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INTERVIEW

トップインタビューMAMORU & The DAViES

オレのヘイル!ヘイル!はいつだってゴキゲン!
炎のパブ・ロッカー、ワタナベマモルが放つ純度120%の純正ロックンロール!

2011.09.02

歌っていうのは普遍的であるほうがいい

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──この先、地震や原発と直接関係するような曲が生まれたりしますかね?

M:そういうこともあるかもしれないけど、歌っていうのは普遍的であるほうが僕はいいと思うから。地震が起きたから歌の内容が変わるなんていうのは何かイヤだなって言うか。何だろう、そこが上手く言えないからテキトーな言葉で唄ってるのかもしれない(笑)。まぁ、仮に自分の中で答えがあったとしても言う必要はないし、僕は基本的に楽しければいいだけなんで。たとえば『森へ行こう』にしても、僕としては“森へ行こう!”っていうコール&レスポンスをライヴでやったら面白いだろうと思っただけなんです(笑)。ただそれだけがやりたかった。そういうことしか考えてないんですよ。

──マモルさんにしか唄えないし、最高です(笑)。

M:この間のロフト(8月6日、『LONDON NITE SUMMER JAMBOREE '11』)で初めてこの曲をやった時も、お客さんは知らないはずなのにちゃんとコール&レスポンスをやってましたよ(笑)。それがバカみたいに面白くてね。“森へ行こう!”“森へ行こう!” …アホか!? っていうね(笑)。

──でも、初めて聴いても無条件にノレる曲ですからね。

M:うん、ノレると思う。“森へ行こう!”だけどね(笑)。これから全国各地で“森へ行こう!”なんていうコール&レスポンスができると思うだけでワクワクしますよ(笑)。

──どの曲もメロディ・ラインの秀逸さは折紙付きなんですが、その中でも『マボロシ』はとりわけ極上のメロディアス・ソングで突出した出来ですよね。

M:特に練ったわけでもないんですけど、やっぱり“いい曲を作りたい”っていうのを年がら年中考えてますからね。“いい曲”の基準っていうのは僕の場合ビートルズなんだけど。『マボロシ』は僕の中ではあまりないパターンの曲で、自分でも新鮮に感じました。

──個人的には『ロマンス』や『ドロ沼天国』みたいにソリッドでいて粘着質もあるR&B調のナンバーにDAViESらしさを感じますね。

M:まぁ、マージービートとか古いR&Bとかがやっぱり好きなんだよね。その手の曲はDAViESが一番しっくり来ると言うよりも、僕の思うところをメンバーがちゃんと理解してくれるからね。

──DAViESのメンバーにはマモルさんの意図することを事細かに伝えるんですか。

M:いや、伝えないですよ。僕はアレンジするのが好きだから基本的にデモをしっかり作るし、それをみんなに聴かせて「コーラスはこんな感じにしよう」とか言う感じです。意外と簡単にできちゃいますね。デモをただなぞるわけじゃなくて、みんな+αの要素を考えてもくれるし。

──『もっともチンケな愛のウタ』は照れ屋の主人公がぶっきらぼうながらも精一杯愛情を表現しようとする様がとてもいじらくていいですよね。

M:照れ屋って言うかひねくれもんなんですよね、やっぱりね。

──でも、そんなひねくれもんが『星空ブレイクダウン』では汗だくになりながら“本当のことをうたう声 君には聞こえるかい”と問い掛けているじゃないですか。

M:でも、それも僕のことじゃないかもしれないからね。僕がうたってるとは唄ってないかもしれない。

──そういうところがひねくれもんなわけですね(笑)。

M:まぁ、その辺はご想像にお任せしますよ(笑)。

──ただ、『星空ブレイクダウン』ってマモルさんの曲にしてはいつになくストレートな歌詞だなと思ったんですけど。

M:そうかもね。でもこれも、“星空ブレイクダウン”って言葉が響きとしてもいいなと思ったのがすべてなんですよ。だいたいそういうのだけで行っちゃいますから、最近は。

──じゃあ、『素敵なダンス』はビートルズの『I'm Happy Just To Dance With You』(邦題:すてきなダンス)にあやかったとか?

M:そうですよ(笑)。僕はあの曲が大好きでね。

──『You Can't Do That』のギター・フレーズも入ってましたけどね(笑)。

M:ああ、あったっけ?(笑) いずれにせよ、『すてきなダンス』はビートルズの中でも相当好きな曲なんですよ。

──ジョンがジョージにプレゼントした曲ですよね。

M:そうそう。マイナーで地味な曲なんだけどね。

ただいい曲を作ることだけを考えている

──『キャデラック』シリーズは今回で“4号”ということで、今や収録されていないと寂しさすら覚えますね(笑)。

M:これからも増えます。意地でも増やします(笑)。行けるところまで行きますよ。

──10号まで作ったら企画盤が作れますね(笑)。

M:そういうのいいね。1号から10号まで全部『キャデラック』しかやらないライヴとかね(笑)。まぁその前に、ちゃんと10号まで作れたらいいけど(笑)。

──マモルさんの場合、収録する11曲きっかりを持ち寄ってレコーディングに臨む感じなんですか。

M:もう何曲かは持っていきますね。それを全部並べて、曲の良し悪しじゃなくて合う合わないでカットしたりします。あとは気分ですね。結局は気分なんで。“このアルバムにはやっぱり入れたくねぇな”とか“いい曲だけど要らねぇ”とか、そういう気分は大事です。凄いヒット曲を作るつもりもないし、最高傑作を作るつもりもないんですよ。だから、何が何でもこういうことが大事みたいな決まり事はない。何度も言うように、僕はただいい曲を作りたいだけですから。その曲が面白いものになっていればそれでいい。

──マモルさんのアルバムにはどれもシングル・カットが可能な曲がバランス良く並んでいるし、それは言い換えればヒット・シングルを作る発想に近いのでは?

M:ガレージとかパンクとか、特定のジャンルをやる発想はないですね。何でもいいってわけじゃないけど、ジャンルのことなんて考えたら音楽はできないし、第一つまらない。それよりも“これが全部僕の音楽です”っていうのをボーンと出せればいいと思ってます。まぁ、それしかできないってことなんだけどね。

──通り一遍のことを伺いますが、この『MEXiCO MONK』というタイトルは一体何なんでしょうか。

M:全く意味はないです。単なる思い付きで、これをロゴにしたら格好いいなと思って。ジャケットも思い付きなんですよ。パッと頭にジャケの絵が浮かんだら、それをレポート用紙とかにボールペンで描いてみる。それを最終的にちゃんと絵にするんです。レコーディングと同時進行で“ジャケットどうしようかな?”って考えてるんで、編集の合間とかにアイディアが浮かぶことがあるんですよ。タイトルもふとした瞬間に“おおッ!”っていうのが思い付く。誤解されるかもしれないけど、全部テキトーなんですよ。テキトーでいいと思ってるんです。

──『キャデラック4号』になぞらえて言うならば、“カンケーねぇ!”と。

M:そうです。歌の中身もカンケーねぇし(笑)。

──でも、『MEXiCO MONK』というタイトルにせよ、マモルさん直筆のジャケットにせよ、脳内に沸沸と湧き起こるイメージがあるんですよね。

M:イメージはロックですよ。ロックと言えばチンポと唇かな? っていう高校生的な発想ですね(笑)。

──ウサギのマークも然りですか?(笑)

M:ウサギもロックのシンボルですね。あと、今年は卯年だし、僕も卯年生まれなんですよ(笑)。そういう発想しかないんです。

──“MONK”と言えばセロニアス・モンクなのかなと思いましたが…。

M:そうだね。あと、“文句”かもしれないし。“このヤロー、いつも文句ばかり言いやがって!”っていうね(笑)。

──ジャケットがブルーノートとかプレスティッジみたいなジャズのレコードっぽいじゃないですか。その辺もセロニアス・モンクと関係あるのかなとか思ったんですが、それはなさそうですね(笑)。

M:でも、ああいうジャズのジャケットは好きなんです。ブルーノートとかアトランティックとかのジャケットの色やデザインは好きで、そういうのが載ってる本を昔よく友達の家で眺めてたんですよ。凄く格好良かったし、やっぱり影響はあるんでしょうね。

──マモルさんが凄いのはああいう絵をサラッと描けてしまうところですよね。

M:いや、あんなのテキトーですよ(笑)。僕は高校生の頃、銀のジュラルミン・ケースみたいなものを学校へ持って行ってたんです。そのケースにザ・フーのロゴとかを描いてみたりしてね。中身は弁当箱だけで、勉強道具なんて一切持って行かなかったけど(笑)。

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MEXiCO MONK

01. 森へ行こう
02. ハードレイン
03. マボロシ
04. 野球場へ行こう
05. ロマンス
06. キャデラック4号
07. ドロ沼天国
08. もっともチンケな愛のウタ
09. 少年ロック
10. 素敵なダンス
11. 星空ブレイクダウン
MAGIC TONE RECORDS / ROLLER★KING MAGI-0006
2,625yen (tax in)
2011.9.07 IN STORES

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LIVE INFOライブ情報

MAMORU & The DAViES 〜MEXiCO MONK発売ワンマン・ライブ〜
2011年10月2日(日)下北沢 SHELTER

OPEN 18:30/START 19:00
前売¥2,500/当日¥3,000(共にドリンク代別)
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430

ワタナベマモル弾き語りライブ 〜MEXiCO MONK発売ツアー〜
9月3日(土)いわき burrows
9月10日(土)甲府 HARPER'S MILL
9月19日(月・祝)福井 velvet
9月23日(金・祝)浜松 ZOOT HORN ROLLO
9月24日(土)清水 Bear's(チャージ投げ銭)
9月25日(日)伊勢 bamboo bar
10月11日(火)小倉 UN
10月13日(木)島根県太田市スナック ながいかいだん
10月14日(金)倉敷 蟲文庫
10月29日(土)小田原 ジーズキャフェ
11月3日(木・祝)水戸 90EAST
11月4日(金)高円寺 彦六
11月11日(金)北千住 cub
11月26日(土)土浦 バージミヘン
12月8日(木)新宿 JAM
12月14日(水)小樽市立文学館
12月16日(金)札幌 フライアーパーク
12月17日(土)北見 夕焼けまつり
12月18日(日)恵庭 Mojo Hand
12月20日(火)弟子屈町 辻谷商店
12月21日(水)釧路 Gasoline Alley
12月23日(金・祝)前橋 Cool Fool
12月25日(日)下北沢 BAR CCO(ワンマン)

MAMORU & The DAViES 〜MEXiCO MONK発売ツアー〜
9月4日(日)郡山 CLUB#9
9月11日(日)本八幡 3rd STAGE
9月17日(土)新潟 WOODY
9月18日(日)伊那 GRAMHOUSE
10月8日(土)山口湯田温泉 Organ’s Melody
10月9日(日)博多 エキマエ音舗
10月10日(月・祝)宮崎 floor
10月15日(土)十三 FANDANGO
10月16日(日)金沢 Minichael's Cafe
10月22日(土)京都 拾得(ワタナベマモル&ヒコーキーズ)
10月23日(日)京都府与謝野町 道の駅内カレン(ワタナベマモル&ヒコーキーズ)
11月5日(土)仙台 enn3rd
11月6日(日)福島 AREA559
11月12日(土)米子 ONE MAKE
11月13日(日)出雲 APOLLO
11月19日(土)神戸 BACK BEAT
11月20日(日)名古屋 HUCK FINN(ワンマン)
11月23日(水・祝)静岡 Sunash
11月27日(日)横浜 CLUB LIZARD
12月3日(土)新宿 club Doctor
12月4日(日)岐阜 CLUB ROOTS
12月10日(土)函館あうん堂
12月11日(日)小樽 GOLDSTONE
12月12日(月)札幌 SUSUKINO 810

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