次回作は何とか30代までに作りたい
──このジャケット、念願叶って描き下ろされたイラストだそうですね。
小林:ディビヤ・スリニバサンというアーティストに描いてもらったんです。彼女がジャケットを描いたスフィアン・スティーヴンスの『イリノイ』のジャケが凄く好きで、『Dawn Praise the World』のジャケを作った時にも意識してたんですが、その後2008年のSXSWにtoddleが出た時に彼女と偶然知り合ってから、いつかアートワークをお願いしたいとずっと思ってたんですよね。『イリノイ』がピッチフォーク(アメリカのウェブジン)で2005年のアルバム・トップ50の1位になったこともある名盤で、あやかりたいという気持ちもありまして。
──ジャケットに『the shimmer』の文字が描かれているということは、依頼から完成までかなりタイトなスケジュールだったのでは?(笑)
小林:けっこうタイトでしたね。こっちの希望を伝えるにあたって、歌詞を全部英語にして渡さなくちゃいけなかったんです。そこから描きたいシーンをピックアップしてもらって、表紙とは別に中面でもイラストを描いてもらったんですよ。4人の姿も一緒に。
──ちょっと浮世離れした感じと言うか、日本ではあまり見られないユニークなタッチですよね。
小林:ディビヤは凄く悲しいとか凄く暗いとかに傾かないように敢えて顔を空虚にして描いてると言ってました。そういうアプローチはちゃこちゃんの歌詞の書き方と似てるなと思いましたね。
──ちなみに、『the shimmer』の中で「見渡す街 夕日浴びて光る/ここからの眺めを見せたかった」と唄われる小高い丘はどこかモデルがあるんでしょうか。
田渕:福岡の油山です。油山に福岡市内を一望できる片江展望台っていうのがあって、そこをイメージしてました。
──ひさ子さんも福岡在住時にその展望台へよく行っていたんですか。
田渕:誰でも1回か2回は行ったことがあるんじゃないですかね。車の免許を取ったりすると、「油山の展望台に行ってみようよ!」なんて友達同士で行ってみたりして。まぁ、ジャケットのイラストはもっと大都会になってますけどね。御苑から見た新宿みたいな(笑)。
──これだけ素晴らしいジャケットなら、LPでも欲しくなりますね。
小林:LPになったら、私、泣いちゃうと思う。
田渕:じゃあ、ジャケットだけ作ろうか?(笑)
──あと、4人各自のイラストでTシャツも欲しいですね。
小林:いわゆる推しメンTですか? 痛T?(笑)
江崎:そんなの作っちゃったら僕以外の3人に悪いからやめましょう(笑)。
──今年は3ヶ月間連続で自主企画を敢行したりライヴも活発なので、この勢いを是非キープして頂きたいですね。
江崎:僕はもっと練習したいなと思って。ライヴが決まらないと練習できないですからね。
田渕:僕ももっとスタジオに入って、出来た曲をすぐにでもみんなと合わせたいのにって思ってますよ。ネタが1個でも出来たら熱いうちに早く! って思うんだけど、なかなかスタジオに入れないもどかしさがいつもあるんです。
小林:活動ペースに関して言えば、私はむしろ頑張ってるほうだと思うな。みんな掛け持ちしてる中でtoddleをやってるから。swarm's armはそうでもないけど、ブッチャーズもmooolsもSiNEも今は凄くライヴをやってるし、その合間を縫ってtoddleがここまで細く長く続けていられること自体が凄いなって思う。とは言え、ワンマンもやりたいからやれる曲を増やさないとね。
──5月13日にはO-nestで4年振りのワンマンがありますけど。
田渕:その後のツアーも東名阪はワンマンなんですよ。今からどうしよう!? と思って(笑)。やっぱり練習しないとねぇ。
──新作の発売記念ライヴで更なる新曲を披露するなんてことができれば格好いいんですけどね。
江崎:せっかくのワンマンだから、それくらいのことをやってみたいんですけどね。
小林:絶対にムリ!(笑)
田渕:僕は作ってきてもいいよ?(笑)
江崎:作っちゃう? じゃあ新曲のみのワンマンやっちゃう? 40分のインストを2曲とか。
小林:それ、レコ発じゃないじゃん(笑)。
──いずれにせよ、次に皆さんのお話を聞けるのがオリンピック・タームにならないことを祈っております(笑)。
田渕:今度は何とか、3年半後くらいに(笑)。
小林:まだ30代のうちに作りたいよね。
田渕:そうだ、今度の目標は僕たちの平均年齢が30代のうちに作るってことにしよう(笑)。