Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー村越周司(Rooftop2015年1月号)

NO GAG, NO LIFE!
芸歴22年、孤高のギャグマシーンがハリウッドザコシショウとガチンコ勝負60分!?

2015.01.05

 芸歴22年、大阪のお笑い界をのらりくらりと進む芸人、村越周司。1月30日(金)にロフトプラスワンウエストにて開催される「『ハリウッドザコシショウ VS 村越周司LIVE』〜ものまね60分 VS ギャグ60分〜」、さらに深夜の部では「『ハリウッドザコシショウ VS 村越周司LIVE』〜ザコシ&村越&ガリクソンのオールナイトポンニチ〜」に出演! 孤高のギャグ芸人、村越周司は今何を思う!?[interview:松本尚紀(LOFT PLUSONE WEST)]

村越の歴史に物語あり、紆余曲折のお笑い人生

──村越さんが一度お笑いから離れて、戻ってくるまではどういった生活をされていたんですか?
村越:僕は2000年に、ケンドーコバヤシとやってた『モストデンジャラスコンビ』を解散したんです。解散の理由は、僕がお笑いに向いていないんじゃないかって思ったことなんですけど。
──どうしてでしょうか?
村越:なんせ凄く緊張する性格なんです。本当に命削ってるぐらいの感覚で、舞台に立ってました。それがイヤでイヤで、やってられるか! なんでこんな緊張せなあかんねん! ってなったんです。誰かが、場数踏んだら慣れるって言ってたんですけど、一向に慣れませんでしたね。
──その当時で、芸歴はどのぐらいだったのですか?
村越:5年ぐらいです。5年もやってたから、相当な数の舞台踏んでるのに、全然慣れへん! 嘘つけや! って思ってました。ストレスで髪の毛が抜けたりもしましたよ。
──相当なプレッシャーだったんですね。
村越:僕は売れてなくて、このストレスとプレッシャーなんでね。でも、売れてるのに精神的に参ったりする人もいるじゃないですか。なんで売れててそうなるねん! って思いますよ。僕みたいに売れてなくて、子どもも嫁もいて、悩むのは当たり前です。売れてる人なりのプレッシャーはあるんでしょうけど、贅沢でしょ? 僕も売れて悩んでみたいですよ!
──解散して、心境に変化はありましたか?
村越:解散して、スーっと心が軽くなって…。
──清々したんですね。イヤなバイトを辞めたみたいな(笑)。
村越:ほんまにそんな感じです。それからは普通の仕事をしようと思って、子どももいたんでね。いろいろ考えてた時に、ちょうど『白い巨塔』っていうドラマにハマってたんです。それを見て、医者に憧れて白衣が着たくなって、医療系の仕事に就こうと思ったんです。それで、理学療法士や放射線技師とか、作業療法士のような医者っぽい仕事を探しました。そんな中、歯科技工士の専門学校が2年制で割と短めやったんで、そこを目指したんです。多少医者とはズレるし、白衣も着ないんですけどね(笑)。でも合格率が高いし、僕でもいけるんちゃうかと希望を持って目指しましたね。
──専門学校に入ったのですか?
村越:はい。2年間必死に頑張って就職も決まって、最後に国家試験があるんです。合格率が99%の試験なんですけど、僕は奇跡的に1%に入って落ちました。
──え! 1%のほうにですか!?
村越:僕が行ってた学校は当時創立30年で、試験に落ちた人が僕で3人目やったんです。試験は筆記と実技があって、実技は石膏に歯を彫るみたいな試験なんですけど。僕以外の落ちた2人っていうのは、バイク事故で利き腕が使えなかった人と、サッカーで利き腕を折ってた人らしいんです。でも僕は、利き腕の状態良好で落ちましたね。
──それは実質、創立30年で落ちた人は村越さん1人ってことじゃないですか(笑)。
村越:それがきっかけで、自分には堅気の仕事はムリやと思って。もう1回芸人やろうかなって思ったんです。
──そこからフリーのギャグ芸人として復帰ですよね。一度お笑いから離れる2000年までの間も、ギャグをやっていたんですか?
村越:やってました。1996年ぐらいに千原兄弟さんの『千千原原』という番組があって、その番組の企画で、僕とサバンナ八木君のギャグ対決があったんです。そこで初めてギャグを作りました。だから八木君もギャグ芸人としては、そこからなんですよ。
──始まりは同じなんですね。ギャグ芸人として復帰して、お笑い界で変化などを感じましたか?
村越:フリーの芸人として戻ってきたのが2006年で、復活ライブを開催したら超満員になったんですよ。入場料も3000円ぐらいやったから、めちゃくちゃ儲かったんです。それでこんなおいしい仕事ないと思って、次のライブをやったらお客さんが半分になってて。その後もだんだん減っていって、甘くないなと再認識して2010年に吉本に戻らせてもらいました。
──フリーでの活動に限界を感じたということでしょうか。
村越:そうですね。フリーの芸人って連絡先とかも分かりにくいし、呼びにくいんですよ。マネジメント的なことを嫁に任せたりしてたんで、ムリでしたね。
 

“ギャガー村越”、お笑い界に物申す!

──ギャグ芸人として、最近の活動はどうですか?
村越:最近、お笑いは趣味でやろうって思ってるんです。負け惜しみですけど、努力せずに売れる方法を探してます(笑)。これはもうアイデア勝負です。
──お笑いのアイデアって、ネタのことでしょうか。
村越:まぁそうですけど、僕はネタを考えるのもサボってるしね。最近はスランプで、ネタを考えられないんですよ。1日1個ギャグを作ってたのに、土日祝は休んで週休2日でギャグを作ってます。だからこそ、努力せずに売れる方法を探してるんです。
──売れるために大切な運はどうでしょうか?
村越:運に関しては、ひとつ言いたいです。今売れてる人たちって、ずっと運が良い人なんです。急に運気が上がることなんかなくて、昔からお菓子の当たりとか当ててきて、その流れで売れてるんですよ。僕は低い運気を保ってるんです。
──なるほど、運は諦めましょう(笑)。
村越:それと、お笑いに定年制がないのが納得いかないです。歳をとってまだ売れてる人は、若手に席を譲ればいいのにって思いません? 芸能界で美味しい蜜を吸い倒したおじいちゃんやおばあちゃんのトークを、いつまでも聞きたくないでしょう? まぁ、その席は奪い取れって話なんですけど(笑)、全然席が空かないんで、お笑いは50歳で定年制にしてよって思います。
──そうなると村越さんも、売れてキッパリと50歳で辞めるんですか?
村越:僕はスパーンと辞めますよ。
──本当ですか?(笑)
村越:僕は今42歳なんで、50歳まであと8年。えっと…やっぱり60歳までやりたいですね。70歳でもいいかな。70歳でカッコよく身を引きます(笑)。
──それ、全然カッコ良くないですよ!(笑)
村越:自ら身を引きます。それが僕の引き際の美学です。
──説得力が全然ないですよ(笑)。
村越:まぁ、お笑いも頑張らないといけないんですけど、僕は今、商売の世界に行こうと思ってるんです。
──どういった商売ですか?
村越:アイデア商売なんで、こういう所では言えないです。
──何をしようとしてるんですか(笑)。
村越:お笑いもそうなんですけど、商売も新しいモノなんてないんですよ。何かと何かを掛け合わせて、商品にしてるんです。僕はそれを思いつきました。
──お笑いは関係ないんでしょうか?
村越:全く関係ないです。真似する人がいるんで言わないんですけど、それを始めるには600万円要りますね。
──少しだけヒントをください。
村越:ペットです。猫カフェとかじゃないですよ。とりあえず、その支援をしてくれる社長を探してます。どんな商売やねん!? って気になる人がいれば、僕に連絡をください。
 

ロフトプラスワンウエストで実現! 歴史的瞬間!

──去年の6月16日にロフトプラスワンウエストで開催した「村越周司の『馬鹿図鑑察(ばかずかんさつ)』」で、ケンドーコバヤシさんと実に14年ぶりに、2人だけでの共演を果たしましたね。
村越:あれはもう凄かったですね。ケンコバ恐るべしって思いました。
──僕もイベントを見ていたのですが、歴史的瞬間でした。解散以来、ケンコバさんとの交流はあったのでしょうか?
村越:フリーの時にコバヤシのラジオに出してもらったり、バッファロー吾郎さんとコバヤシのイベントに出してもらったりして、交流はありました。でも、もうステージが違うんでね。向こうはそう思ってないかもしれないですけど、僕は「うわ〜、ケンコバや〜」ってめっちゃ気を使いますよ(笑)。2人だけで舞台に立ったのは、解散ライブ以来の14年ぶりですからね。
──当時と比べて、手応えやお客さんの反応はどうでした?
村越:もうなんで解散したんやろうって! こんな売れてるヤツと何で解散したんやろうって、それだけですよ! 俺、めっちゃ損してるやん! って(笑)。
──解散は村越さんから言い出したのですか?
村越:はい。めっちゃ説得もされて、その説得を押し切ってるんでね。時間戻したいです(笑)。まぁでも、今こうやってたくさんのお客さんが喜んでくれるのは、嬉しいですけどね。
──お2人が舞台に揃った時は、悲鳴のような歓声でした。
村越:2人だけで舞台に立つことは、今後もなかなかないんちゃいますかね。コバヤシは僕が声かけた時に2つ返事で「ええよ」って言ってくれたんで、胸を借りるつもりでやりました。
──ハリウッドザコシショウさんのシークレット出演にも驚きましたね。
村越:あれはビックリしましたよ! しかもサバンナの八木君も来てくれて、二丁目劇場ファンは時代を超えて興奮してましたよね。僕もめっちゃ嬉しくて、気持ち良かったですね。
 
このアーティストの関連記事

LIVE INFOライブ情報

『ハリウッドザコシショウ VS 村越周司LIVE』
〜ものまね60分 VS ギャグ60分〜
2015年1月30日(金)大阪ミナミ宗右衛門町ロフトプラスワンウエスト
OPEN 19:00/START 20:00
前売 2,000円/当日 2,300円(別途1オーダー500円以上要)
【出演】ハリウッドザコシショウ/村越周司
【ゲストMC】ガリガリガリクソン(予定)
*前売券は、ローソンチケット【L:59228】及びロフトプラスワンウエスト店頭&電話予約(06-6211-5592/16時〜24時)にて発売中。
 
『ハリウッドザコシショウ×村越周司×ガリガリガリクソンLIVE』
〜ザコシ&村越&ガリクソンのオールナイトポンニチ〜
2015年1月30日(金)大阪ミナミ宗右衛門町ロフトプラスワンウエスト
OPEN 24:00/START 24:30
前売 2,000円/当日 2,300円(別途1オーダー500円以上要)
【出演】ハリウッドザコシショウ/村越周司/ガリガリガリクソン
*前売券は、ローソンチケット【L:59232】及びロフトプラスワンウエスト店頭&電話予約(06-6211-5592/16時〜24時)にて発売中。
 
★「夜の部」&「深夜の部」通しでご購入いただいた方には特典を検討中です。当日それぞれの半券をご提示下さい。
 
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻