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飯室大吾(Rooftop2014年11月号)

 在阪ラジオ局・FM802のDJとして『RADIO∞INFINITY』(木曜24時〜27時)や『AWESOME FRIDAYS』(金曜18時〜21時)を担当する飯室大吾。ロフトプラスワンウエストでは12月8日(月)、2回目となる「髭・須藤寿&FM802飯室大吾『おしゃべりな夜』〜忘年会編〜」を開催。日本の音楽シーンの最前線を見続けているDJ・飯室大吾を突撃、徹底解剖!(interview:松本尚紀/LOFT PLUSONE WEST)

想像が膨らむFM802……!?

──FM802のDJとして、活動し始めたのはいつ頃ですか?
飯室:2006年です。FM802のDJにはずっと憧れてて、大学生の頃にもオーディションのテープを送ってたんですけど、全然ダメでしたね。大学卒業後もどうやったらDJになれるんかなって考えながら、2年ぐらいフリーターをしてお金を貯めてて。その後に東京でイベンターの会社に就職したんです。
──なぜ、イベンターの会社を選んだのですか?
飯室:音楽関係の仕事がしたくてです。そこで働き出して2年目ぐらいの時に、FM802に出したテープがオーディションに受かりました。その年に受からんかったら、イベンターで一生飯食っていこうかなと考えてた時でしたね。
──それはどういう内容のテープなんですか?
飯室:自分で仮想のラジオ番組を作って録音したものです。昔は30分の録音したテープやったんですけど、今は5分ぐらいの音声データを送るみたいな感じですね。それまでずっとFM802でDJになりたくて、でもなられへんくて。何か喋る練習はしないとと思って、家で一人で番組を作って録音してたんです。それを友達に聴いてもらったりしてました。
──FM802でDJになりたいと思ったきっかけは?
飯室:自分のデビュー番組でもある『FUNKY JAMS 802』という番組があって。高校の時に、西任暁子さんという方のDJデビューとなる初回放送をたまたま聴いたんです。初回を聴いたもんやから、その後もこの人はどんな人なんやろうって思いながら聴き続けてたんです。その人の番組を聴いてるうちに、自分も喋りたいって思ってました。
──それはどういう心境の変化なんでしょうか?
飯室:それまでは普通のリスナーやったんです。でも、西任さんの番組を聴くようになってからは、スタジオってどんなんやろうとか、どういう人がスタッフでおるんやろうとか、良いタイミングで曲が流れてくるのはどういう連携プレーなんやろうとかを考えるようになったんです。西任さんって凄くノリノリで喋りはるんですよ。踊りながら喋ってんちゃうんか!? っていうぐらい。そういうところに想像力を掻き立てられました(笑)。
──凄く集中して聴いてたんですね。
飯室:昔は今みたいにインターネットがないから、DJがどんな人か分からないんです。だからリスナーからのメッセージも「どんな服着てはるんですか?」とか「どんな髪型なんですか?」みたいな感じで。それに対して、西任さんが「髪型はアフロで、バンドもやってます」とか言うんですよ。それで僕は「は〜? この声でアフロでバンドやってる…マジか!?」ってなりながら想像して聴いてました(笑)。ちなみに西任さんは、僕が802でデビューして一番最初のゲストやったんですよ。音楽活動もしてはったから、CDリリースのプロモーションで来てくれたんです。
──えええ! 凄い繋がりですね。FM802は昔から聴いていたんですか?
飯室:子どもの頃、テレビよりFM802がよく流れてる家庭やったんです。ヒロ寺平さんの朝の番組が、朝食の時に流れてたりしてて。高校生ぐらいになったら、深夜の放送も聴くようになってました。当時、ブライアン・バートンルイスさんが深夜に『MEGA ROCK 802』という、パンクやハードコアの音楽をバンバンかける番組をやってたんです。いきなりHi-STANDARDがかかったりしてて。AIR JAM世代の僕らは、それをテープに録って学校のみんなで回してました。今、自分がやってる『RADIO∞INFINITY』のディレクターは、僕が高校の頃に聴いてた『MEGA ROCK 802』のディレクターをやってた人なんです。だから、たくさん昔話を聞かせてもらってますよ。
──どういったお話ですか?
飯室:僕が初めてHi-STANDARDを見に行ったのが、GREEN DAYの初来日ツアーの前座なんです。僕が行ったその大阪公演に、ブライアンさんも行ってたみたいで。そこでブライアンさんも初めてHi-STANDARDを見て、「なんだこいつら! めちゃくちゃカッコいいじゃねぇか!」となって。そのまま楽屋に押しかけて「ラジオやってるからお前ら来いよ!」と誘ったらしいんです(笑)。それで、その日か翌日かに、Hi-STANDARDをFM802に連れてきたんですよ。
──凄い行動力と言うか、衝動的ですね(笑)。
飯室:Hi-STANDARDのメンバーも「ラジオって何やねん、FM802って何やねん」って感じやったと思いますよ(笑)。
 

飯室大吾が仕掛ける、提案型ラジオ

──Ustreamでのアーカイブなどがある今と昔は、ラジオの楽しみ方は変わりましたか?
飯室:変わりましたね。当時はDJさんの顔もそうですけど、今みたいに流れてる曲がツイッターのNOW ON AIRですぐに分かるなんてことがなくて。昔はエアチェックっていうことをしてたんです。これは昔のFMリスナーあるあるで。かかった曲の時間と曲名とタイトルをメモしてたんです。
──エアチェック、僕は初めて聞きました(笑)。
飯室:その世代のラジオ好きな人は、「自分、エアチェック世代なんです」とか言ったりしますよ。エアチェックした情報を持ってレコード屋さんに行く人もいれば、番組を録音したものを持って行って気になった曲のところをお店の人に聴いてもらって、「これ誰の曲ですか?」って訊く人もいたんです(笑)。
──昔のラジオあるあるなんですね。
飯室:そうです。あとはトイレに行って帰ってきたら、めちゃくちゃカッコいい曲が流れてる時ですね。頼むからもう一回アウトロで曲紹介してくれ! って時に、そのまま次の曲に行ってしまうんです。それと、DJの英語の発音が良すぎて聞きとれへんとか(笑)。
──何かをしながらではなく、がっつりラジオを聴く感じですね。
飯室:そうですね。だからラジオの聴き方も音楽の聴き方も変わってきて、ラジオの在り方とかを考え直さないとって思いますね。
──それはどういうところですか?
飯室:今までってラジオが一番最初に、最新の音楽を聴くことができるツールやったんです。でも今はそうじゃなくて、YouTubeやSoundCloudがあるんで。そういう意味ではラジオの面白さをもう一度見直さないとなって思います。
──飯室さん自身の番組はどうですか?
飯室:ラジオにはいろんな役割があって、新しい音楽との出会いと今ヒットしてる曲が聴こえてくるっていう良さもちろんあるんです。僕がやってる『RADIO∞INFINITY』なんかは、新人をリスナーと一緒に探そうよっていう番組なんです。だからタワレコのインディーズ・コーナーの試聴機みたいなイメージですね(笑)。いろんな音楽をこっちからたくさん投げて、ちょっとでも良いのがあったらCD買ってね、ライブ行ってねっていう提案型の番組でもあります。僕の番組は、リスナーからバンドを教えてもらったりしてて、そこから直接バンドにメールを送って音源を送ってもらったりもしてるんです。
──これから関西で盛り上がってくるんじゃないか、というバンドはいますか?
飯室:関西は愛はズボーンやみるきーうぇい、感覚ピエロとかですかね。他にもCettiaやARKS、最悪な少年とかRick Rackとかwaybeeなど。面白いアーティストは挙げていくとキリがないぐらいたくさんいます。関西では夜の本気ダンスが動員も人気も熱を帯びてきてて、あの勢いの後に愛はズボーンなんかは行くんじゃないかって思いますね。やっぱり口コミって大事で、勢いのあるバンドの名前はいろんな所で耳にします。僕は『RADIO∞INFINITY』を担当してる関係で、東京の方に関西のバンドのことを「○○ってどんなバンドなの?」って訊かれたりするんです。
──そういうバンドの曲を中心にかけているんですね。
飯室:はい。うちの番組では今挙げたようなバンドの曲を、よくかけてるんですよ。むしろうちの番組だけかもしれないですけど(笑)。そういう早耳のバンドを集めて、清水音泉さんの協力で『LIVE∞INFINITY』っていうイベントもしてます。それこそ夜の本気ダンスにも出てもらいましたよ。
 

Live info.

髭・須藤寿&FM802飯室大吾『おしゃべりな夜』〜忘年会編〜
2014年12月8日(月)大阪ロフトプラスワンウエスト
【出演】須藤寿(髭)/飯室大吾(FM802)
OPEN 18:30/START 19:30
前売 2,000円/当日 2,500円(1オーダー500円以上要)
前売チケットはローソンチケット(L:55810)にて発売中
問い合わせ:ロフトプラスワンウエスト 06-6211-5592