Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー岡村和佳菜(『血界戦線』プロデューサー/東宝株式会社)(Rooftop2015年2月号)

超豪華キャスト&スタッフによる夢のアニメ化!

2015.02.02

 『ジャンプSQ.19』にて好評連載中、内藤泰弘の『血界戦線』が待望のアニメ化!! 超豪華キャスト&スタッフが手がけるということで、原作ファン、アニメ・ファンのみならず注目されている現在。4月からの放送開始を前に、今作の魅力をプロデューサーに語って頂きました。[interview:柏木 聡(Asagaya/Loft A)]

若き才能と第一線のベテラン・スタッフによるアニメ化

──最初に、アニメ化に至った経緯から聞かせて下さい。
岡村:原作が非常に魅力的で、是非アニメ化したいと考えたのが最初です。『血界戦線』はとにかく世界観とキャラクターが大変魅力的でした。現世と異界が交わってしまったヘルサレムズ・ロットという、誰もどういう世界なのかを真には知り得ない、何でも起こり得る街という設定がとてもわくわくさせてくれます。また、その中でライブラのそれぞれ癖のあるキャラクターがまた魅力的です。彼らはチームと言っても全くベタベタはしていないのだけれど、ドライに付き合いながらも強い信頼関係で結ばれた、理想的なチームだと思います。キャラクターで言えば、ライブラ以外にも異形のキャラや、各エピソードごとに登場するキャラクターも、人間/異形関係なくそれぞれの個性がとても際立っていて、内藤先生のこだわりや愛情を感じるキャラクターばかりです。その世界観とキャラクターの組み合わせに加えて、漫画の表現の中に納まりきらないアクションも非常に魅力的です。アクション描写が凄すぎて、たまに漫画だと読み解けないくらいです(笑)。この世界観とキャラとアクションの3つの要素が、特にアニメ化するとさらに映えるのではないかという気持ちがありました。
──アニメ化に際して、原作者の内藤先生からリクエストはありましたか。
岡村:まず最初に、松本(理恵)監督も含めて顔合わせやいろいろなお話をさせて頂いた際に、基本的にはお任せをして頂けるというお話があり、なるべくアニメはアニメ・チームに任せて頂ける形で制作を進めさせて頂きました。ただ、その中でも全く先生に関わって頂いていないというわけではなく、アニメ・サイドからのいろいろな相談事には気軽に乗って頂きました。たとえばクラウスの技の発動の仕方がどうなっているのかなど、漫画では表現できない部分を質問すると先生が漫画で図解して下さったり、アフレコ現場にも頻繁に来て下さったりと、監督を尊重して頂きつつも、非常に協力的にアニメも一緒に作り上げて下さいました。
──注目の若手である松本理恵さんが監督をされていますが、抜擢された理由は何ですか。
岡村:『血界戦線』のアニメ化企画を進めるにあたり、私が監督やスタジオをどなたにお願いするか検討をしていたのと同時期に、弊社の川村(元気)プロデューサーが松本監督の才能にほれ込んで一緒に作品を作りたいと企画を考えていました。そんな中、松本監督が内藤先生の『トライガン』の大ファンということが分かり、「『血界戦線』なら自分が監督したい」と言ってくれたので、その2つの企画が一緒になったというのが経緯です。『血界戦線』のアニメ化にあたっては、アクションの描き方やキャラの見せ方など、ハリウッド映画や海外ドラマのような映画的な手法で描けたら作品としてとても面白いものになるのではないかと考えていました。出会ってこれまでの作品を見せてもらう中で、松本監督であればそれができるかもしれないと思いましたし、他の作品にはない非常にユニークな演出をしてくれるだろうという期待を持っています。また、スタジオをボンズさんにお願いできたことも、松本監督の頭の中にある表現を支えて下さるという意味で、非常に心強い存在です。
──今作はTVシリーズではあまり見られない超豪華スタッフ&キャストが集合した点でも注目されていますが、現場はどんな雰囲気ですか。
岡村:基本的には、松本監督が一緒に仕事をしたいと希望する方々になるべくお願いをできるように、監督の希望を第一にしながらボンズの大薮(芳広)プロデューサーと相談をしながら決めていきました。特に美術監督をお願いする木村(真二)さんは、通常だとあまりTVシリーズのお仕事は受けられていない、劇場作品メインでお仕事をされている方なのですが、「木村さんの美術なしにこの作品は考えられない」とまで言っていた松本監督の熱意に応えて参加して下さったのだと思います。他にもキャラクターデザインの川元(利浩)さんを始め、これまで常に第一線で活躍されているベテラン・スタッフの皆さんが脇を固めて下さっており、本当に心強いです。その他のスタッフの方々も、松本監督という若き才能に、ひとつ乗っかってやろう! と思って下さっているのではないかと思います。
 

監督の頭の中にあるものを実現

──ドラマももちろんですが、内藤先生の作品は個々のキャラクターが魅力的です。その点が逆に難しい点でもあったと思うのですが、キャスト選考の際は悩みませんでしたか。
岡村:キャストに関しても、松本監督の頭の中で映像とハマっている方々にお願いをしたいと、まずはキャストの希望を出してもらいました。とてもお忙しい方、キャリアのある方ばかりなのですが、皆さん快く受けて下さったので、基本的にメイン・キャストの方はオーディションなしの一発指名でお願いをしています。そういう意味では、松本監督の頭の中にあるものを実現するというコンセプトがブレなかったので、悩むことはなかったですね。
──そういった豪華キャストの方々が技名を叫んで殴るというのもわくわくする点ですが、皆さんのシャウトは如何ですか。
岡村:シャウトに力や感情を込めつつ、さらに技名が普段は発しないような言葉を使った難しいものばかりなので、非常に難しい演技かと思いますが、皆さん本当に熱演して頂いています。内藤先生もWEBラジオの収録時に「最近は漫画を描いている時に、キャラクターたちの声が頭の中で鳴っている」と仰っており、本当に皆さんぴったりと役柄にハマっていると思っています。
──TV放送に先駆けてのWEBラジオも好評で、そちらのファンも多くいらっしゃいますが、アニメ放送開始後も続く予定ですか。
岡村:まだ2回分しか放送していませんが(2015年1月20日現在)、アニメ放送中ももちろん続きます。
──最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
岡村:私も「いち『血界戦線』ファン、いち内藤泰弘先生ファン」として、非常に心が躍る作品になる予感がしています。他のアニメ作品とは一線を画す作品にしていきたいと、スタッフ一同頑張っております。まずは1話を見て頂けると、そこに全てが表れていると思いますので、とにかく是非とも1話、放送をご覧下さいませ。応援お願いいたします!
 
 
Massage from 内藤泰弘
 僕のB級洋画系伝奇SFスプラッター日常漫画がアニメにしてもらえることになりました。
 でもスタッフ陣がどう考えても超A級なのです。
 もうその時点で何か間違ってる気もするんですが、楽しみに待ちます。
 皆さんもご一緒にどうぞ…!!
 
©2015 内藤泰弘 / 集英社・血界戦線製作委員会
 

LIVE INFOライブ情報

『血界戦線』アニメ化記念!
技名を叫んでから殴るマンガがアニメ化だってよ!
2015年2月15日(日)新宿歌舞伎町 ロフトプラスワン
OPEN 19:00/START 20:00
【出演】内藤泰弘先生、ボンズ:大薮芳広プロデューサー、東宝:岡村和佳菜プロデューサー、集英社『ジャンプスクエア』編集部:小菅隼太郎 ほか
【出演】MC:村田晴郎
チケット:2,000円(税込/要1オーダー500円以上)
問い合わせ:ロフトプラスワン 03-3205-6864

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