Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューKETTLES(Rooftop2015年11月号)

結成7年、遂に二人で実現したワンマン! 沸点はどこまで上がるのか!

2015.11.02

 男女ギター&ドラムの変則ツーピース・バンド、KETTLES(ケトルス)。「ロックンロールの無敵感」を合言葉に、これまで二人でD.I.Yの活動を7年間貫き通してきた。彼らのライブを目撃した者は、二人とは思えぬその存在感に圧倒されたことだろう。二人の声と五体をフルに活用した全身全霊のロックンロール。そのルーツを篤と語ってもらった。バンド史上最長となる二人きりでのロング・ステージ。ライブでしか味わえないバイブレーションを五感で受け止めて欲しい。[interview:上里 環&柳沢英則(下北沢SHELTER)]

最小形態で最大限のロックンロールを目指す

──KETTLESは男性ギターと女性ドラム、そして二人ともにボーカルを取るというちょっと変わった編成のバンドですが、始めた時のコンセプトは明確にあったのでしょうか。
コイケ(g, vo):バンドの最小形態で最大限のロックンロールを目指すことですね。楽しいことを優先の上で試行錯誤を繰り返して活動を始めました。
──活動を始めてどれくらい経つんですか。
オカヤス(ds, vo):丸7年になります。
コイケ:メンバーを増やすことも考えていませんね。二人でやったほうがシンプルで面白いし。
オカヤス:独特の呼吸みたいなものがあるので、音を足すよりも、二人のグルーヴや勢いを大切にしたいですね。周りからもそう言われることが多いです。
──打ち込みの曲もありましたよね?
オカヤス:「デビル・ハート」(『ビー・マイ・ケトル』収録)は打ち込みではなくて、カシオトーンに入っているサンプルビートで遊んでいて出来た曲で…(笑)。二人でやる上で、「どう音を厚くしていくか」もひとつの課題なんですが、逆に削るとどこまで行けるかという、ギリギリの曲ですね。
──二人はどんな音楽に影響を受けてきたんですか。
コイケ:オカヤスとはもともと大学のサークルで知り合ったのですが、当時は他に音楽性の合う人が見つからなくて。最初はちょっと手伝ってもらうくらいのつもりで叩いてもらっていたのですが、自分の好きな音楽を聴かせてみたらオカヤスが意外にもハマって。
オカヤス:クラッシュのファースト(『白い暴動』)とかも聴かせてくれて、パンクって重い音だと思い込んでいたんですが、タイトで軽快なビートが面白かったし、シンプルでカッコいいなって思って。
コイケ:テクニックが付いてくるとちょっと難しいことがやりたくなったり、同じクラッシュが好きだと言っても好きな部分が違ったりするんだけど、オカヤスはそこが上手くフィットしましたね。
オカヤス:コイケさんの出で立ちもちょっとイギリスっぽいと言うか、自分たちには合っていたのかもね(笑)。
──日本の音楽は好きですか?
コイケ:最初はそれこそブルーハーツですね。当時、同様の評価を受けていた日本のバンドを追ったりもしたのですが、どうもピンとこなくて。その後、キング・ブラザーズやギターウルフを知って、ガレージ・シーンのバンドにハマっていきました。
オカヤス:昔は姉の影響でドリカムとか聴いてました。パンクとは程遠い…タバコも吸わないし(笑)。
コイケ:学生の頃なんかは一生懸命貯めたお小遣いでようやく買えたレコードを修行のように聴いていましたね。
オカヤス:情報が今より少ないから、音から想像してたよね。買ってすぐには良さが分からなくても、理解できるまで聴き続けてだんだん好きになっていったり。
──同世代だからよく分かります。僕も中学生の頃に買ったトム・ウェイツに悩まされました(笑)。
オカヤス:渋い(笑)。そんな世代だからまずはデモ音源を作ろう! となった時もテープの音質に憧れと言うか、馴染みがあって、カセットのMTRをわざわざ買って作っていましたね。
──それがレコード会社の人に引っかかって?
コイケ:デモテープを送ってから1年後にUK.PROJECTの人が突然ライブを見に来てくれて、最初は僕らの年齢を10歳近く若く思っていたみたいで(笑)。これは無理かなと思っていたんだけど、リリースできることになって。その人にはいろんな音楽を教えてもらったし、それが今の作曲する上での糧にもなっているし、お世話になっています。
オカヤス:今回のアー写も実はその人に撮ってもらったし(笑)。KETTLESは二人でやっているからいろんなところでつまずくこともあるけど、そのたびに周りの人に助けられてます。
コイケ:シェルターで初めてレコ発をやるってなった時も、一方的にファンだったアナログフィッシュにダメ元のつもりでメールを出したら、なんと返事が来て。そのタイミングで共演は叶わなかったんだけど、当日、下岡(晃)さんがライブを見に来てくれて、次のレコ発ではツーマンが実現したんです。本当に嬉しかったですね。
 

満を持してのワンマンデビュー!

──そんなお二人が初めてのワンマンをシェルターで開催するということで。
オカヤス:自分たちのバンド人生で本当に初めてのワンマンになります。
コイケ:レコ発などでもシェルターで企画をやらせてもらっていましたが、世代的にも自分としてはドンピシャで憧れのハコなので嬉しいです。初めて出演できた時のことは今でも覚えているし、初ワンマンをシェルターでできるのは完璧です。
オカヤス:“ザ・ライブハウス!”っていう印象で、長年受け継がれてきたものがにじみ出ている気がします。
──ゲスト・ミュージシャンは入るのでしょうか。
コイケ:今回は予定していません。二人で完結するつもりです。
オカヤス:曲数をちょうど今考えているところなんですが、曲が短いのでワンマンとなると25〜30曲はできてしまうんです。叩き続けるには体力をつけないと。
コイケ:昔の音源化されていない曲も久しぶりに引っぱり出して、二人でやったりしています。
──普段のライブでは聴けないレアな曲もやるかもしれませんね。
コイケ:日本語カバーしている洋楽もまだ世に出していないものが多いので、期待していて欲しいですね。
──当日はどんなライブにしたいですか。
コイケ:俺自身が人と一緒にワーって盛り上がるのが苦手なタイプなんだけど、そんな人たちにもたくさん集まって欲しいな。全体で盛り上がらずとも、一人ひとりがグッと拳を握りしめながら聴き入ってくれるような、そんなライブにしたい。
オカヤス:しーんとしている会場でも、みんな感動していることがありますよね。逆に誰も盛り上がっていない暗い曲のイントロで、自分一人だけ拳を上げてしまったり(笑)。周りを気にしてハジけきれないような人たちにも楽しんでもらえるようなライブにしたいです。
──最後に、ワンマンへの意気込みをお願いします。
コイケ:ワンマン自体をあまり意識してこなかったけど、どこかではやりたいって気持ちがあったし、KETTLESを好きな人たちで空間を共有できたらなって思う。躊躇している人がいたら、是非とも来て欲しいです。
オカヤス:今回、会場限定盤を引っさげてのワンマンなので、本当にライブが好きな人たちと一緒に楽しめるライブにしたいです。自分が今までライブを見る立場でもらってきたエネルギーを今度は自分たちがステージ側で発散して、みんなと共有できたら嬉しいです。
コイケ:ロックンロールの無敵感を得て帰って欲しい!
 
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【収録曲】
1. プレッシャー
2. 何をやっていたんだ
3. O-SOS
4. 小さな嘘
5. 図に乗って
6. 人の気持ち

LIVE INFOライブ情報

ワンマンデビュー
出演:KETTLES
2015年11月29日(日)下北沢SHELTER
OPEN 18:45/START 19:15
前売 2,500円/当日 未定(共にドリンク代別)
チケットはLAWSON(77165)、e+にて発売中
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430
 

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