Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューニューロティカ

結成27周年にリリースされるニュー・アルバム『俺達が歩く道』
バンドの進む道を改めて見つめなおした作品

2011.05.02

 バンド活動27周年を迎えるニューロティカのニュー・アルバム『俺達が歩く道』がリリースされる。30年を迎えるにあたり、改めて自分達はどの道を進むのかを考えた結果、バンドの決意とも取れる作品が完成した。インタビュー中にアツシが「まだまだ成長期」と言っていたが、前作に続きパンクを根底に様々なサウンドに挑戦し、常に試行錯誤を繰り返しながらバンドが先に進もうとする様が窺える。バンド結成から27年が経ち、メンバー全員40代半ばに突入しているが、変わらずに全力疾走で走り続けるニューロティカ。今回は、ツアー後夜祭として仙台と福島のライブハウスでのライブも決定している。必ずや元気と勇気を届けてくれるはずだ。(interview:やまだともこ)

 まだまだ成長期

── ジャケを見ただけで、良いアルバムの匂いがプンプンと漂う作品ですね。
カタル:ナイスジャケですよね。
アツシ:誰だかわかります?
── …あっちゃん以外思い当たらないんですが。
カタル:撮影している時のあっちゃんの不思議な動きは面白かったですよ。遠くからあっちゃんを写したいねっていうのがあって、高円寺のリハスタの側で撮ったんです。
── マサヨさん(ロリータ18号)が書いた文字ともすごい合ってます。
カタル:マーちゃんの筆文字はいつか何かで使わせてもらいたいなって考えていて、今回は日本語のタイトルでちょうど良かったです。
── 前作の『別冊ニューロティカ』から比べると、今回はアルバム・タイトルを含めてバンドの決意を感じさせますね。
カタル:決意というか、今年で結成27年になるんだけど、25年を過ぎて30年までのちょうど真ん中なんですよね。そこで俺達何やろうって思った時に、あっちゃんが立ち止まって、進む道はどっちだって周りを見回したんでしょうね。そんな感じの言葉が多く出ているので、タイトルも自然に決まって、そういうイメージで僕はとってます。
── ここで一度立ち止まるというのは自分の中で必要な時間だったんですか?
カタル:先を見てどっちに行こうかなって。
アツシ:まだ迷ってるの(笑)。前作を出した時に大好きな先輩のバンドの人に「行く道は違うけど向かう場所は一緒だね」って言われたことがあって、その言葉がすごく嬉しかったんです。それが頭の中をグルグル回っていたかもしれない。だから、自分の歩んできた道というか、これからどこに行けばいいっていう行く道を書いたんだと思う。歌詞カードをナボちゃんがタイプライターで打ってたら…。
カタル:タイプライター?? パソコンでしょ?
アツシ:パソコンで打ってたら、「“道”とか“行く”とか多いね」って。言われて悩んだ部分もあるかもしれないけど。
カタル:辿り着こうとしているところは一緒なんだけど、行く道はいっぱいあるってことなんだよね。たぶん俺らが今歩いているところも分かれ道が何本もあるんだよ。
── 今でも迷う部分ってあるんですね。
アツシ:まだまだ成長期ってことです。
── ずっと成長している感じですね。今回聴いてみて、1曲が長くなってきたような気がするんです。それは1曲に詰めたいことが溢れてて、長くなってきているんじゃないかと思ったんですが。
カタル:歌の尺でそうなってるんです。演奏で引き延ばしたとかじゃなくて。今回全部メロディーが先で、アレンジとか歌詞とか後からなので。メロディーのイメージであっちゃんも歌詞書いたし、アレンジもそれぞれ1曲1曲まずメロディーからというところで。アレンジから作り込んで長くなったりとかはないです。
── いつもは歌詞からなんですか?
カタル:いつもはあっちゃんのキーワードから。ネタ帳からイメージした曲を作って、後から詞を付け足してみたいなやりとりがあったんですけど、今回ネタ帳が真っ白だったんです。
アツシ:はい…。
カタル:真っ白で、待ってたらアルバムが出ないので先にメロディーを。作曲者としては普通なんでしょうけど、珍しくお題がない状態で十何曲作ったので、僕も何作ったら良いんだろうというのはありましたけどね。
── メロディーがあると、詞を書く時にこういう曲にしようというのが固まるんですか?
アツシ:パッとはまる時もあるし、はまらない時もあるし。千差万別です。
カタル:先にメロディーがあると字数とかに制限ができちゃいますからね。

メッセンジャーと呼んで下さい

IMG_1068.jpg── 今回『酒と女と男とロフト』という、ありがたいことにロフトをモチーフにして頂いた曲がありますが。
カタル:あっちゃんが未だにロフトの初ステージのことを忘れられないみたいで、いつまでも言うんですよ。
アツシ:今までのRooftopのインタビューも、“学校じゃ教えてくれない”とか歌詞に書いたことと同じようなこと言ってる。
── よく聞きますね、あっちゃんの口から。
アツシ:だってホントなんだもん。
── ロフトのライブも2011年3月の時点で226回だそうですけど、今回初めてロフトを題材に歌詞を書いたんですか?
アツシ:そうですね。
── 初めて出演された時と最近出る時と気持ちって全然違うんですか?
アツシ:それは別にないですね。自分が中学時代から通って、移転してステージが変わっても一番好きな場所です。
カタル:唯一ロフトだけだよね、イベントでリハがなくて本番を迎えても何の不安もないっていうライブハウス。
アツシ:ステージの広さも完璧で、2人ぶつかったことがない(笑)。
カタル:歩幅がぴったり合って。
── 感覚が掴めているんですね。最近のロフトはどうなんですか? スタッフも昔に比べて変わっていますけど。
アツシ:どうでしょうね。自分では愛されてると思ってますけど(笑)、50近いおっさん4人が来て「あの人たちまた来たよー」って絶対に思っていると思う。20歳の時に50歳の人が来た日のこと思い出すとさ。未だにロフトでブイブイ言わせてるのうちぐらいだもんね。
── みんな好きだと思いますよ。そうしてバンド・スタイルを凝縮したような『だらしないままゴーイングマイウェイ』が1曲目にあるんですけど、今回のアルバムはかなりスペイシーな感じで始まるなと。これは何をイメージしているんですか?
カタル:あれは街を歩いていてドキドキする感じ。心臓の音がドキドキしてきて、街の喧騒が聞こえて、サイレンが聞こえて、何か起きるぞっていうイメージです。それを短く20秒ぐらいに。シンセサイザーが大好きなので、どこかに使いたくて、1曲目って使いやすいじゃないですか。ボコーダーまで使っちゃって。よくメンバーからクレームが来なかったなって思いますけどね(苦笑)。
── 歌詞には“魂 こがして”とあってARBを彷彿させますけど…。
アツシ:パクリじゃないんですよ。メッセンジャーと呼んで下さい。
── 若い世代に繋げるメッセンジャーとして…ですね。この曲にも、他の曲にもmilktubのバンブーさんがコーラスをされていて。
アツシ:好きみたい。次は公開で募集してもいいよね。コーラスしたい人来て! って。そしたら参加した人がみんなCD買ってくれるでしょ。
── さすが、八王子の商人ですね。あと、元メロン記念日のムラタメグミさんと大谷雅恵さんも2曲コーラスをされていますが、『東京ラブレター』では、まさか2人に“チョメチョメ”ってコーラスをさせるとは思ってもいませんでしたよ(笑)。
アツシ:ヲタモダチも喜ぶと思いますよ。
── この曲はムードがありながら、スカのリズムというのも面白いですね。
カタル:ゲルググとライブをやる時に一緒にやったら盛り上がるだろうという狙いでスカっぽい曲を作ったことはありますけど、今回すごく曲作りに困って、次の日のリハまでに新しい曲を持っていかなければいけないのに諦めて寝ちゃって、そしたら夢の中でこの曲のメロディーがずっと鳴っていたんです。歌いながら目覚めて、ギターをすぐに持って10分ぐらいで1曲出来た。その時に鳴っていたのがスカで、メンバーに聴かせたら「おもしろいじゃん」ってなって。
── 夢の中で曲が出来るなんて奇跡ですね。
カタル:奇跡ってあるなーって(笑)。本当に助かりましたよ。
── でも夢で鳴っていたのがなんでスカだったんでしょうね。ずっとスカを聴いていたんですか?
カタル:ミドルテンポでほんわかした曲が欲しいなっていう頭があったのかなという気もしてます。それで、スカだからAZU(ゲルググ)にスカイプでスタジオから音を聴かせてこんな感じで吹いてーって。送ってきたモノが良かったので、それを元にゆっくり吹いてもらったんです。AZUは環境が良いところに住んでいて、部屋でバンバン音が出せるみたいなので、すごい良い音で録音してもらって。
アツシ:けっこう良い家なんじゃないの? って思ってますけどね。金持ちの息子なんじゃないの?って(笑)。

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俺達が歩く道

NRRC-0004 / 2,500yen (tax in)
5.04 IN STORES

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LIVE INFOライブ情報

アルバム「俺達が歩く道」発売 &27周年記念ワンマン!
5/14(土)心斎橋クラブクアトロ
5/15(日)高松DIME
5/17(火)博多Drum SON
5/19(木)倉敷REDBOX
5/21(土)名古屋クラブアップセット
5/28(土)札幌コロニー
6/04(土)渋谷O-EAST

アルバム「俺達が歩く道」発売 &27周年記念ワンマン!〜後夜祭〜
6/11(土)福島アウトライン
6/12(日)仙台CLUB JUNK BOX

『死闘!極楽!骨骨ピエロのロックンロール ホラーショー!! 〜東名阪頂上作戦〜』
w)BALZAC
6/18(土)北堀江CLUB VIJON
6/19(日)上津前CLUB ZION
6/25(土)下北沢ReG

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