Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューYellow Studs×Radio Caroline【完全版】(Rooftop2015年7月号)

“方位磁針”が指し示すのは食うか食われるかの大決闘!

2015.07.01

 現在、全国でファンが増え続け、キリン氷結のCMソングの起用や大型イベントへの出演など大きな話題を呼んでいる完全無所属のインディーズ・バンド、Yellow Studsの自主企画『方位磁針』の第2弾が新宿LOFTで開催される。今回、Yellow Studsが共演に選んだのは、昨年11月30日に開催された"LOFT FES"で復活したRadio Caroline! LOFTでしか観られないこの貴重な共演は、ロック好きな人には最高のカードだと確信してます! そこで、この好カードをより深く楽しんでもらうべく、二組のボーカルの対談が叶いました。[interview:柳沢英則(新宿LOFT)]

昔、新宿LOFTは大嫌いだった(PATCH)

──今日は7月31日に行なわれるYellow Studs企画『方位磁針 VOL.2』に際しまして、Radio Carolineからパッチさん(g, vo)にお越しいただきました。Yellow Studsからは野村太一さん(key, vo)と田中宏樹さん(ds, cho)がいらっしゃっています。さっそくなんですが、互いに面識はあるんですか。
野村:けっこう会ってますよね? レディキャロではないですけど、VIOLETSとして。
PATCH:4回ぐらいじゃないかな。
野村:東北で3回、東京で1回だと思います。
PATCH:最初に聞いておくけども、おいくつですか?
野村:今、34歳です。
PATCH::そんなに若かったの?
野村:そんな歳に見えたんですか?(笑)
PATCH:貫録あるもん。俺は44歳なんだよね。ちょうど10個も違うんだね。
野村:いいじゃないですか(笑)。(同席した)マネージャーさんとは長いんですか?
PATCH:レディキャロやってからだから、2005年ぐらいから10年ぐらいかな。まぁ5年ぐらい活動してなかったけどね。彼はもともとLOFTの店長だったらしいよ。
マネージャー:若い頃、5年ぐらいかな。23、4の時ね。
PATCH:LOFTにはGYOGUN REND'Sをやってた時に出たんだけど、話したことはなかったね。
野村:LOFTの店長さんって話せないイメージありますね。どの人が店長なのかも分からなかったし。
PATCH:俺も今の店長になってようやく、店長だって分かった。
野村:僕も9年ぐらい前にLOFT出た時、店長さん分からなかったですね。
──それはイベントで出たんですか?
野村:イベントも打ったんですけど、店長さん出てきてくれないから、あれ…? って(笑)。
PATCH:俺は昔のLOFTの時に、デモテープ持って行ったんだよ、「やらせて下さい」って。でも、待てど暮らせど連絡が来ないわけよ。痺れ切らして電話したら、「もうちょっと練習してから来て下さい」って切られた(笑)。
野村:マジすか!
PATCH:だからその頃から俺は「LOFTは大嫌いだ」って公言してきたんだけどね(笑)。でも最近はよくやらしてもらってるから(笑)。雰囲気良くなったよね。
──それは良かったです(笑)。ところで、ずっと気になってたんですが、“パッチ”の由来って何なんですか?
PATCH:パッチはね、アルパチーノから来てるの。アートスクール時代…美術系の学校ね(笑)、GYOGUN REND'Sやってたヒロキングと、映画『ゴッドファーザー』を観て影響されちゃってさ。ヒロキングがナカザワヒロキって言うのね。あいつが「俺はロバート・デヒーロだ」って言い始めて。じゃ俺はオガワハルヒコだから「ハル・パチーノだ」って(笑)。まぁ定着しないよね。特にデヒーロは全然だった。でもパチーノは割と残って、そこからパッチになったんだよ。
野村:結局、名前と関係なくなっちゃいましたね(笑)。
 

バンド名が先に来るんじゃない、真摯な勝負がしたい(野村)

──レディキャロ活動再開から半年ぐらい経ちましたけど、感触はどうですか。
PATCH:ようやくって感じだね。この間、下北沢Club Queでやったんだけど、「あ、こんな感じだったな」ってやっと思い出した。
──昨年末の川崎CITTA'で“LOFT FES”に出た時はどうだったんですか。
PATCH:その時は逆に全然緊張しなくてね。楽しいなーって。言い方が大げさかもしれないけど、どこか他人事だったと言うか。
野村:緊張するタイプですか?
PATCH:VIOLETSでもレディキャロでもいつも緊張するね。
野村:ひとつ聞きたいんですけど、お客さんが凄く多いライブって僕たちやったことないんですよ。そういう時って景色とか、やることとか変わるんですか?
PATCH:俺もそんなにやったことはないよ(笑)。ちょっと違うけど、ギョガン、ツアー・ファイナル、クワトロでやりますって時はやっぱり気合い入るよね。こいつら全員俺たちを観に来てるっていう感覚が。GYOGUN REND'Sの時ってあまり楽しんでなかったんだよね。どうも「見せつけてやる!」って気持ちが前にあってさ。お客さんに対しても「お前らよりも俺のほうが格好いい」って訳の分からない張り合いをしてたり。だからかな、2回目のワンマン、2、3時間やったらお客さんに「疲れた」って怒られたね(笑)。
野村:正直、2時間はキツいですね(笑)。
PATCH:すべてを出し切って提示したのに、お客さんに「疲れました」って言われた時のショックと言ったら!
野村:僕のイメージだと、パッチさんって「客のことなんかどうでもいい!」って感じなんですけど、やっぱり思うところはあるわけですね。
PATCH:どうなのかな。野村くんはどうなの?
野村:僕は凄い考えますね。顔色を窺ってしまうと言うか、「楽しませてあげなきゃ」って思いが強すぎるのかもしれません。
PATCH:お客さんも含めたライブに臨む態度は、やっぱり先輩…特にギターウルフに影響受けてると思う。『BACK FROM THE GRAVE』ってイベントは本当にヘンな人ばかりで、皆が皆、30分のステージの後はグッタリしてたな。その30分の間にどう見せるか、どこまで吐き出せるかってことしか考えてないような人たちだった。
野村:尺がどれだけだろうが、そこにすべてを置いてくるイメージですかね。
PATCH:そこに照準を合わせて酒とかガンガン呑んでた。だからお客さんとは勝負なんだよね。そういう意味ではお客さんを気にしてるって言えるかな。先輩バンドとも勝負だし、お客さんとも勝負。メンバーとも勝負だった。ヒロキングがジャンプするなら俺はもっとパワーあることしなきゃと思ってたし(笑)。
野村:それは凄い共感しますね。ただ、メンバー内まで勝負しようとは思わないです(笑)。
PATCH:そういう戦ってるイメージを続けて、やり切ったという満足感を得るというね。
野村:先輩バンドとも戦って、盗んでやろうとはいつも思いますね。ただ、東北でVIOLETSと何回かやってもどうも盗みづらい。揺るがない強さがありますよね、VIOLETS、もといパッチさんには。
PATCH:イエスタは東北でもやっぱり人気あってさ。でも俺のギョガンとかレディキャロっていう経歴を気にしてくれてさ、だいたい出番が後ろなの。でもそういうところは気にしないでやって欲しいんだよね。俺は今の自分で勝負したいからさ。今のバンドだって凄い格好いいバンドたくさんいるよ。そこで勝負したいな。
野村:でも地の“ライブ力”があるなって印象ですね、VIOLETSは。僕あんまり格好いいと、他のバンドのライブ観たくないんですよ。悔しくなるんで。そこで今回のイベント、レディキャロとは初ですよね。周りの人もついに来た! とか言ってくれるんですよ。でもバンド名が先に来るんじゃない、真摯な勝負がしたいんです。でもやっぱり僕らのお客さんも大喜びで、ちょっと悔しいなーなんて思ったりしますね(笑)。負けたくないですし。
PATCH:いやいや、負けるよ。現役でやってるバンドには、今のレディキャロじゃ追いつけないんじゃないかな。
田中:とは言っても、レディキャロは3人ともガッシリしたキャリアを積んできた人たちですから、そこの強さは生半可なものじゃないですよ。
PATCH:今のウチらなんかエリマキトカゲみたいなもんでさ。「わー、観れる!」って思って来てくれるんだよ、新しい曲も一切やらないし。そろそろ次に動かなきゃなって思ってるんだけど、なかなか動けてないんだよね。
 
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LIVE INFOライブ情報

Yellow Studs presents 方位磁針 VOL.2
2015年7月31日(金)新宿LOFT
【出演】Yellow Studs/Radio Caroline
【OA】TEXAS STYLE【DJ】ジャックサトシ
OPEN 18:30/START 19:00
前売 3,300円/当日 3,800円(共にドリンク代別)
チケットは、PIA(Pコード:264-251)・LAWSON(Lコード:79964)・eplus・LOFT店頭にて発売中。
問い合わせ:LOFT 03-5272-0382
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