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スーサイド・ララバイ(ギンティ小林&市川力夫)(Rooftop2015年11月号)

 『怪談新耳袋 殴り込み!』の終了から早2年。沈黙を守り続けたギンティ小林と市川力夫のふたりがいよいよ始動! ショック映像を求め、命懸けの撮影を敢行! そして11月30日(月)、ロフトプラスワンにてイベント開催決定! スーサイド・ララバイの全貌に迫ります![interview:一木義彦(LOFT/PLUS ONE)]

44歳にして初めて借金して自主映画

──まず、スーサイド・ララバイ結成のきっかけを教えてください。
ギンティ:僕らのことを知らない方が多いと思うので説明しますと。『怪談新耳袋 殴り込み!』という心霊ドキュメント映画シリーズを作っていたんですよ。それが2013年に終わってしまったんですが、やっぱり行きたくなるんですよ。ライフワークになっていましたからね、心霊スポット巡りが。で、何かやりたいなぁと思っていたら、力夫が「自主制作でやりましょう」と。
力夫:『殴り込み!』で監督をやったんですが、規制が多くてストップがすぐかかるんですよ。監督って役職だけは与えられてるけど、ホント何にも決めさせてくれなくて。行く場所すらも。だったら自分たちで借金してでもやろうと。
ギンティ:僕に至っては44歳で生まれて初めて借金して自主映画を作ってんですよ(笑)。
──凄いですねぇ(笑)。でも、やりたいことがやれるなら借金も辞さないと。
ギンティ:『殴り込み!』でもかなり過激なことにトライしたとは思いますが、今度はその『殴り込み!』で「やったら商品化はムリ」と言われたことをやりたいですね。だから、ブレーキが壊れちゃってエライことになっちゃってるけど(笑)。
力夫:いま心霊モノって世の中にもの凄いあるじゃないですか。それとは一線を画すものと言うか、スーサイド・ララバイに関しては心霊モノでも何でもなくなってきてるんですけど、すでに(笑)。
ギンティ:ジャンルで言うとショック映像(笑)。確かに心霊現象は撮れてるんですけど、イワクのある場所でそんだけバカなことやれば、そりゃ霊もカンカンに怒って心霊現象も起こるだろうよっていう感じになってて。
力夫:スーサイド・ララバイっていう名前も割と適当に付けたんです。とりあえず怪奇とか心霊とかベタな名前は絶対やめようって言ってて。だからある種、言い訳でもあるんです。ただの心霊ドキュメントじゃないぞ、って。つまり『殴り込み!』とかとは全然違うよって意味で。
ギンティ:ゆくゆくは海外の心霊スポットで、一人ひとりジャンケンで順番に入って、そこに置いてあるリボルバーでロシアンルーレットしたいですね!(笑) ショック映像を撮る、という部分ではかなりマヒしてきちゃってるかも。
 

首吊り死体を再現!

──今回の心霊スポットはどんな所でしたか?
ギンティ:まず、『殴り込み!』でも行った大阪の新世界にある首吊り廃墟に行きました。その経緯は今年の7月に角川ホラー文庫から出た僕の著書『新耳袋殴り込み 最恐伝説』に書いてあるのでそちらを読んでいただければと思います! 宣伝になっちゃいましたが(笑)。まぁ簡単に言ってしまうと、その廃墟では身元不明の首吊り死体や片腕のない白骨死体が次々と発見されたんです。そこに行くのが僕らだけじゃ絵的に寂しいかなということで、僕らの工作能力を限界まで使って、首吊り死体を忠実に再現した等身大の人形を作成して連れていき、そこで吊るしました。
──ヤバいですねぇ(笑)。
ギンティ:でも力夫は最初、「その横で自分たちも首吊りませんか?」って言い出して……。その時、「そっか! 俺はいま、狂人とふたりで自主映画を作ってんだな」って腹をくくりましたね。
──その後はどちらに?
ギンティ:神戸の山ひとつが墓地っていう所に深夜ふたりだけで行って。丘と丘の間に橋があって、その橋の上にひとりで行って人形の首を吊るっていう。
力夫:今のところやってることって、あらゆる心霊スポットに人形を持っていって首を吊るっていう(笑)。もうよく分かんないですよ(笑)。
ギンティ:しかも、力夫が人気のない墓地の中で、等身大の人形を肩から担いで橋に向かっていく映像を撮ったんですが、どう見ても人を殺してる映像にしか見えないんですよ。カメラ覗きながらブルブル震えてきちゃって。で、僕は橋の下に移動して首吊りを待っているんですが、暗くて橋での様子が見えないんですよ。橋の上からザッザッザッて作業音が聞こえるんですが。そしたら突然、「あっ!」と力夫の声が聞こえてきたら次の瞬間、ドサ! って音が足元で聞こえて……。ライトを照らしたら、首のない人体が落っこちてるんですよ! 俺ホント、腰抜かしそうになって! でもふたりしかいないからやることは山のようにあって、変な声とか音とかけっこう録れてたりしてるんですけど。人形の首から下が落ちた時も、力夫は「すみません、ギンティさん! テイク2!」とか言って(笑)。
力夫:でも、テイク2の話で言うと、『殴り込み!』だと一晩に何件も回ったりして粘れないんですよ。こっちとしてはひとつの心霊スポットに集中したいし、そこで何かが起こるまでは朝まで粘っていたいというのがあって。この体制になってからじっくり取材ができるというのはいいですね。基本はやっぱり心霊現象を撮るというのがありますから。声とかも相変わらず入ってきますしね。何人いるの? っていうくらい。
ギンティ:カメラとかセッティングしてる時に、ウゥ〜とか聞こえてくるんですよ。「あっ!」とか言ってお互い一瞬目が合うんだけど、構ってられないんだよね。ふたりでやってるから時間がなくて。
──心霊現象に構ってられない(笑)。
ギンティ:心霊現象が起きるのはいいけど、俺たちとしてはちゃんとミッションをやってる時に起きてくれよ! って感じ。
力夫:意味分かんないですよね。心霊現象を撮りに行ってるのに、心霊現象が起きたらちょっと黙ってろ、みたいな(笑)。
 

キ○ガイ先生の協力

──神戸の後はどちらへ行ったんですか?
ギンティ:『BUBKA』の取材も兼ねて「おせんころがし殺人事件」っていう栗田源蔵って大量殺人強盗強姦犯が母子4人を殺害した現場に行くんですけど、殺人現場だから事件もちゃんと伝えたいと。『BUBKA』では略しちゃったんだけど、道中も面白かったですよ。で、僕らの知り合いで世に出ていないと言うか…。
力夫:と言うか、世に出れない人がいるんです。今で言えば『アウト×デラックス』とかあるじゃないですか? ああいうのでさえアウト(笑)。まぁ、平たく言うとキ○ガイなんですよ。
ギンティ:インディーズでもお蔵入りしかねない。『殴り込み!』の時ってそういう人たちの協力がたまにあるんですけど、絶対に映像に載せられないんですよ。映ってるその人の目がダメって。そんな知り合いが我々にはいまして、でも殺人事件に関してはネットより詳しい。
力夫:Google以上です。で、その彼の協力を得られて取材してるんですが、『BUBKA』ではその辺全部カット。コンビニ売りの雑誌ではムリだったんです。
ギンティ:でもホント詳しい方で、車でちょっと走ると、左手に見えるのは昭和何年に何々事件が起きた場所で…とか、ここは大島渚の映画のモデルにもなった…みたいな。普段からひとりで真夜中に殺人現場に行って取材してるんですよ。
──どこかに書いたりとかはしてるんですか?
力夫:一切世に出てないはずです(笑)。ですがスーサイド・ララバイではがんがんスポットを当ててますから! 今回のイベントでの見所としては、社会通念上アウトでストップがかかったりするものも、このイベントでは全部見られちゃうということです。そこら辺は、僕らのチラシがなぜ『マーダーケースブック』なのかというところを察して欲しいです。心霊モノも好きで殺人モノも好きって方は満足してもらえると思います。ガチな心霊ファンは怒るでしょうけど……。
ギンティ:特に殺人現場では協力者の方の大活躍がホントに凄いんで(笑)。その方の解説のもと、犯人と被害者が辿ったルートを行くんですよ。硬質な事件ドキュメンタリーに一瞬見えるんですが、いかんせん映ってるのが僕らなんで(笑)。僕らもそうですが、その方の出で立ちが、顔出しNGなんで、アポロキャップとグラサンなんですよ(笑)。
力夫:背もデカいんですよ。180超えるくらいで、それが異様なんですよね。
ギンティ:心霊現象は起きるわ、キ○ガイはいるわで(笑)。千葉のファミレスでミーティングしようってことになって、夜の20時くらいだからファミリー客がいっぱいいるんですよ。そこでキ○ガイ先生が殺人現場の写真とか資料をガンガン広げて。箸の使い方もなってないのにもしゃもしゃ食べながらいろんな殺人事件の話をするんですよ(笑)。
力夫:このままスーサイド・ララバイを続けてたら、3年後くらいに『神様の愛い奴』みたいになりますよ!(笑)
 

Live info.

スーサイド・ララバイ きめてやるナイトvol.1
出演:ギンティ小林&市川力夫
2015年11月30日(月)新宿歌舞伎町ロフトプラスワン
OPEN 18:00/START 19:00
前売 2,000円/当日 2,500円(税込・要1オーダー500円以上)
問い合わせ:ロフトプラスワン 03-3205-6864