパッと聴くとビートルズっぽいけど、キャロルがいなければ絶対に出来なかった曲だからね。それを言ったら、キャロルがいなければ今の僕らは影も形もないよね。

──今回の『TWISTIN' CARNIVAL』は通算12作目のオリジナル・アルバムですが、これで活動休止前に発表したオリジナル・アルバムの枚数とタイ記録になりましたね。

KOZZY:遂にね。いつも次の作品のことまでは深く考えてないし、これで全部出し切って終わりでもいいやと毎回思うけど、まだ何かやれるんじゃないかって気になるんだよね。

20150412_themackshow_0102.jpg──今年はコージーさんのソロ作がカバー集とオリジナルの2枚も出たことだし、マックショウの作品は休みでもいいかなと普通は考えるじゃないですか。それでもマックショウの創作活動にのめり込んでいくモチベーションが凄いなと思って。

KOZZY:今年はもういいだろ? と僕も思ったけど、待っててくれるヤツらがいるからね。

──やはり新作を求められると期待に応えたいというのが原動力ですか。

KOZZY:それは大きい。ただ、世のアーティストはみんなそうだろうけど、新曲ってこっちが期待するほど浸透してないからね。ライブで新曲をやり出すとお客さんはビールを買いに行ったりしてさ。まぁ、難しいよね。どんなアーティストでも「新しいのどうかな?」って構えるところはあるし、そこはみんなプレッシャーを抱えながら気合いを入れて新作に取り組んでると思うんだよ。でも音楽っていうのは結局、個々の思い入れだからね。僕だって好きなアーティストの思い入れのあるアルバムがもちろんあるし、それがよく分かるぶん、「新しいアルバム、要るの?」って思うことはあるよ(笑)。だけど、ツアーをやるにも手ぶらじゃ行けないからね。趣味で音楽をやってるわけじゃないから。

──カリフォルニアのライブでは「グリース・ミー」や「怪人二十面相」、「ナナハン小僧のテーマ」といった初期の重要曲がメインで演奏されていましたけど、近年発表されたフルスロットル・ナンバーをもっと聴きたい気もしますね。

KOZZY:アメリカではまた初期の曲から順繰りにやっていこうと思ってね(笑)。マックショウの前に2回デビューした経験のある自分にとって、マックショウは「もし今バンドをやり直せたらこうやるのに」っていうミュージシャンとしての思いを実現させたバンドなわけ。幽体離脱して、第三者的に自分を俯瞰してる部分が最初から凄くあるんだよ。ファースト・アルバムの音が悪いのも意図的なことだったし、3枚目のアルバムはけっこうキモだよね、みたいな狙いがあったりさ。だから僕はマックショウを始めたことでバンドの初期をもう一度味わえた。それと似たようなアプローチをアメリカのライブでやってるんだよね。向こうではまだ初期だぞ、って言うか。

TOMMY:広島からカリフォルニアのライブを見に来たヤツがいて、そいつは「最高のセットリストでした!」って。「昔のマックショウを見てるみたいで興奮しました!」って言ってたね。

KOZZY:だからアメリカではまだ初期なんだよ。荒いライブをやる初期のバンド。それを楽しんでやってるからね。新しいアルバムを出したからってプロモーション的に新曲を織り交ぜたセットリストをやる必要もないし、ちゃんとしたセットリストがない中でノリでやれる自由さがマックショウにはある。アメリカではそういう段階だね。

 

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TWISTIN' CARNIVAL(トゥイスティンカーニバル)

昭和九十年十一月十八日(水)発売
【SPECIAL EDITION】FAMC-200(DVD+CD)/定価:5,000円+税
*最新映像のアメリカ・カリフォルニア LIVE ドキュメント(DVD)をフィーチャーし、新作(CD)をパッケージした特別永久保存盤。
【通常盤】FAMC-201(CDのみ)/定価:2,700円+税
*通常盤とSPECIAL EDITIONのCD音源は同じ収録内容となります。
《LABEL》B.A.D RECORDS UNITED
《発売・販売》株式会社KADOKAWA

amazonで購入

【収録曲】
1. Pam Pam Pam
2. 今夜は Showdown
3. 高速ヘヴン
4. とにかく今夜(Anyway, Tonight Twistin')
5. ガソリンスタンド
6. 380
7. 夜のサイレンス
8. PLEASE DON'T LET ME DOWN
9. カリフォルニア・トゥイスティン
10. Baby let me be
11. カワサキ・レイニーデイ
12. 灼熱のトゥイスティン・カーニバル

【DVD 収録内容】
「CALIFORNIA ROLL」
■“ROCK'N ROLL VOLCANO IN SAN DIEGO!”
Live at BAR PINK San Diego, CA / June 11, 2015
■“REV IT UP!”
Live at SPIKE'S Rosemead, CA / June 12, 2015
■ENDING “SHINKIROU”

LIVE INFOライブ情報

夏が過ぎてもトゥイスティン!
ザ・マックショウ全国ツアー『トゥイスティン・カーニバル '90』

★昭和九十年十一月一日(日)福知山SOUND RAT
★昭和九十年十一月十三日(金)豊橋Club KNOT
★昭和九十年十一月十四日(土)金沢MILLION CITY
★昭和九十年十一月二十一日(土)桑名HERO'S
★昭和九十年十一月二十二日(日)寝屋川VINTAGE
★昭和九十年十一月二十八日(土)和歌山OLD TIME
★昭和九十年十一月二十九日(日)広島・福山明治館5¢
★昭和九十年十二月四日(金)名古屋E.L.L(ワンマン)
★昭和九十年十二月二十日(日)福島いわきclub SONIC
★昭和九十年十二月二十六日(土)代官山UNIT(ワンマン/ゲスト:伊東ミキオ 他)
その他、まだまだ続きます! マックショウの季節!

あの伝説のクレイジーな集会が再び!
スーパー神田ナイト『キャノンボール・フェスティバル 2016』

★IN 広島
【開催日】2016年3月27日(日)
【開催地】元広島西飛行場敷地(広島県広島市西区観音新町4丁目2874番1外)
【主催】キャノンボール・フェスティバル実行委員会 広島支部
【問い合わせ】c.b.f-1104@ezweb.ne.jp
★IN 千葉
【開催日】2016年4月17日(日)
【開催地】ロングウッドステーション(千葉県長生群長柄町山之郷67-1)
【主催】キャノンボール・フェスティバル実行委員会 千葉支部
【問い合わせ】cannon2016@yahoo.co.jp

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