Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューチャラン・ポ・ランタン(Rooftop2013年3月号)

ライヴ中毒者続出!
奇抜な道化師、チャラン・ポ・ランタンの魅力に迫る!

2013.02.28

MINORITY ORCHESRTRAの解散とチャラン・ポ・ランタンの結成

20121027_a0014s_DSD9820.jpg望月:ももちゃんはMINORITY ORCHESRTRAのメンバーではなかったんですか?

小春:ももは、チャラン・ポ・ランタンを結成する何ヶ月か前に、MINORITY ORCHESRTRAにゲストヴォ−カルという扱いで入ったの。

望月:ゲストが妹だった。

小春:そうそう(笑)。親知らずを抜いた時に治療がけっこう長引いて歌まで出来ちゃって。それまでは言葉を乗せるなんてダサイと思っていたところがあって。インストが一番カッコ良いと思っていたんだよ。インストのバンドが海外で活躍している印象があったし、日本語を使っちゃうと言葉の壁がめんどくさいでしょ。でも、『親知らずのタンゴ』という曲で初めて歌詞が出来て、自分で唄うつもりは全然なかったから誰に唄ってもらおうかなというところで、たまたま同じ部屋に女の子がいたので誘いました笑でも、私も言葉のキャッチボールが出来ないから、頭ごなしに「3ヶ月後にライヴがあって、この歌を唄ってもらうから」って言って。

もも:普段ほとんど話とかしなかったのに急に話しかけられて、その時点でライヴは決まっていたので「はぁ、、、」って受けて。

小春:チラシにもゲストが来るって書いてたし。その時に、ピンクのハートがついた洋服とハート型のサングラスをかけさせて、ブタのぬいぐるみ持たせて、近未来みたいな格好をさせてステージに上げたんだよね。

望月:ももちゃんは、その衣装を見てどうだったの?

もも:とくに何も思わなかったです…。断っても良い衣装だったとは思いますけど。

小春:下手したらパンツ見えるしね。最近の衣装よりよっぽどヘンだもん(笑)。それで、呼び込む時に妹って言いたくないから「空から降ってきたももちゃーん!」って紹介して。ももは、人前に出て歌うことが初めてだったから、すごいオロオロしてて(笑)。それが空から降ってきた感じになって、MCで話をふっても全然しゃべらないし、「唄ってる時はどこ見れば良いの?」って言うから、「ミラーボールを見てれば?」って言ったら、本当にずっとミラーボールしか見てなくて。

もも:怖かったですよ。唄ってる時はまだ安心出来たんだけど、終わってからお客さんに話しかけられるのが怖くて。家族とか親戚以外の大人に話しかけられるのが初めてで、「今日すごい良かったよ」と言われて、さらに何か言ってくれると思ってたのに私の答えを待ってたりするから、「話しかけてきたくせに何も言わない…。大人こわーっ!」っていつも思ってました。

望月:それでも次にまたライヴをやりたいって思ったの?

もも:というよりは、次のライヴも決まってたんです。小春にはお客さんとの会話はどうしたら良いのか何度も相談しましたね。それで、「ありがとうございます」って言えばいいんだよって言うから、話しかけてもらったら「ありがとうございます」って答えて、その後またどうしよー! ってなって(笑)。

小春:でもそれしか答えなかったから、ますます謎になって(笑)。だから、それしか教えなかったんだけど、しゃべれるようになってきたときのキャラのブレ具合はやばかったですよ。

黒沢:衣装はずっと近未来みたいな格好だったの?

小春:チャラン・ポ・ランタンじゃないときはその格好でした。目が泳ぐからずっとサングラスをかけていて。ブタのぬいぐるみを持ってるのは、ステージ上の立ち振る舞いがあまりにダサかったから、ブタで視点を分散させないとって思って。

望月:MINORITY ORCHESRTRAとチャラン・ポ・ランタンは並行して活動してたの?

小春:並行してた。2009年の4月にももがMINORITY ORCHESRTRAにゲストヴォ−カルで入るようになって、7月にはチャラン・ポ・ランタンをやり始めて並行してやっていたんだけど、ももが入ってわりとすぐの段階でMINORITY ORCHESRTRAが解散した。

もも:それ、ももが壊したと思ってる。

小春:MINORITY ORCHESRTRAは女バンドだったから、まん中にちやほやされるキャラクターが出てきて嫉妬が生まれたんだよ。ももが入った瞬間に、バンドがうまくいかなくなった感じはあったよね。インストバンドでみんながリードをとっていたんだけど、唄が入ると全員が伴奏になるじゃないですか。それで、自然にムキーって感じは出てて、そういう女の子バンドにありがちないろいろを体験して、あっさりいろんな人が音楽を辞めていった。その頃から、仲間意識とかクソ喰らえ! って思うようになってたし、友達とかいらないって思ってた。バンドメンバーが一番長い付き合いだったのに、こいつらなんもわかってなかったんだ、小春もみんなのこと何もわかってなかったんだって。それで、人間とかどうでもいいわって思い始めて。今だったら、こういう調子でネタにして消化出来るんだけど、その時は露骨に感情を外に出すタイプだったから、ワンマンの最中に毎回大泣きしてた(笑)。なんだかんだ言っても、メンバーの事がけっこう好きだったんだと思うよ。だけどみんなはそうでもなかった(笑)。だから友達なんていらないみたいなことをすごい言ってたけど、本当は悲しすぎてやばかった(笑)。

 

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