Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューギルガメッシュ(Rooftop2013年9月号)

沈黙の期間を経て見つけ出した揺るぎない自信と覚悟を携え、遂に再始動!

2013.09.01

 2012年10月に自身初となる日比谷野外大音楽堂でのワンマンライヴを行なって以降、表舞台での活動を休止していたギルガメッシュが活動を再開した。今年7月1日にオフィシャルサイトを突如更新し、手錠に繋がれた4人のシルエットと共に、7月22日にSHIBUYA WWWにてモバイルファンクラブ会員を対象としたフリーライヴを開催することを発表。このライヴは、9月11日にリリースするニューシングル『INCOMPLETE』を含む3曲のみの演奏ではあったが、ステージから放たれる強靱なサウンドからは新生ギルガメッシュの強い意志と覚悟を感じた。
 "未完成"という意味を持たせた今作『INCOMPLETE』は、自分たちを縛り付けていた意志の弱さや柵(しがらみ)を断ち、決意新たに自信を持って歩き出したことを感じさせる力強い作品。今年は、シングルをリリースし、10月13日(日)にはSHIBUYA-AXで"ギルガメッシュ ONEMAN LIVE「G#」"を開催、そして秋にはアルバム『MONSTER』のリリースが決定している。
 2014年には結成10周年を迎えるギルガメッシュの左迅(Vo.)とЯyo(Dr.)に、活動が止まっていた空白の期間について、そしてこれからについてお話を訊いた。(interview:やまだともこ+河西香織/新宿LOFT)

納得の出来る形で活動するには時間が必要だった

G_Vo_IMG_6312.jpg── 9月11日に約1年振りとなるニューシングル『INCOMPLETE』をリリースされますが、昨年10月に日比谷野外大音楽堂でのワンマン後、実質バンドが活動休止の状態になっていました。活動をしていなかった期間は、どう過ごされていたんですか?

左迅:本当は、野音のライヴでアルバムの発売を発表するつもりだったんですが、曲は何曲かあってもメンバー全員が納得出来る曲がなくて、妥協してアルバムを出すよりもちゃんと全員が納得出来るものを作らないと出せないと思ったんです。そんな状態でリリースしても、自分たちにもファンにもウソをつくことになるので、一度活動をストップして自分たちや音楽を見つめ直して制作に没頭しようという話の流れから休止の状態になったんです。ギルガメッシュは来年の2014年で結成して10周年になるんですけど、長いバンド生活の中でつもりにつもった不安とかいろんなものが溜まっていた時期でもあったので、1回クリアにして10周年に挑みたいというのもありました。そこをクリアにしないで進んでいくと、10周年を迎えられても15周年、20周年とバンドを続けていくのは難しいなという部分もあったので、ここで全てクリアにしようという期間でした。

── みなさんで話し合いもしながら?

Яyo:もうね、それは話し合いと言うよりはいがみ合いでしたよ(苦笑)。でも、休止することになっちゃったのはメンバーの意志がブレていたからだと思うんです。それぞれの気持ちとか、所属している会社との付き合い方だったり、バンドを進めていく上での方向性がバラバラだったんです。これまでって、会社の顔色をうかがってやっていることが多くて、生活があるから会社に歯向かってクビになったらどうしようという気持ちもあってビビっていたんですよね。でも、野音でワンマンをやった時期ぐらいに自分たちの意志の弱さが浮き彫りになっちゃったんです。なんとか事務所にしがみついていたい人もいるし、「いいよ、こんなとこ!」みたいな人もいるし、メンバーで集まっても無言という時期もあって。俺ら自身何をやりたいのかわかっていなかったというのがモロに出ちゃっていた時期だったので、このままアルバムなんか出せるわけがないし、良いものなんか出来るわけがないって。それで、一旦ストップかけないとまずいというのは会社の判断でした。自分らでもこのままじゃまずいと思っていたし。ライヴも、こんな気持ちのままでステージに立てないと思ったので一旦止めようって。野音のライヴ自体は良かったと僕は思います。野音に向けてのレベルアップだったり、みんなのモチベーションが野音に向かっていたんですけど、問題はその後ですね。会社からは「野音が売り切れなかったら次がないから」とかも言われて、それが後を引くメンバーもいて、気持ちがブレブレだったので、考える期間にしたんです。

── 2012年の9月に『斬鉄拳』をリリースした際のインタビューでも、「2011年はライヴ活動を控えて自分たちを見直す時間だった」とおっしゃってましたが。

左迅:あの時に答えを出した気になっていたんです。それで、昨年はSHIBUYA WWWで13日間ぶっとおし公演をやったりしましたけど、結局勢いで誤魔化していただけなんですよね。問題が解決していない中で突っ走っていたので、野音のタイミングでまた浮上してきたという感じだったんです。今は、全部解決して納得して、探し求めていた答えが形になったので表舞台に帰って来ることが出来ました。
 

結局は自分が信じたものが答えだった

G_G_IMG_6388.jpgЯyo:会社とガッツリ手を組んでやるようになってから、答えを出すことを大人の人たちに委ねていたんですよ。

── 答えを出してくれるのを待ってた、と?

Яyo:いつもそういう状態でした。自分で決めて答えを出すということをやれてなかったんです。で、SHIBUYA WWWで13日間公演をやって、あれはすごい良いイベントだったんです。俺たちが答えを出してやったイベントなので、そこにはホントに自信があるんです。でも、その後プロデューサーを入れてやってみようとか、大きいハコに挑戦しようとか、会社に言われるがままになっていたというか。そうやって振り回されるのは、どう考えても自分らが弱いからなんですよね。野音が終わった後に、この状態じゃまずいってバンド活動をストップした時に鬱になりかけて、家にあるボーカルブースの中で塞ぎ込んでいるという日もありましたね。その後、俺はCodeRebirthのレコーディングを手伝ったり、左迅もソロのバンドをやることで、ギルガメッシュでは見えなかったものを得た時期でもあったんですが、今度はその行動に対して愁さん(Ba.)とか弐さん(Gt.)とかが「この状態じゃまずいんじゃないの?」って不安がり始めて。でも当時、何のために音楽をやってるかってことをずっと考えている時間でもあって。事務所からはもっと売れろ、茶の間受けする曲を作れ、このままじゃうちでこの状態を続けられないよって言われていて、事務所のために音楽やってるんじゃないんだけどなって。そしたら会社に対しての憎しみが湧いてきてしまって(笑)。一度、会社の人とご飯に行って、「次は事務所の先輩のような、歪んでないギターで、広い世界観が見えて、万人の人に受けるような曲が良いんじゃないかな」と言われた時に、自分の魂は会社に売りたくないなと思ったんです。その後、俺にしか作れない音楽があって、それがギルガメッシュなので根本を変えてまでここでやる意味があるのかなと思ったら、結局は自分の信じるものが答えだと思い始め、モードが切り替わって曲がどんどん出て来るようになって。それで、バリバリ歪んで、LOW-Gまで下がったギターでギャンギャン鳴ってる曲を、「先輩のような曲を…」と言ってた人に選曲会で聴かせたら、「いいね」って。「え!?」って思いましたけど(苦笑)、自分で答えを出して良かったなって思ったんですよ。結局は、曲どうこうというよりは自分の気持ちだなというのがわかって。活休したのは俺の気持ちがブレていたからなんです。俺がバンドの舵を握っているので、俺が潰れるとこのバンドは潰れるんです。そこはメンバーにも申し訳ないと思いますが、今は自分にしか作れない音楽があって、海外でも評価してもらっているし、自分の音楽にもっと自信をもって良いんだぞって自分に言い聞かせて、1から作り直しました。

── 吹っ切れたという感じですか?

Яyo:吹っ切れました。今バンドがすごく良いモードだと思います。

── 吹っ切れたのはいつぐらいなんですか?

Яyo:2月ぐらいだったかな。2月にロフトプラスワンでSHOXXさんのイベントに出演して、その時は気持ちは吹っ切れていたんだけど、会社に対する怒りがすごくて(笑)。

左迅:俺が吹っ切れてると感じたのは3月とか4月ぐらいだった。

Яyo:それぐらいに、曲がポンポン出てきた。『INCOMPLETE』が出来たぐらいで完全に吹っ切れたと気付いたと思うんです。今回アルバムを出す前にシングルを出そうということで、シングルはどの曲でもいいよって言えるぐらい自信のある曲がたくさんあって、PV撮るならSHIBUYA WWWの1曲目にやった曲が良いかなと思ったんですけど、左迅が『INCOMPLETE』がいい! って言ったので、この曲でシングルを作ることになったんです。

 

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ギルガメッシュ
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1. INCOMPLETE
2. Limit Break
3. takt
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LIVE INFOライブ情報

ギルガメッシュ ONEMAN LIVE「G#」
10月13日(日)SHIBUYA-AX

OPEN 17:00 / START 18:00
1F立見・2F指定 前売¥4,200 / 当日¥4,700(税込・ドリンク代別) ※未就学児童入場不可
チケット一般発売 9月14日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

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