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INTERVIEW

トップインタビューthe cabs(Ba.&Vo 首藤義勝、Gt.&Vo 高橋國光、Drs.中村一太)× caroline rocks(Vo.&Gt. 渡辺僚啓、Gt. 砂川一黄)


the cabs 1st mini album「一番はじめの出来事」release tour“地図”&caroline rocks release tour “parallel world”開催記念座談会
旧知の仲である両者による音と音の真剣勝負

2011.05.02

 4月13日に『一番はじめの出来事』をリリースしたthe cabsと、4月20日『parallel.』をリリースしたcaroline rocks。caroline rocksは1st.『白い空気とカーディガンと頭痛』の経験を踏まえ、さらに一歩進んだところへとLOSTAGEの五味岳久氏をプロデューサーに迎えた。サウンドはエネルギーに溢れ、前作に比べると随分骨太になったという印象だ。the cabsは1st.ということもあって、勢いと衝動をそのまま詰め込んだかのようにサウンドはダイナミックで躍動感がある反面、木訥としたボーカルはバランスの妙を感じる。
 同郷ということもあり、10代の頃から交流を深め、刺激を受け合ってきた両者が同時期にリリースをし、5月13日の下北沢ERAを皮切りにWレコ発ツアーを行なう。今回は、両バンドに今作のこと、そしてレコ発ツアーについてお話を伺った。長い付き合いがあるだけにお互いを熟知し、和やかな対談となった。(interview:やまだともこ)

the cabsが放つ危うさ

the_cabs_A.jpg── caroline rocksとthe cabsは地元が一緒というところから仲を深めたそうですが。
渡辺:共通の知り合いからthe cabsっていうバンドがいる話は聞いていて、5年ぐらい前にライブハウスで初めて出会い、よく対バンしてました。
高橋:僕らが高校生で、caroline rocksは大学生。でも、最初はあまり絡まなかったですよね。僕が一方的にcaroline rocksを知っていただけで、しばらく繋がりはなかったです。
── 出会った当時から音楽的には「おっ!」と思うところがあったんですか?
中村:caroline rocksはありました。高校生の僕らからしたら。
── 当時高校生や大学生だったりで、5年も経つとお互い変わったなと思う部分ってありますか?
渡辺:お互い変わったと思います。音楽的にも。
砂川:でもthe cabsの泥臭いところは変わってないよね。初めて見た時に「なんでこんな若いのに、こんな泥臭いことやってるんだろう」って思って、当時は若さ溢れる感じもありましたけど、あの泥臭さは今でも変っていないですね。バンドは進化しながらも根底の部分は変わってないから改めて良いバンドだなって思います。
渡辺:あと、the cabsは曲がこんなに複雑ではなくて、もうちょっとポップでわかりやすい感じだったよね。
── 何があったんですか?
高橋::みんなの趣味が変わったんです。影響を受けやすいので、音楽を聴いてすぐにそれを出したくなる人たちだから。僕はそこまで変わってないですけど、一太の聴く音楽が変わって、ドラムが変わると全部変わるなっていうのはすごく思います。
砂川:ここ最近の一太の変わり様は目を見張るものがあるよね。
── 音楽的にはどちらのバンドも複雑なことをやってるイメージがありますが…。
砂川:うちはそんなに複雑なことはしてないですよ。複雑なコード展開やアレンジはやろうと思ってもできないタイプなんです。一度試した時期もありましたけど、向いてないなって思ったので(笑)、最近は出来るだけシンプルにメロディーの良さやサウンドのかっこよさを追究する傾向にあるというか…、そういうことを今の僕たちは大事にしてやってます。
── the cabsの皆さんが曲を作るにあたって気にしているところは?
高橋:僕が原形を作っていくんですけど、それを広げるのは一太と義勝の2人なので、結果的にどうなるかは2人によるところが大きくて僕はあまり考えてないです。
砂川:メロディーラインは?
首藤:國光くんが持ってくる元ネタの時点ですでに複雑なんですけど、それをわかりやすくしようとかシンプルにまとめようとかじゃなくて、ドラムも歌も足し算足し算で詰め込んで行って、その代わり歌はキャッチーになればちょうどいいかなぐらいの感じでやってます。
砂川:僕らももともとは足し算でやろうとして行き詰まってしまったんです。それで引き算をもう少ししていかなきゃだめだねって今のスタイルになったというか。
── 余計なものを入れなくなった?
砂川:難しい事ができるほど頭が良くないんです(苦笑)。
渡辺:the cabsはテクニカルなことを個々でやっていると思うんですけど、歌がキャッチーだから聴きやすい形になってると思うんですよね。そこが繰り返して聴ける要素のひとつというか。
── では『parallel.』と『一番はじめの出来事』をお互い聴いてどう感じましたか?
中村:昔の曲ってもうないですよね?
砂川:昔の曲はないね。今回は全部新曲。
中村:デューリュデュリュデュリューの曲とか。
高橋:…僕はわかるけど、文章で伝わるかな(笑)。
砂川:『一番はじめの出来事』はすごくヒリヒリしたものを感じて、こいつらずっとこれをやってて大丈夫かなって心配になりましたよ(笑)。そういう危うさが感じられました。
── 私はどちらのバンドもヒリヒリした部分を感じましたけど。
高橋:caroline rocksの1st.は自分達に対してヒリヒリしている感じだったのが、今回は外向けにヒリヒリしているのが出ていて、アルバム1枚を通して殴られているような感じでした。
砂川::1st.は“夢の中の世界”がテーマだったので、抽象的な表現や歌詞やサウンドだったんです。今回は“街”をコンセプトにしていて、前作よりも現実的で、明確にしていこうという作品だったので、そういうところは出せたのかなって思っています。

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