何事もみんなで考えながら決める
──toddleは新人に対して厳しいバンドなんですね(笑)。
内野:いやいや、怒られることはないですよ。…あんまり(笑)。
江崎:せいぜい僕がバスドラを蹴り上げるくらいだよね(笑)。かく言うウッチーもいろいろ言うとすぐに怒るんですよ。
内野:全然怒らないよ!(笑)
江崎:だからウッチーが僕らに寄り添ってるんじゃなくて、僕らがウッチーに寄り添わせて頂いてると言ったほうが正しいです(笑)。
──江崎さんは内野さんが入ってベースが弾きやすくなったりしませんでしたか。
江崎:いや、全然(笑)。ウッチーは一見穏やかそうに見えて、実はドSのドラマーなんですよ。
内野:エッ、僕が!? そう?
江崎:そう!
小林:そうかも(笑)。
──ひさ子さんもそう感じますか?
田渕:うーん…でも、何か判る気はしますね(笑)。
江崎:だって、たまに絶対君主みたいになってるもん(笑)。
内野:全然そんなことないよ! 3人独特のノリがあるから、最初はやっぱり合わせるようにしていたんです。最近はあまりそんなことも考えないようになりましたけど。
江崎:そういうことなんじゃない? 僕らに合わせようとする感じもないし、“元々いましたよ”みたいな佇まいだからドSっぽさが出てるって言うか。
──mooolsに比べてtoddleで叩くのは難しいものなんですか。
内野:そんなこともないですよ。ただ、ファーストとセカンドの曲は自分にないフレーズなので最初はコピーから始めたんです。まるで高校生みたいに、初心に返るように。
江崎:でも、今はもうすっかり自分流に叩いてるでしょ?
内野:うん。まぁ、適当に。
江崎:適当に!?(笑)
内野:“適当”っていうのは、“適”度に“当”てるってことなんだよ。“こっちのフレーズのほうがいいかな?”とか自分なりに考えながら叩いてるから、決して手を抜いてるわけじゃないの(笑)。ただ、toddleで叩くようになってからドラムの音がデカくなった気はします。フレーズの影響もあるし、moools自体がちょっとロックっぽくなってレンジが上がったのかもしれない。
田渕:カロリーが増えたんだ(笑)。でも、そうやって何かしら元のバンドにもたらすものがなければ掛け持ちって許されないですよね。
──ひさ子さんもブッチャーズにフィードバックできている部分がありますか。
田渕:前よりは多少コーラスが上手になったと思うんですけど(笑)。
──そう言えば、『cast away』の男性コーラスは江崎さんですか。
田渕:あれはプロデューサーの声です。遂に唄っちゃったっていう(笑)。
──今回、作曲はほぼtoddle名義ですけど(『thorn』と『ghost』の作曲は小林愛・toddle名義)、江崎さんと内野さんからのアイディアはどれくらい活かされているんですか。
江崎:僕らも待ちっぱなしじゃなく、ちゃんと意見を言ってますよ。
田渕:曲の構成とかもそうだし、始まり方や終わり方をどうしよう? とか、2回目のサビが終わったらどうしよう? とか、そういう時にそれぞれが意見を言ってくれるんですよ。それが楽しみでもあるし、何事もみんなで考えながら決めてますね。自分が持っていった曲も“絶対にこうじゃなきゃダメ!”みたいにガチガチじゃなくて、みんなが出してくれたアイディアを参考にしたいんです。
──ちゃんと4人対等のバランスが保たれているんですね。
田渕:僕が一応リーダーではあるんですけど、上手く仕切れないんですよ。厚かましさを出さないし、“こういうこと言うと嫌われちゃうな”ってすぐに思うので余計なことは言わないんです。「それやめて」とか「それ格好悪い」とか言うのがまずイヤなんですよ。そんなことは自分で考えて欲しいって言うか。そもそも信頼の置ける人をメンバーに誘ってるつもりなんで、もう今さら何をやってくれてもOKです、っていう感じなんですよね。
江崎:みんな自由にやってますよ。僕なんて、「こんなの持ってきた」ってベースラインだけで投げちゃってますから(笑)。それじゃイメージしにくいはずなのに、このバンドだとちゃんとできちゃうんですよね。それで形になったのが今回で言えば『wagtails』って曲なんですけど。
小林:曲作りの上で誰かがごねるとか、みんなの意見が分かれることとかは不思議とないよね。時間が掛かるのは曲順やジャケットとかだし。