Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューBELLRING少女ハート(Rooftop2013年11月号)

2013年・東京インディーズアイドルシーンの最北端を見よ

2013.11.03

 10月某日、Rooftop編集部から「ベルハーの取材に行ってほしいんだけど」と言われた。「どう?好き?」「そんなに詳しくないんですけど......なんか、ああいう危うい感じのところに頑張ってほしい気持ちはあります」と答えると、やはり「そう!なんかあのアナーキーさ、インディー感が気になっちゃって」ということだった。そうなんです。BELLRING少女ハートは、ここ数年まさに80年代バンドブームのような様相を呈しているグループアイドルシーンの中でも、いま最もロフトっぽい、アナクロで生々しいヤバいアイドル。......なんて書くとメンバーは不本意かもしれない、アイドルとしての芯も確固として持ち、何方向ものベクトルが絡み合って凄い熱量の、まさに魔都・東京が生んだインディーズアイドルだ。Rooftop読者のみなさん、ぜひちょっとチェックしてってください!!!!(interview:越智灯子・ロフトプロジェクト)

売れてきた実感とかはない

――今年のTIF(東京アイドルフェスティバル)のステージを拝見したんですけど、お客さんがほかのグループと比べてもかなり集まっていたのが印象的でした。ちょうどその前後に1stアルバム『BedHead』が発売されてスマッシュヒットになっていますが、今年の夏くらいから状況が変わったみたいな感覚ありますか?
萌:わかんないです。変わってない、あんまり。
――取材増えたなーとか、売れてきたなーとか。私の身の周りでも話題だなっていう感じはあるんですけど。
珠梨:んー、ないです。
萌:売れてないです。わかんない。
――タワレコにベルハー表紙・100ページ特集の『TRASH-UP!!』がどーんと面陳されてあったりとか。あの大特集号はどのようにして実現したんですか?
みずほ:優しさ。
萌:うん、優しさ!
田中紘治(ディレクター):あと、台湾に帰っちゃってるTIRAっていうのが結構ガツガツしてる子で、最初インタビューで1ページぐらいもらったんですけどそのときに「なんで表紙じゃないんだ」と(笑)。編集部に直談判で「なんで出してくれないですか!」ってガンガン言ってて、そこがもしかしたら「おっ」と思われたかもしれないですね。
――活動してきた手応えとか、やったら返ってきたものとかありませんか?
萌:疲労とか? 早起き、早起き、遅寝、みたいな。
友華:2か月休んで復帰したら、前は土日2日間とかだったライブが3日連続とか4日連続とか、すごく増えたなって思いました。
萌:それは感謝してます。
――運営側で感じられている変化はありますか?
田中:水面下で変わってる感じはあるんですよ。予約してくださる新規のかたが毎回どんどん増えてくし。メンバーは「きょうは自分たちのお客さん60人ぐらいかな」って思ってても、予約リスト見ると140人とか予約されてるかたがいたりして。所謂アイドルオタクじゃないんだけれどもアルバム発売きっかけでちょっとベルハー観てみようっていう人が、隅っこのほうから結構いっぱい観てるんですよね。割と話題になってても本人たちに実感がないっていうのはそういうことだと思います。演者からすると前に来て騒いでくれるお客さんが目立つから。宇多丸さんとか意外な人たちも話題にしてくれているらしいので、ちょっと興味を持ってくれてる人が実は物凄く増えて来てるなっていうのはあります。どっかで爆発するための燃料はどんどん増えてってるので、あと何かのきっかけで火を点けないといけないっていう状況ですね。

新メン加入から約1か月

――あやのちゃん、カイちゃんが加入してちょうど1か月くらいですが、もう馴染みましたか?
みずほ:うん。
萌:まだそんな、すっごい仲良いわけじゃない。
珠梨:でも意外とふつうだった。
あやの:どういう意味?(笑)
珠梨:(笑)意外とすぐベルハーだった。思ったよりは。
友華:もえちがベルハーになるまでもっと時間かかった気がする。もえちは最初は近寄り難かった気がする。
珠梨:うそ、TIRAぴょんとゆうゆは「もえち、もえち」ってすぐなってたよ。
萌:すぐ甘ったれてきたじゃん。
田中:TIRAと友華でもえちの取り合いしてたよ。
友華:忘れちゃった。じゃしてたみたいです(笑)。
――運営から見て新メンバー、現体制はどうですか?
田中:あやのはやっぱり元々経験があるので教わる前に吸収してくのが速いですね。
――ユフちゃんみたいな感じですかね。加入前からアイドルとして活動されていて。
田中:まあそうですね。BiSでいえば。
珠梨・萌:いいな〜!
あやの:なんで? やった!
田中:カイの場合は1からだから。そこで差がついて見えてると思うんですけど、そこも含めてひとつのグループだな、いましかできない面白さはあるかな、という感じですね。

オーディションのひみつ

――オーディションではヴィジュアルは結構重視されるんですか?
田中:そうですね。
みずほ・友華:うそー!
萌:うそつけ!「可愛い子は採らない」って言うんですよ。最低!
田中:いやいや違う、語弊がある(笑)。
萌:「手足短かったり鼻低い人が好き」って。世間と違うから、つまりアレなんですよ。
――でも同じ好みのヲタがきっといっぱいいますよ(笑)。
萌:(笑)つらい。
――メンバーにサブカルっぽい子はむしろ選ばない、という意図はあるのでしょうか。
田中:うん、だってなんか「自分たちでわかってて好きでやってる人たち」って、バンドとしては様になるんでしょうけど、曲与えられて、こういう世界観にハマってってなっちゃうと、その子の夢がすごい中途半端な段階で叶っちゃってる感じで面白くない。オーディション何回かやってますけど、「ベルハーに染まりたい」みたいな人は採らないです。
 セルジュ・ゲンズブールがフランス・ギャルでやってたような、良い楽曲があって、よくわかってない女の子がいて、でもやっぱりみんなが聴いてくれるからお客さんの前で披露してっていうのが僕の理想のアイドル像なので。ほんとは全然違うベクトルの子達がやってて、「曲も別に興味ないし良いとも思わないんだけど、お客さんが盛り上がってくれてればそれでたのしい」ってところで成立させたかった。それが一番女の子たちの実力が発揮されるんじゃないかなって思って、こういう形でやってます。
このアーティストの関連記事

●1st ALBUM
BedHead

CD ¥3,000 / IN STORES NOW
ハイレゾ配信 ¥2000 / OTOTOY

amazonで購入

1.World World World
2.the Edge of Goodbye
3.D.S.P 〜だいすぴッ〜
4.ボクらのWednesday
5.Shout!!!
6.ライスとチューニング
7.夏のアッチェレランド
8.Pleasure 〜秘密の言葉〜
9.サーカス&恋愛相談
10.yOUらり
11.BedHead
12.ダーリン
13.アイスクリーム
14.Teck Teck Walk
15.WIDE MIND

LIVE INFOライブ情報

11月 24日 (日)
「モモーイ×ベルハー SOS!ライブ」
桃井はるこ×BELLRING少女ハート ツーマンライブ!
会場:下北沢シェルター
 
OPEN 11:30 / START 12:00
ADV¥2800 / DOOR¥3000
 
※その他ライブ情報は公式HPのスケジュール
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻