Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー岡山一成(サッカー選手/奈良クラブ)(Rooftop2015年6月号)

サポーターを熱狂させた声がスタジアムからライブハウスへ!
2015年6月13日、ロフトプラスワンウエストの壇上で『岡山劇場』開演!

2015.06.01

 サッカー選手として20年のキャリアを持ち、ロフトプラスワンウエストにも度々登場している岡山一成がRooftopに登場! 今回は岡山とイベントでタッグを組む機会の多いケチャップ河合が司会のもと、岡山のこれまでのサッカー人生から次回のイベントの構想まで、たっぷり語ってもらった。[interview:ケチャップ河合(漫才コンビ「巷」)/構成:平松克規(Loft PlusOne West)]

キャリア20年、紆余曲折のサッカー人生

──岡山さんはサッカー選手ですよね?
O:そうやね。今は日本フットボールリーグ(JFL)の奈良クラブに所属するアマチュアで、Jリーガーではないけどね。
──Jリーグでプレイしてたのは、いつ頃なんでしょうか。
O:まず1997年から2008年まではJリーグでプレイしてたんです。肩書きとかの面では、その頃はホンマに楽やったね。「Jリーガーです」って言えば、サッカーでお金稼いでるプロって扱いになるから、どんな審査でも通ってたし。でも2008年でベガルタ仙台の契約が満了になって、ずっと続いてたキャリアが途切れてしまった。その時は、まだ続けたいけどチームはないっていう状況で、自分で自分が何をしてる人なのか分からなくなったし、立場的にホンマに弱い人間なんやなって気づかされたね。
──その後はどうされてたんですか。
O:2010年までは韓国でプレイして、帰国した時にJリーグからオファーがあったけど、そん時は正直断ったんです。
──え? 何でですか!?
O:仕事とか契約に追われるとかじゃなくて、自分はホンマにサッカーが好きか確かめたかった。それでスペインに渡ったりした中で、やっぱりサッカーをやりたいなと思い、2011年に当時J2やったコンサドーレ札幌へ入ったんです。チームはJ1に上がったりもしたけど、心の中ではもうええかなと思ってしまって、一度は会社に勤めたこともあったんです。
──それはどうだったんですか?
O:接待で飲むお酒が羨ましかったりもしたから、最初の1ヶ月は楽しかった。でもその酒がクソ不味くてね。やっぱり試合に勝った後に飲む酒ほど美味いもんないもん。そんな時期に松田直樹(元日本代表)の追悼試合に出たりして、またサッカーをやりたくなった。ずっと奈良クラブからオファーは頂いてたから、地域からJリーグを目指すってことをやってみようと思って、2013年にチームへ加入しました。
──アマチュアサッカー選手としてプレイを始めて、何か印象的だった出来事はありますか。
O:僕は『岡山劇場 声は届き、やがて力となる。』っていう本を出版してるから、練習を休んでそれを売りに行ってたんです。そしたらアマチュアの事情を知らないJリーグのファンからはそれってどうなん? って思われたこともありました。こっちはアマチュアやから働いて生計を立てなアカンのに……。でも向こうからしたら、関西リーグ1部でも選手として契約はしてるからってことなんやろうけど……。そこの線引きは凄い難しいよね。
──アマチュアサッカー選手に対する理解が足りていないJリーグのサポーターも、まだいると。
O:そう。僕はJリーグでアカンくなった選手にも、JFLとか地域リーグへ行って欲しいんですよ。でもそれの一番ネックはやっぱりお金でね。生活水準に見合った額がもらえないから、辞めるしかない。だから僕がチームからもらうお金プラス、自分の会社の収入とか本で生計を立ててるみたいに、サッカー選手としての給料と新しく生み出した何かで、続けてもらいたいよね。
 

伝えたいって言うか、聞きたいのよ逆に

──本のタイトルにもなっている『岡山劇場』は、岡山さんの代名詞とも言える、試合に勝った後にサポーターへ向けて行なう派手なマイク・パフォーマンスですが、これはどのような経緯で生まれたんですか。
O:僕は20年のキャリアの中で、10チームを渡り歩いてるんです。いつもギリギリのところでつながってるから、必要とされたいという思いが強かった。でも僕はサッカーで代表選手並みに貢献できる選手じゃなかったから……。そういう気持ちが生んだのが『岡山劇場』やったんです。だからそれをしてる時はサポーターとの距離感が凄い近く感じます。
──今までは『岡山劇場』という形でスタジアムのサポーターを楽しませてきましたが、最近はトークイベントへの出演も目立ちます。トークイベントには、どういうモチベーションで臨んでらっしゃいますか。
O:やっぱりサッカー選手って、自分から喋る人種じゃないんですよ。でもロッカールームやバスでは、サポーターに関する良いことも悪いこともたくさん言ってるわけ。
──酷い野次やって飛んでくるし、逆に「最後まで応援してくれたなぁ」とかもありますもんね。
O:そう。でも公の場では前後の文脈なく切り取られる可能性があるから、言わないようにしてるんですよ。トークイベントではそういうのを聞きたいって人に向けて喋ってる感じかな。
──初めてロフトプラスワンウエストに登場されたのは、昨年11月の『燃えろ!J2党 第12節』でしたが、出演されて如何でしたか。
O:やっぱ店・イベント・客層のアングラ感が衝撃的やったね。僕は真逆な側の人間やったから、新鮮でオモロかったよ。実際にやってみたら感覚に合ってるとも感じたし。
──スタジアムでサポーターを煽る時と、ロフトのステージの上で喋る時の違いはありますか。
O:スタジアムでサポーターを煽る時は、正直自分と会場の雰囲気に酔ってるんですよ。だからテンションなんて自然に上がっていく。でもステージの上で喋るってなると、お客さんは自分が喋る言葉に興味を持っているのが分かるからこそ、喋る言葉にはちゃんと重みを持たせなアカンなと思ってる。
──トークをする時のほうがしっかり喋るわけですね。イベントを通して、お客さんに伝えたいことってありますか。
O:伝えたいって言うか、聞きたいのよ逆に。
──聞きたい? 何をですか?
O:僕は日本のサッカー選手の中では、トップレベルにサポーターを知ってる自負はあるけど、まだまだ分からんとこがたくさんあるわけ。「この人ら普段何してんねやろ?」とかね。サッカーの試合観戦っていう非日常で集まってるけど、日常はどんなんなんやろって。
──試合だけじゃなく練習にも顔出して、さらに水曜日の夜にとんでもないアウェーに来てたりもしますもんね
O:そうそう。だからお金はどうしてんのとか、仕事と家庭は大丈夫なんかとか。サポーターって選手のセカンド・キャリアや人生設計をもの凄い心配してくれてるけど、いやアンタはどうやねんと(笑)。
──逆に心配になってくるわけですね。
O:そう。だからイベントではサポーターの年収を聞いてみたい! あと貯金と将来設計も!
──それ、絶対教えてくれないですよ(笑)。
 

マンネリ化してる人にこそ来て欲しい

──2015年6月13日に『まずは一発目、岡山一成のプラスワンウエスト劇場「好き放題しゃべります!」』を開催します。これはゲストとして呼ばれるのではなくソロ・イベントなんですが、どんなイベントになりそうですか。
O:いや逆に聞きたいよ! 勝算あるんすか!?
──内容的な勝算はありますよ。
O:ゲストやったら喋りたいこと喋って、ちょっと時間が押そうが気にせえへんけど、ソロっていうのが……。需要もあるか分からんしなぁ……。
──今後は対談とかも考えてるんですよ。大阪出身のサッカー選手はたくさんいるわけですから。たとえば稲本潤一(元日本代表)選手とかね。
O:稲本選手!? 確かに小学校の頃から選抜とかでずっと一緒にプレイしてたけど、稲本選手やで! 向こうはどんどんビッグになっていくから、お互いプロになって会った時は遠くから「稲本やぁ……」ってただ見てるだけやったよ(笑)。
──誰やったら呼べるのか? みたいな話も本番ではしたいですね。
O:他はどんなこと考えてるん?
──そうですね……。岡山さんは将来的に解説か指導者、どちらになりたいですか?
O:断然、指導者やね。
──じゃあ……(以下、岡山さんの20年のサッカー・キャリアが問われる企画が発表される)。
O:ええ!? ヤバいなそれは! うわー、大丈夫かな……。
──頑張って下さい(笑)。それでは最後に、イベントに行こうか迷ってる方にメッセージをお願いします。
O:何事も10年以上やってたら、分かってることが多くなってくると思うんです。だからそんな人に常識の枠外へ目を向けさせるキッカケとなるようなイベントにしたいと思ってます。だから何年もサポーターをやってて、マンネリ化してる人にこそ来て欲しい。そういう人を驚かせれるようなイベントにしたいです! できるか分からんけど(笑)。
 
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LIVE INFOライブ情報

〜サッカー選手・岡山一成と愉快な仲間たち〜
まずは一発目、岡山一成のプラスワンウエスト劇場「好き放題しゃべります!」
2015年6月13日(土)大阪ロフトプラスワンウエスト
【出演 】岡山一成(サッカー選手/奈良クラブ)
【司会】ケチャップ河合  ゲストあり!
OPEN 18:00/START 19:00
前売 1,500円/当日 2,000円(共に飲食代別)
※チケットはイープラスにて絶賛発売中!
問い合わせ:ロフトプラスワンウエスト 06-6211-5592
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