Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー梁井一×ビーバップみのる(Rooftop2015年8月号)

『どついたるねんライブ』で“AV OPEN”に殴り込み!
ハマジムの若頭とAV界きっての自由人がロフトプラスワンに降臨!

2015.08.01

 どついたるねん初のライブDVD『どついたるねんライブ』を監督したハマジムの若頭・梁井一と、制作期間1年4ヶ月のAV『501』を遂に完成させたAV界の自由人・ビーバップみのるが、8月12日(水)にロフトプラスワンで行なわれる「『どついたるねんライブ』発売前&AVOP'15応援イベント」に登壇! イベント開催を前に、気鋭の両AV監督に語り合ってもらった![interview:一木義彦(LOFT/PLUS ONE)]

松尾さんの『パラダイス オブ トーキョー』に衝撃を受けた

梁井:すみません、みのるさん寝坊したみたいで。今向かってるって。
──了解しました(笑)。それでは先に始めましょう。まず、梁井さんがAV監督になったきっかけを教えてください。
梁井:そんなに念願叶ってみたいなわけじゃないし、特に映像がやりたかったわけじゃないんすけど、進学校でそのまま4年制の大学行って、みんな就活していて、俺もなんかやらなきゃなぁって思っていた時、そう言えばAVっていい加減そうだなぁって。そんなイメージってあるじゃないですか? それでなんかいいなぁと。もうホントなんとなくですよ。
──AVはよく観ていたんですか?
梁井:大学時代とSOD(ソフト・オン・デマンド)に居た頃はよく観ていましたね。その時観ていたのがカンパニー松尾さんだったり、V&R系のいわゆる『クイック・ジャパン』的なサブカル寄りのAVです。
──一番影響を受けたAVはなんですか?
梁井:松尾さんの撮った『パラダイス オブ トーキョー』です。これは衝撃を受けましたね。あとはやっぱり昔のV&R系ですね。バクシーシ山下さんとかインジャン古河さんとか観られるものはすべて観ています。2006年にSODに入って、4年間居たんですけど、この期間も死ぬほどAVを観ていました。SODのビルの中って凄く汚いんですよ。で、倉庫にグチャグチャとAVが積まれてあって。それこそ安達かおる監督の発禁になったAVとか山下さんの自衛隊のAVとかゴロゴロ出てきて。そこでかなりの量を観ましたね。
──それはAD時代ですよね。
梁井:丸3年ADをやっていて、最後の1年は監督として撮っていました。ADの時は、割とボケっとしちゃっていて良い動きができなかったんすよ。良い動きするADはいろんなディレクターが使いたがるんすけど、俺は転々とさせられて。現場とかでもヘラヘラしてたから(笑)。
──なるほど(笑)。それからSODを辞められてハマジムに移ったんですよね。
梁井:ちょうどSODで働いて3年ぐらい経った時、プロデューサーに「お前、松尾さん好きだよな」って言われて、打ち合わせに付いて行ったんです。それで打ち合わせの席で松尾さんに「コレも観てました、アレも観てました」って。で、松尾さんも好きと言われてイヤな気はしないですから(笑)、そこで覚えてもらって。それと同時期ぐらいに、大橋仁という人が『そこにすわろうとおもう』という写真集(300人の乱交を撮った写真集)を作っていて、松尾さんが人脈を駆使していろんな人を呼んでいて、その中に俺もいたんですよ。ちなみにみのるさんもそこにいました。それから、松尾さんの雑誌の連載にも呼ばれたりと、なぜか徐々に交流する機会が増えてきて、突然松尾さんから「ハマジムで働かない?」って。当然、二つ返事で「行きます」と。
──穏やかなイメージが松尾さんにはありますが、怒られたことってありますか?
梁井:ないですね。松尾さんが怒る時はよっぽどですよ。怒られたらもうアウトみたいな。いや、分かんないですけど。だって、ビックリするぐらい怒らないですよ。あ、今イライラしてるな、とかは思う時ありますけど。だからSODとは真逆ですね。SODは、高橋がなりを筆頭によく喋る人たちばかりの体育会系で。
──でも、松尾さんが昔居たV&Rにも体育会的な雰囲気がありますよね?
梁井:あー、そうですね、確かにあります。山下さんも現場ではそんなとこありますからね、ピリピリして。安達さんがもともとそんな感じらしく、松尾さんはその反面教師で全く逆のスタイルになったんだと思います。山下さんとか古河さんは安達さんの流れを受け継いでいる気がしますね。
──松尾さんで良かったですね(笑)。
 

梁井一『BestHits』&『裏BestHits』

──最近出された『BestHits 梁井一』と『裏BestHits 梁井一』の2枚ですが、めちゃくちゃ面白かったです!
梁井:ありがとうございます。あれも会社から言われて出したと言うか…そもそもタイトルに自分の名前が出てて、気恥ずかしいじゃないですか?
──でも衝撃の連続で、さすが梁井さんのBest盤だなと。妊娠が発覚したり、3.11で飛行機が飛ばなくなったり、プロののぞき屋とのぞきをしたり、女装子のおじさんと白昼堂々露出プレイをしたりと…盛りだくさんですよね。
梁井:そうですね。でも昔のモノは編集がヘタだったり、観てられない面もありますが。
──でも観ていて思ったんですが、“テレキャノ”の時もそうだし、梁井さんって引きが強いですよね。
梁井:そう言われるのっていいことですよね、他力本願みたいで(笑)。でも確かに“テレキャノ”観た人からはよく言われるんすよ。たとえばバク山さんって素人ものとかやると、バク山さんのビデオに出てきそうな人がホントに出てくるんですよ。だから、それぞれのディレクターがそれぞれに合った人を引き寄せちゃうんでしょうね。
──“テレキャノ”以降は街で声をかけられることもあるんじゃないですか?
梁井:う〜ん、ホントたまにですがありますね。“テレキャノ”Tシャツ着てる人を見かけると、オッとか思いますけど。
──ハマジムは最近Tシャツのリリース・ラッシュですね。
梁井:だって、この前作った『keep on〜』Tシャツなんて、1週間限定の受注だったのにその月のDVDの売り本数を越したんですよ! たった1週間で!(笑)
 

Hはできたけどそんなに稼げない

(と、ここでビーバップみのる監督が眠そうな顔で登場)
梁井:みのるさんの番ですよ!
みのる:何? 何をやればいいの? 何を聞きたいの?
──では、AV監督になったきっかけからお願いします!
みのる:全部ビデオの中で言ってますけどね…。まぁ、夢野まりあに会いたかったからですよね。この業界には27歳で入りましたけど、捕まる心配がある仕事ってイヤですし、ヤクザになれる武闘派でもないですし、かと言ってオレオレ詐欺とかは良心が痛むし。で、AVだったら捕まる心配なくていいなと。それにお金も稼げそうですし、女の子ともHできそうですし。
──実際、入ってみてどうでした?
みのる:Hはできましたけど、思ってたほど稼げなかったですね。それにスタートはADから始まるので、拘束時間が長かったんですよ。それこそTOHJIROは朝から来て夜中までいるんですけど、TOHJIROが帰るまでは帰っちゃいけないみたいな暗黙のルールがあったんです。先輩とか同期はみんなそのルールを守ってましたが、僕は「買い出し行ってきます」とか言って、そのまま帰っちゃったりしてたんですよ(笑)。
──えっ、途中で帰ったんですか!?(笑)
みのる:うん、でも意外と怒られなかったです(笑)。実際に僕からしたら、居たところで何もすることがないわけです。だから帰りました。ただ、たまには頑張りますよ、ここぞって時は。入って1週間目で付いた現場が大量ぶっかけみたいな現場だったんすよ。森下くるみと桜井風花が150人くらいにぶっかけられるみたいな。気持ちわりぃなぁとか思いながら(笑)。で、カットがかかってアピールしちゃおうと思って、精子でドロドロの女優さんを抱きかかえてお風呂場がある2階まで階段を駆け上がりました。そしたらすっごい褒められて。そこからあまり怒られなくなりました。
梁井:ナンパものっていつから撮ってんですか?
みのる:監督になって3ヶ月後ぐらい。ずっと同じ所にいるのが疲れてきちゃって、外行きたいなぁみたいな。二村さん(二村ヒトシ監督)って、自分の撮ってる時センズリこくんですよ。本人的には線引きがあって、「俺は絶対射精しない」って言ってて。出しちゃうとやる気がなくなっちゃうから。ユーザーの目線で観るって言って、モニター観ながらチンチンしごいて指示出してるんですよ。それである時、いつものようにしごいてたんですが、急にベロンって手に唾液を付けてチンチンに付けてクリクリしだしたんですよ。俺、それ見て気持ちわりぃって思って(笑)、もうヤダ、こんなとこには居たくないって(笑)。それがきっかけで外に行くようになったんすよ。ある種、二村さんのおかげですよね、“ナンパ第三世代”ができたのは。
 

『ロッキー』『エル・トポ』『ふぞろいの林檎たち』

──このたび1年4ヶ月の制作期間を経て完成した『501』ですが、いろんな映画に影響を受けてますよね?
みのる:そうなんですよ。作ってる途中で『劇場版キャノンボール』を映画館で観ちゃったから、頭の中で映画っていうのに引っ張られちゃって。それでたまたま『ロッキー』とか『エル・トポ』とか『ふぞろいの林檎たち』とか観ちゃったんで。まぁ、最後のは映画じゃないけど(笑)。『ロッキー』をAVとして撮ろうと思いました。AV版『ロッキー』。でも女の子は『ロッキー』に思い入れないから、それじゃあ『ロッキー』が撮れないじゃんみたいな。そんなAVです。だから極めて個人的なAVですよ。
──ナンパも『ロッキー』も一対一の闘いという意味では一緒ですよね。今度ぜひその闘いをロフトプラスワンのリングでお願いいたします!
梁井:みのるさんもそろそろ『ビーバップみのるの○○』みたいなイベントやりましょうよ。人生相談とか、説法とか。
みのる:いや、ダメダメダメダメ! まだ早いよ。気づいたらやってたって感じならいいけど、最初からこれをやるぞっていうのは無理です。やってもいいけど、当日俺が来ないっていうのがアリならいいです(笑)。
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『どついたるねんライブ』

監督:梁井一/メーカー:HMJM
価格:3,800円+税
発売日:2015年9月1日

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LIVE INFOライブ情報

『どついたるねんライブ』発売前&AVOP'15応援イベント
【出演】どついたるねん、九龍ジョー、岩淵弘樹、梁井一、カンパニー松尾
2015年8月12日(水)新宿歌舞伎町 ロフトプラスワン
OPEN 18:00/START 19:00
前売 2,000円/当日 2,500円(税込・要1オーダー500円以上)
問い合わせ:ロフトプラスワン 03-3205-6864
 
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