Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー落語家・笑福亭鉄瓶とミュージシャン・片山尚志(Rooftop関西版2015年2月号)

喋って歌う、落語家×ミュージシャンによる“縁”会とは!?

2015.01.27

3月7日(土)ロフトプラスワンウエストで開催される『笑福亭鉄瓶×片山尚志~縁会のトラッドvol.2~』。落語家・笑福亭鉄瓶とミュージシャン・片山尚志(片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ)、異業種の2人が繰り広げる"縁会"は、予定調和なしのガチンコライブ。2回目の開催となる3月7日は、どんな"話"と"歌"が飛び出すのか。(interview:松本尚紀/LOFT PLUSONE WEST)

落語家と音楽家が魅せる、本物のライブ

―もともとはどういう経緯で、イベントの開催に繋がったのですか?
片山:最初、僕がやってる京都のラジオ番組に、鉄瓶君が来てくれたんですよね。その日は、京都でちょっと飲んだんよね。それ以来ライブに来てくれたり、僕も落語を観に行かしてもらったりとかで、同い年っていう縁もあって。飲んでる席でも、イベントをやりたいってずっと言ってたよね。
―昨年11月に、第一回目が開催された『縁会のトラッド』。ズバリ、どういったイベントでしょうか?
鉄瓶:僕は喋る仕事なので喋って、片山君は歌う。単純にそれをステージでやってるんで、普段は同業者同士でやってる事を、他業者同士でやってるイベントです。
片山:お互いが、何かを一個ずつ封印してるよね。例えば鉄瓶君は落語をやらないし、僕は普段のライブとは違って、話に合わせて歌ってますし。前回は、「まもる君」っていう話が出た時に、その場で「まもる君」っていう曲を作ったりしましたね。
鉄瓶:そういう意味では、本物のライブかもしれないですね。例えば、僕は落語をする時に、やるネタを決めてやります。片山くんも、ライブではセットリストを決めてライブをする。それが決まってないのが、このライブなんです。それと、イベントの空気や話の流れで、僕が片山君の歌うタイミングや、間を作ったりするんです。これって、歌う人間が、隣の奴の間で歌わされてるんです。これが実は、心地いいのだと思います。だから、そこがウケているのは嬉しいです。でも、よく考えたらうちの師匠の鶴瓶が、似たようなことを「朝まで生つるべ」でやってたんですよね(笑)
片山:あの番組はずっと見てたし、こういう事をやりたかったんかなとは思いますね。ふたりとも同じテレビを見てたんやなって思ってますけど(笑) 正直、結構難しいと思うんですよ。喋ってその場で、こんなテーマの曲あったかなあって考えながら、自分の曲を遡るって。「大喜利やん!」って思ってます(笑)
―イベントへの反響はどうでしたか?
片山:ありましたね。実際、自分も楽しかったです。何が起こるかわからないし(笑)
鉄瓶:近い人間やお客さんからも、もっとやってほしいっていう声もあって、手応えはありますね

2人で目指す化学反応

―音楽と喋りという、2つの役割が求められるこのイベントと、普段のライブとの心持ちの違いはありますか?
片山:普段のステージよりは、少し緩いですね。家で飲んでて、盛り上がったからギター持ってちょっと歌うみたいな。
鉄瓶:僕も自分でやってる舞台より、気持ちは楽ですかね。
―お客さんとの距離はどうでしょうか?
片山:めっちゃ近いです。前回はお客さんと一緒に曲作りましたし。
鉄瓶:テーマソングにしようって言ってね。
片山:あんな感じで、あの場がめっちゃ面白かったって、なるようにはしたいですね。
鉄瓶:イベントに来た人が、口コミで広めてくれればいいですね。
―前回は、お二人ともまだまだ喋れそうでしたよね。
片山:一晩いけそうでしたよね。酒も入ってくるし(笑)
鉄瓶:コーナーも飛ばしちゃったもんね。だからコーナーは保険でしかないですね。始まってみたら、何が起こるかわからないので。そう考えると、ゲストを呼んだりするのは、まだ先ですね。僕らが二人でやり続けて、すごい力を発揮した時に初めてゲストに来てほしいです。
片山:そうですね。まだ僕ら二人でも化学反応が起きてないんで、着実に面白くなる段階を踏んでいきたいです。

本物のライブで見せる、幅の広さと底の深さ
―3月7日(土)の『笑福亭鉄瓶×片山尚志~縁会のトラッドvol.2~』について、教えてください。
鉄瓶:基本は今のやり方で、喋りと歌から出来る面白いモノを、どんどん引き出していきます。そうすることで、落語をよく知っている方が来ても、この落語家はこういう事が出来るのかっていう幅の広さを、観てもらえたらと思います。逆に、落語を見たことない人には、落語を身近に感じてもらえたら嬉しいです。若い世代から見た落語って、敷居があると思うんです。実際の落語家は、そないに毎日着物ばかり着てないんでね。
片山:僕は今まで培ってきたものを、どんどん見せていけると思います。練習してきた曲やルーツミュージックとか、僕の培ってきたものは手数として自分の中にあります。そういうものを鉄瓶君との話の流れで選ぶのは、行き辺りばっかりやからこそ、僕のキャリアの奥深さが垣間見えると思うんです。やってきたことの底というか、深さを見せられればいいですね。
―どういうお客さんに向けて、このイベントを発信していきたいですか?
片山:そこを決めずに始めてしまったんですけど、理想はイベントが独り歩きしたらいいなと思ってます。片山ブレイカーズを観たことないけど、このイベントを知ってるとか。鉄瓶君の落語を聞いたことはないけど、このイベントを知ってるとか。それで、そこから片山ブレイカーズのライブに行ってみよう、落語を観に行こうってなればいいですね。
鉄瓶:そこは目指したいですね。まあどんな形でも、どんなお客さんでも、来てくれればいいですけど。誰でもフラッと楽しめるもんやと思うんで。まずは音楽か落語かの、どちらかを好きな人が現場に来て、それぞれに興味を持って欲しいですね。

LIVE INFOライブ情報

OPEN 17:00 / START 18:00
前売1500円 当日2000円(要1ドリンクオーダー※飲食代別)
 
【出演】
笑福亭鉄瓶
片山尚志(片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ)
 
落語家とミュージシャンという異色な二人が出逢った「縁」
二人が起こす宴会はハマること間違いなし!
喋って、弾き語って時にはお客さんを交えてのコーナーもあり。
皆さんとの「縁会」さぁおいで-。※落語はありません。
笑福亭鉄瓶 ×片山尚志~縁会のトラッドvol.1~
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