Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューthe mornings キシノジュンヤ(Rooftop2015年2月号)

the mornings「idea pattern」発売記念インタビュー

2015.02.12

自分たちが思う最新の音をお客さんに向けて発信していきたい

ーアルバムの前半は昔のモーニングスの印象が強い曲だけど、中盤、後半は新機軸と思える新しさを感じる楽曲が多いですね。
J:「VSCOM」「ケチャンゲリオン」「グリーンメタル」「キラーサーカス」「ベースは森」とかは2013年の春、アメリカのSXSW(サイトはこちら)に出た後の活動休止中にバーっと作った曲なんです。
ーJUKE/FOOTWORKとかじゃないんだけど、遅い曲なのに早いリズムで踊れたりして、この感じをバンドでやっている人たちってあんまりいないですよね。知っているとこだとDALLJUB STEP CLUBとかしか思い浮かばないんですけど。
J:あの辺りのシーンも面白そうですよね。
ー今までバンドシーンで活動してきたけど、この前の代官山UNITでのTHE BUG来日公演みたいなクラブリスナーの前で演奏してみてどうでしたか?
J:超楽しかったです!会場の雰囲気と後は、お客さんも色眼鏡で見ない感じがよかったです。いわゆるバンドシーンだと、メンバーのルックスとか含め、音楽以外の要素ありきで盛り上がったりするところがあるのがあまり好きじゃないので、音に対して偏見なく新しいものを吸収しにきているお客さんが多い感じもよかった。
ーやっぱSXSWでアメリカ行った経験からその感覚って強くなっているんですか?
J:SXSWでは、シリアのシンセとドラムだけのダブステップバンドと人の家の庭で一緒にライブしたりしました(笑)
でも、移動とか楽器の搬入とかで忙しくてあまり他のバンド見れなかったんですけど。
前々からモーニングスは:海外で受けるって周りから言われていて、もちろん今回も、もっと受けるつもりでアメリカ行ったんですけど、ライブ中に機材がトラブって演奏止まったり、1曲目から弦が切れたりとかで不完全燃焼もあり、楽しい反面、悔しい思いをしました。
その時一緒に行ったSuiseiNoboAzは現地のお客さんから受けていたんで余計に悔しかったです。
ーボアズってやっぱり客観的に見て目標となるバンドなんですか?
J:元々は“TOKYO NEW WAVE”周辺で一緒にやってきた仲間でもあるし、家がめちゃめちゃ近くて飲み仲間っていうものあるのですけど、自分たちにとってすごい特別なバンドですね。
SXSWに出る前から、ボアズはいろんな場所で、でかいステージで出演していたりしたからか、ライブの見せ方とかも上手くて演奏の強度もすごかったです。
同じステージでやってみて、昔は対等だと思っていたのにボアズが大分先を行ってました。
帰国した後、その時の自分たちのライブを反省して、すぐレポートを書きましたよ。
ーそれ見ました!今のモーニングスって、昔みたいな勢いだけではなく、SXSWで経験したことをもとに、演奏力であったり、表現力っていうものを大事にしているんですか?
J:そうですね、ライブは楽しいものであり、昔はメチャクチャにする見せ方で出来ていたけれど、演奏は部分的にはある意味捨てていたかもしれません。
でも、昔の曲と新しい曲が半々くらいのライブをやってたころ、自分たちでどう振る舞っていいかが分からなくなってきましたね。
そこからバンドの方向性の舵をきって演奏力、表現力を上げる方向になりました。
ー演奏力、表現力を上げ、さらに、その上でお客さんが暴れてくれたら最高って感じですか?
J:そうなったら一番嬉しいですけど、最近はそこまでそういう感じにはならないですね。
ーそういえば以前見た高円寺のスタジオライブも、他のバンドに比べて唯一冷静にライブしている姿勢が見えました。
J:スタジオっていう場所だからこそちゃんとやろうと思いましたね。ちゃんとやらなきゃ全く伝わらないぞって。
最近の曲も複雑になってきていたので、きっちり演奏する方向に持っていったらお客さんはぽかんとしてましたね(笑)
ーでも、そのちゃんと演奏するってことがバンドのモチベーションになっているのであれば、お客さんを黙らせるってことも快感になりますね。でも、今の感じで、今後は日本といわず世界に向けていろいろ発信していってたらよりモーニングスの面白さが伝えられると思います。
J:そうですね。日本だと何か大きな流れがないと売れないですけど、海外にはそれがないですからね。自分たちが思う最新の音をお客さんに向けて発信していきたいです。
 
 
▼the morningsのインタビューと合わせて是非読んでみてください。
 
the morningsにインタビューさせていただいたのですが、インタビューからかなり期間が空いてしまい、いっそのこと、彼らの様に、いわゆるオルタナなライブハウスの現場から、それ以外のクラブシーンにじわじわとその活動の場を広げようとしているバンドが最近増えていたように思ったのでそんなバンドを一緒に纏めてみました。
 
〇NATURE DANGER GANG
手前味噌ながら、このバンドが始まるきっかけを作ったのは自分でした。シカゴのJuke/Footworkを中心としたパーティーの”SHIN-JUKE”にどついたるねん目当てで遊びに来ていたNATURE DANGER GANGのリーダーのせきくん。彼の暴れっぷりはなかなかのもので、ロフトに設置した8発の巨大ウーファーに何度も突っ込みながらガシガシに踊っていました。その人柄に興味をもって別の機会に声をかけ、DJでもやらない?と、聞いたはずか、気付いたらバンドを結成して次のパーティーに出演していました。
 
音楽としては、Juke/Footworkも作ったりしていましたが、ガバやハピコア、トランスといった彼らの嗜好が反映されたひたすらにアッパーなトラックに、メンバーの野村による、まったくメッセージ性のないリリックを合わせた、巷では“ストリップ・レイブ・コア”と呼ばれているようです。はっきりいって彼らを形容する音楽ジャンルはないと思います。初期のライブでは必ずチンコやオッパイが頻繁に出ちゃっていましたが、人気とともに最近は自粛しているようです。
 
彼らには早く電気グルーヴくらいの人気を獲得してもらって、もっとやりたい放題できるよになっていただきたいものです。
 

 
〇Have a Nice Day!
彼らと自分が一緒に開催してきたパーティー”SCUM PARK”それこそ、2013年とかは月に3本とか4本とかパーティーを乱発していました。彼ら通称ハバナイは、もともと害チューンという名前で活動していました。ヒップホップ系のイベントとかによく出ていたのですが泣かず飛ばず。Have a Nice Day!に改名し、SCUM PARKを初めて以降は、Juke/Footworkやベースミュージック界隈との交流をさかんに行い、オルタナとクラブを繋ぐ存在を新宿ロフトや下北沢シェルターで担ってきました。
 
シンセ、ドラム、ボーカル×2といういたってシンプルな構成ながら、ボーカルでありリーダーの浅見北斗が作り出すメロディーはどこかメランコリックでエモーショナルに溢れたフレーズが特徴です。現代の24アワーパーティーパープルよろしく、明日を顧みない捨て身で投げやりなライブパフォーマンスで、観客の上にガンガン飛び込んでクラウドサーフするは水をフロアに2リットル以上ぶちまけるわと、非常にライブハウス泣かせなバンドです。最近は”おやすみホログラム”というアイドルに楽曲を提供し一緒にライブを行うことで、元BiS研究員を中心に新たなファンが増殖中です。
 

 
〇DALLJUB STEP CLUB
ダブステップ、Juke/Footworkをバンドで演奏してしまうバンドってあんまりいないんですよね。東京だとこのDALLJUB STEP CLUB、大阪だと後で紹介しますがORRORINZです。元々がっつりオルタナ畑にいた印象が強い彼らですが、ドラムの後藤くんはDSCのPVで披露していますがめちゃくちゃFootworkが上手いし、星くんはWOZNIAKとしてミニマルなダンスミュージックを追及していたりと、クラブシーンにもちゃんと関わっている数少ないオルタナバンドだと思います。術ノ穴とも繋がりがあり、後藤くんがドラムでFragmentの楽曲を叩いてみた動画もあります。他にもJuke叩いてみたの動画もあってそれもヤバいです。
 



 
シカゴの1部の地域では、DJのビートに合わせてFootworkというダンスでバトルする文化があり、ローカルながらもその中から世界的なダンサーが世に出てきています。正直シカゴと全く同じことを日本人がやっても面白くないな~と思うので、このDALLJUB STEP CLUBみたなバンドはいるのであれば、是非バンドの即興で演奏するJuke/Footworkに合わせてダンスバトルするみたいなパーティーができたら面白いのではないかと思っております。
 

 
〇ORRORINZ
勝手に東のDSC、西のORRORINZみたいな感じで東西を代表するJuke/Footworkをバンドでやれるバンドの西代表であります。元々はハードコアバンドやっていて、すごく昔に下北沢シェルターにも出演したことがあるみたいです。
ORRORINZは日本のJuke/FootworkレーベルのBooty Tuneに所属するD.J.Aprilさんに教えてもらったバンドでした。同じく大阪のSatanicpornocultshopやD.J.Fulltonoと共に関西のJuke/Footworkシーンを支えているバンドです。
東京でのライブ機会はそんなになく、無名に近いですが、Battlesとか好きな人に聞いてもらえたらもっと広まるな~フジロックとか出ていきなりぶちかましてほしいな~と思っております。
2015年はレコーディングしているみたいなので、配信だけでなくフィジカルの音源が早く出てほしいなと願っております。
 

 
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the mornings
「idea pattern 」

レーベル: ハリエンタル
ASIN: B00NFS48JI

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LIVE INFOライブ情報

1/12(Mon)@新宿Motion
TITLE about tess 活動11年目突入記念11日間連続共同企画”enter the eleven”
TIME OP:17:30 / ST:18:00
TICKET 1日券¥2000(D別) / 5日券¥6000(各日D別) / 全日通し券¥10000(各日D別)
ACT
about tess / 指先ノハク / サイキックブルーズ / O’tiempoman / Manhole New World / I love you Orchestra / the mornings
 
1/18(Sun)@新宿Nine Spices
TITLE NINE SPICES presents
TIME TBA
TICKET ADV 2000yen / DOOR 2300yen
ACT
パケ(fromデラシネ) / TRANSKAM / the mornings / go-karts / and more
 
1/24(Sat)@京都GROWLY
TITLE “my letter” Release Party in 京都
TIME OP 18:00 / ST 18:30
TICKET ADV 2000yen / DOOR 2500yen
ACT
my letter / CARD / the mornings / LOW-PASS
 
2/7(Sat)@福岡KeithFlack
TITLE “HIP FIELD”
TIME OP 17:00 / ST 17:30
TICKET 2000yen
ACT
the mornings / transkam / 百蚊 / マクマナマン / Abyssal / asoboys / きつねのよめいり
【DJ】DRGN / 業界人
 
2/8(Sun)@熊本NAVARO
TITLE “Art Blakey”
TIME TBA
TICKET TBA
ACT
the mornings / z/nz / and more
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