2010年6月に『涙の銀座線』でデビューを飾り、地盤を固めながらじっくりと活動をしてきた歌謡コーラスグループ「純烈」が、トータル4作目、日本クラウン移籍後2作目となるシングル『スターライト札幌』を2014年1月8日にリリースする。これまでの3作はムード歌謡の概念を覆す、踊って歌うスタイルで魅了してきたが、4作目にして遂に「王道の」ムード歌謡で勝負をかける。色気を放ちながら「女うた」をしっとりと歌い上げるメインボーカルの白川裕二郎と、踊ることなくコーラスのみで支える5人。衣装もシンプルに、心に響く「歌」をしっかりと聴かせる作品だ。
これまでに培ってきたさまざまな経験を確信に変え、ムード歌謡の若き継承者として彼らは今、自信を持って歩いている。グループとしてもムード歌謡の世界の中でもまだまだたくさんの可能性を秘め、2014年はいよいよ大きく飛躍する年になるのではないだろうか。北の大地を舞台にした『スターライト札幌』を引っ提げ、ここから全国を目指すのだ。(interview:やまだともこ)
左から→ 酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、林田達也、友井雄亮、小田井涼平
ムード歌謡の王道をやりたいと思った
── さっそくですが、2013年を振り返っていかがですか? 昨年1月の『恋は青いバラ』リリース時にインタビューをさせて頂いた際は、1年間で300ステージやりたいとか、全国をまわりたいとおっしゃっていましたが。
後上:220ステージぐらいはやりましたけど、6人で活動出来ない時期もあったので、300ステージには到達しなかったですね。
酒井:47都道府県制覇もまだまだですよ。
林田:行ったことがない土地に行けたりはしたんですけどね。
酒井:2013年は本州にしか行けてないですね。でも、今回は1月8日にリリースして、3月ぐらいまではキャンペーンがありますし、そのシングルのタイトルが『スターライト札幌』なので北海道にも行きます。
── その『スターライト札幌』は、前作のキラキラとした衣装に比べて、ずいぶんと落ち着いたというのが資料を受け取って最初の感想でした。今作はどんなコンセプトがあったんですか?
酒井:純烈はデビュー当時歌唱力が全くなかったんです。ムード歌謡をあまりにも知らないし、レコーディングの経験もそんなにないので、それなら踊れる友井くんがいることだし、踊ろうと3枚目までやってきましたが、往年のムード歌謡を知ってる人からしたら僕たちがやってるものがムード歌謡かどうかがわからないと思うんですよ。そこで衣装もそうですけど、王道をやりたいと思い始め、今回は踊らずに1ボーカル、5コーラスのみで勝負しようと思ったんです。そしたら、作家さんたちも同じ考えを持ってくれていたようで、生まれた曲が『スターライト札幌』なんです。今まではメインボーカルの白川くん以外にもメンバーが1フレーズずつ歌うこともありましたけど、ボーカルは白川くんに任せて5人はコーラスに徹するという、ムード歌謡のクラシックスタイルを踏襲することにしました。ルーフトップ読者のお父さんやおじいちゃんなど、NHKの歌番組をご覧になっているカラオケファンの人たちに歌ってもらいたいという思いもありますし、こういうグループが時代を経て今テレビで活躍しているようなダンスボーカルグループになっていくんだよという歴史も感じてもらえたら。純烈を通していろいろ伝えられたらなと思っています。
── この衣装も、ムード歌謡の王道のスタイルになるんですか?
酒井:そう。『スターライト札幌』の作曲を手掛けてくださった中川博之先生が作った『ラブユー東京』を歌っているロス・プリモスさんのスタイルに一番近い感じはしますけど、スタイリストさんが今の方なので、そこまでおじさんくさくはなってないと思います。
── シンプルなスーツの衣装は、デビュー曲『涙の銀座線』を思い出しますね。
友井:他の人にも、「また戻ったね」って言われました。
後上:ジャケット写真も『涙の銀座線』に近いものがありますよね。
小田井:僕は髪型を七三分けにしたり、もっとやるんだと思ってましたけど。
酒井:椅子に座るようなジャケットとか。
── そこまでやると逆にギャグっぽく見えちゃうのかもしれないですね。ところで、白川さんの歌声は、これまでにも増して艶やかで魅力的でしたが、今回はどんな思いで歌われましたか?
白川:ボーカルが1人なのでプレッシャーがすごくありましたよ。それに歌に関してはこれまで我流でやってたから、壁にぶち当たりましたけど、メンバーそれぞれの能力を貸してもらいながらレコーディングに臨みました。詩は素晴らしいので、これからもっと歌いこんで、どういうふうに歌を料理していけば良くなっていくかがこれからの僕の課題です。
── 歌う回数が増えるごとに、自分のものになっていくという感じですか?
白川:もちろん歌いまわしの慣れであったりは数を踏めばそれだけ自分のものに出来ると思いますが、ライブで歌うことで、お客さんにも育ててもらうというのもあると思います。
── みなさんのコーラスはいかがでしたか?
友井:まだライブでは2回しかやってないので、早くお客さんの反応を見たいです。今回は踊りもないので、僕たちはコーラスでボーカルを支えるのみ。
後上:リーダーがこの間言っていた言葉を借りるならば、「動かないという振りを付けた」と。歌ってる時に感情が入ると手が動いたり表情が変わると思いますけど、感情が動いても体を動かさない。それが、動かないという振りなんです。口の周りが動くぐらい。