ホームレスギャル漫画家としてメディアを賑わせていた浜田ブリトニー。現在彼女は、変わらずギャル漫画家として活躍しながら、法人会社の代表取締役となり、ビジネス本を出版したり、CDをリリースしたり、インターネット番組やイベントに出演したりと大忙しの日々を送っている。ロフトプラスワンでは定期的にイベントを開催し、4月には恒例となっている自身の誕生日イベントをオールナイトで行なう(こちらのゲストがまたすごい!)。ここで、新しく組まれたユニット・浜田ブリトニー&兵庫リアーナによるBIG SPEAR(ビックスピアー)の新曲(3月リリース予定)も披露されるそう。
ここに至るまでに、ご存じの方も多いかも知れないが様々な経験をしてきた彼女。しかし、だいたいのことは「ノリで」ここまでやってきた...らしい。とは言え、「実際やってみないと気が済まない性格」とインタビュー中に言っている通り、その行動力が今の彼女を作り上げたのではないかと想像した。今回は彼女に、ホームレス時代のこと、漫画家になってから現在に至るまで、そしてこれからのことについてお話を聞いた。(聞き手:石崎典夫/ロフトプラスワン店長 構成:やまだともこ)
実際やってみないと気が済まない性格なんです
── 世間一般から見る浜田ブリトニーさんは、クイズ番組やバラエティー番組に出てる印象が強いと思うんです。でも、ある時期を境にスパッと辞めましたよね。あれは何でだったんですか?
ブリトニー:ノリですね。思い立ったらすぐにやっちゃうんですよ。基本は漫画家ですし、当時漫画の仕事もすごく増えた時期だったので漫画に集中しようと思い、やりたい事の両立が難しくなってきた頃にいいタイミングがあったのでその時にスパっと一時休止したんです。
── テレビの仕事を辞めるということに対して悩んだりしなかったですか? マネージャーさんに相談するとか。
ブリトニー:悩んでもしょうがないんで、思うがままに突き進んじゃいました!! そのおかげで石崎さん(ロフトプラスワン店長)に出会ったり、ロフトプラスワンで初めてイベントをやったきっかけで他のイベントにも興味を持つようになったんです。
── 初めてのイベントが、プラスワンでやったお誕生日イベントになるんですか?
ブリトニー:そうです。誕生日のイベントがフリーになってから初めてのイベントだったんです。あれをやらなかったら他でイベントやろうとか思わなかったです。
── プラスワンがきっかけだったんですね。長くお付き合いさせてもらってますが、初めて聞きました(笑)。
ブリトニー:石崎さん、いつもだいたい酔っぱらってますからね(笑)。
── 最近はネットの番組に出たりとかもしてますよね? そのへんは心境の変化があったんですか?
ブリトニー:ネット番組は週1回ぐらいモニターを通して話をしておくと、こういうインタビューだったりで役に立つので、トレーニングみたいな感じです。あと、ロフトさんのイベントと一緒ですけど、番組をやることで人と出会えたりして、それがきっかけでお仕事に繋がったりするので、それははずせないかなと思ってます。
── でも基本は漫画なんですよね。
ブリトニー:漫画ですね。
── 振り返る感じになっちゃうんですけど、漫画家でデビューしたきっかけとしては、出版社に原稿を持ち込んだんですよね。
ブリトニー:そうですね。原稿を持ち込んで半年ぐらいでデビューしちゃいました。
── その時は家はなかったんですか?
ブリトニー:なかったです。家出をしたのが4月7日の18歳の誕生日で。中学生ぐらいの時から、特に理由はないんですけど18歳になったら家を出るって決めてたんです。それで高校は普通に通っていて楽しかったんですけど、高3の18歳になった瞬間に辞めました。18歳になったら働けるじゃないですか。それからキャバクラの寮に住んで、でも寮の家賃が高いのでキャバクラの店長と付き合って、店長の家に住んだりしてましたね。
── その間に漫画は書いていたんですか?
ブリトニー:いえ。その頃は漫画に全く興味がなかったんです。
── 18歳で突然家出して大変じゃなかったですか?
ブリトニー:ずっと家を借りてない状態だったので、荷物が増えて大変だなって思ったりとかはしましたけど(笑)。
── そこ(笑)。その後は?
ブリトニー:キャバクラで働いていた当時ペットブームだったので、ペットの専門学校に2年間通ってトリマーの資格を取ったんです。で、店を出してくれそうなおじさんを見つけたんだけど、卒業する時にはペットブームじゃなかったし、儲からなさそうだったから辞めて、次の年から漫画の学校に行き始めました。
── そのきっかけは何だったんですか?
ブリトニー:藤子不二雄A先生の『まんが道』を読んで感動して、漫画を書き始めたんです。
── 漫画家だって儲かるか儲からないかで考えたら儲からなそうのイメージのほうが強いんですけど。
ブリトニー:何も考えてなかったんでしょうね(笑)。ノリというか、いきなり始めることが多いんです。たまに誰かに操られてるのかなって思いますよ(笑)。こっちに向かってたはずなのに、突然方向が変わったりするから。
── 他にも突然始めたことってあるんですか?
ブリトニー:細かいことだったらたくさんありますよ。ホームレスって騒がれてるのにいきなり家借りたり。
── ちなみに、ホームレスの時はどこに住んでた…住んでたってのもおかしいですけど、どの街で暮らしてたんですか?
ブリトニー:渋谷が多かったですね。夜中でも人が多かったので。けっこうな年月を路上だったり、友達の家とか当時付き合っていた彼氏の家とか、漫画喫茶で過ごしてました。「私もホームレスだったんです」って言う人けっこういますよね。
── いないですよ(苦笑)。でも女の子がホームレスって危険じゃないですか?
ブリトニー:今ホームレスだったら大変かもしれないですね。昔は、公園でギャルがたむろってパラパラ踊ってたりしましたけど、最近は夜、女の子が少ないから危険な気がします。センター街にたむろってないんですよ。漫画喫茶も証明書がないと入れないし。
── ホームレス時代を経て、漫画家としてデビューして。
ブリトニー:その時に雑誌で人生相談のコーナーを担当させてもらったんですけど、顔写真が載って下品な事たくさん言っていたので、面白いと思ってくれたテレビの人に誘われてテレビに出るようになったんです。収録には雑誌の編集部の人と一緒に行って、そこでスカウトされて、入る気はなかったんですけど、ノリで事務所に入って。それで最初の話になるんですけど、辞めて今に至ります。
リアーナ:何年生きてるんだろうってぐらい濃厚なんですよ。
ブリトニー:“自称20歳”歴が長すぎて年齢がわからないんです。毎年干支を更新するのが大変(苦笑)。
── これからの野望とかあるんですか?
ブリトニー:漫画もそうですけど、ストーリーを作るほうが好きみたいなので、イベントや番組の企画を自分で考える事はもう始めてますが、今年は何かを生み出したりする仕事をやりたいなと思っています。それと、活字も良いかなと思っていて、今は経済の本を作ってます。
── 経済の本?
ブリトニー:営業コンサルティングの本を。
リアーナ:一応会社の社長なので…ね(笑)。
── ブリちゃんの人生の歩み方は若い人たちに勇気を与えると思いますよ。ノリでも大丈夫なんだって。
ブリトニー:安定していられないんですよー。普通こうやったらどうなるんだろうって頭の中で考えるじゃないですか。例えば会社辞めたらどうなるんだろうって。それを実際やらないと気が済まない性格なんです。
── みんなそこで足踏みしちゃうから進めないんですよ。やってはみたけど失敗したなということってありました?
ブリトニー:あはー! って思う事はありますよ。でもなんとかやってこれちゃいました(笑)。
── それだけ忙しいと漫画はいつ書いているんですか?
ブリトニー:夜中ですね。
リアーナ:あまり寝ないんです。いつメール送ってもだいたいすぐに返事来ますから。
── ブリちゃんの気分転換って何ですか?
ブリトニー:パチンコです。設定が辛いタイプが好きなんです。当たればデカいけど、なかなか当たらない台。みんな1/300とかの確率で当たる台を選ぶと思いますけど、私はあえて1/500とかを選んでどう勝負するか。アドレナリンが出る方が好き。自分と勝負している時が好きなんです(笑)。