Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー藤井敬之・大久保 剛(音速ライン)×海北大輔(LOST IN TIME)×伊藤文暁(another sunnyday)対談

腹を括ったからこそ鳴らせる音がある

2012.09.04

このまま転がり続けるしかない

── バンドの人に限らずですが、30歳になる時って一番悩む時でもありますよね。20代って勢いでやれることが多いけれど、30直前で一度考える時期があって、そこでバンドやろうとか、この道に進もうと腹を括った時からが一番強いと思います。

藤井:そこを越した時にすごく長く出来るんだと思うけどね。30越す時って一番迷うと思うから。越えちゃった人はロックンロールなんだよね。転がり続けるしかない。みんなこのままやって良いのかなって絶対に思うよ。でも越えちゃったらボブ・ディランしかないんだよ。

── いくつになっても続けていく、と。

海北:やるしかないんだなって。パチンとする瞬間がありますよね。そうやって30目前で腹決めて作ったアルバムがすごい良い曲ばかりが出来て。

── 伊藤さんは今ちょうど30目前の年代ですよね。

伊藤:まさに葛藤しまくってる時期です。

海北:伊藤ちゃんの良いところって同世代だけじゃなくて年上との繋がりがあって、ヒントがいっぱいある環境でやれてるから。

藤井:あとはそのヒントに気付くか気付かないかだよね。

海北:まあ、伊藤ちゃんは28歳の時点でこっち側確定ですよ(笑)。アナサニは伊藤ちゃん以外みんな30代?

伊藤:ベースの美登一は見た目は30代ですけど、僕の1つ下です。

海北:えー!! でも、そう考えると藤井さんって昔から全然変わってないですよね。

藤井:変わったよ。五十肩を経験してますから。ある日突然腕が上がらなくなっちゃって、医者に行ったら四十肩越して五十肩だわぁって。ボロボロですよ(笑)。

── それはいくつの時なんですか?

藤井:3年前だから36ぐらいの時。ガタガタ来るよ。体は正直。

── でもステージに立つと年齢を感じさせませんよね。

藤井:ステージは昔から同じだね。緊張しなくなってきただけで。

海北:伊藤ちゃんはボーカリストとしての立ち振る舞いが一歩前に進んだ感じがあって。

伊藤:自分でも感じます。

海北:昔はもっとミステリアスで何を考えてるのか全然見えて来ない、良い意味でも悪い意味でもベールがあるようなボーカリストという感じだったけど、今の伊藤ちゃんは歌う人としてステージに立ってる感じがすごく強くて、ロックバンドのボーカルってこうだよねっていうのをちゃんと見せてくれてる。2000年代初頭ぐらいからピンボーカルというのがものすごく減っていて、なんかしら楽器を持ってたりしていないとかっこ悪く見えたりする時期があって。その世代のひとつあとの世代としてシリアルのピンボーカルは僕にはかっこよく見えたし、ミステリアスな感じが良かったんだけど、それを経て今のボーカリストとしての伊藤文暁はすごく魅力が増している気がしますね。

伊藤:ありがとうございます!

── こうしてお話を聞けたので当日がより楽しみになりました。では最後にイベントの意気込みをお1人ずつお話頂けたらと思います。

海北:35周年ということで、僕の人生よりも長い時間新宿という街にロフトがあって、そのうちの3分の1ぐらいの時間を一緒に過ごせていることがすごく誇らしいし、個人的には高校生から通ってロフトに対する思いもあって、憧れも消えてないし、今の10代や20代の子たちが思い描くロフトはどんなものなのかって。それは僕らの世代が作らなければならないし、喜怒哀楽全部詰め込んで結果的にすごく楽しくて面白い場所に出来るように、この日は僕らも全力を尽くします。

大久保:全部言われちゃった(笑)。

藤井:同じく…でいいかな(笑)。

大久保:その3バンドがより自分ららしいライブが出来れば、自然とそうなっていくなと感じがしています。

伊藤:僕は28歳になって、音楽を続けていくためには何が大事なのかというのをすごく考えているんですけど、まわりにヒントやアドバイスをくれる先輩や仲間がいっぱいいて、そういう人たちも同じように葛藤していた時期があるから、快くアドバイスをしてくれるんですよね。そういうのを聞いていると、いろんなやり方があるなって思えるようになっていて、まだしばらく葛藤しながらも音楽を続けていけるなっていう気持ちになっているんです。アナサニはそういう時代を越えてきた人もメンバーにいるし、これから越すメンバーが2人。そのメンバーがひとつのバンドになってライブをやる。他の対バンの皆さんも乗り越えてきた方々なので、たぶん1日を通して力強いパワーを感じるんじゃないかなと思います。そういう日に出来たらいいなと思ってます。

大久保:素晴らしいですね。

── 今回10代のTHE NAMPA BOYSがO.Aに入るのですが、ちょうど年齢が伊藤さんの10個下でもあり、彼らが先輩を前にしてどんなライブをやるのか楽しみです。

藤井:僕からすると20個下ですね(笑)。でも、絶対に迷う時期を通る子たちで、僕らみたいに音楽を辞められなかった本当の音楽好きが鳴らす音をぶつけ合いたい。

海北:10代だからってナメてかかると、負ける瞬間があるんですよね。負けないように気合入れて臨まないと。この間イベントでTHE★米騒動を見たんだけど、どのバンドよりもエッジが立っていて、ハンパなくかっこよかったんですよ。でも、ステージを降りるとみんなキャッキャキャッキャしてて「なんだこれ!」って。O.Aだからどうこうとか、世代が違うからどうこうじゃなくて、しっかり準備して臨みますのでお手柔らかにお願いします(笑)。

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LIVE INFOライブ情報

9月20日(木)新宿LOFT
<SHINJUKU LOFT 35th ANNIVERSARY>
another sunnyday / 音速ライン / LOST IN TIME
O.A:THE NAMPA BOYS

OPEN 18:00 / START 18:30
ADV ¥3000 / DOOR ¥3500

※新宿ロフト店頭にてチケットを購入の際、学生証の掲示で500円オフ(1人1枚まで)
※LOFTポイントカード適用公演
※入場順:各チケットNO.001〜

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