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シャムキャッツ

 3月9日に2年ぶりの全国流通作となるファースト・シングル『渚』をリリースした4人組ロック・バンド、シャムキャッツ。2010年は自主制作に戻り「DEMO SINGLE SERIES」なるCD-R作品を連続でリリースし、その全てがソールド・アウトを記録。勢いそのままに届けられた今作『渚』は、極上に甘いメロディーと、バンド特有のローファイ感が見事にケミストリーを起こした、究極のアンセム・ソングとなっている。その『渚』の誕生秘話や、小田島等氏によるジャケット、そしてシングルに込められた想いを語ってもらった。(interview:シャンコウ / live photo:くどうあずさ)

ちゃんと想像が付くところだけでも、素晴らしい事はたくさんある

DPP_1975.jpg── 2010年はファースト・アルバム『はしけ』をリリースしたレーベルを離れ、再び自主制作に戻って「DEMO SINGLE SERIES」と題したCD-R作品を3枚連続でリリースされてましたが、そのような活動を選択した経緯を教えて下さい。
夏目知幸(Vo, Gt):『はしけ』を出せたのは良かったんですけど、リリースするという事が目標だったのもあって、そればっかりに頭がいってしまっていて。リリースした後になって気付いた事なんですけど、自分達がどうしたいのか、どういうバンドなのかが掴めていない状態だったんです。
藤村頼正(Dr):音楽業界というものが全く分からなかった、というのもあります。
夏目:とは言え、インディーズなので業界っていうほど凝り固まったものではないですけど。それでも、音源を出したらツアーをして企画をやって…というようなリズムを知らなかったんです。だから、すごく迷ったんですよ。それで、仕切り直しではないですけど、自分達のペースを掴むためにも、デモ音源を出して行くという作業からもう一度やろうと。
藤村:そういう活動をして行く方が直接的な活動が出来るじゃないですか。地に足をつけて、色々な反応を直接感じながら音楽がしたかったというか…半径を最小単位から広げて行きたかったんですよ。いきなり、大きな半径をボンって置くんじゃなくて…うまく説明出来ないんですけど…。
夏目:いや、そうそう。全国流通となると、どうしてもドンって、さぁこの規模でやりますってなっちゃうから。一回、真ん中からちゃんと広げて行きたかったんですね。あと、『はしけ』の時はレコーディング・エンジニアの方はいましたけど、基本的なレコーディングの知識や、自分達の出音とかをあまりにも知らなかったというのがあったから、デモ音源を通して自分達で勉強した方が良いだろうと。僕達は音を通して自分達の気持ちを表現しているから訳だから、そこへのこだわりを強くしたいというか、音源を作るときの基礎体力がほしかったんです。だったら録りまくるしかないだろう、という感じで。
── では、その「DEMO SINGLE SERIES」を通して何かを得る事が出来た、という実感はありましたか?
夏目:うん、ありました。かなり。まずは、自分達がどこで音楽をやっているのか、というのがよく分かりましたね。
藤村:自分達の立ち位置という事?
夏目:いや、立ち位置というか、“立ち方”かな。どこにいても、どう自分達でいられるかっていう。「DEMO SINGLE SERIES」の最初の2枚は基本的にライブ会場限定だったので、何となくどういう人が買ってくれているのかも見えてくるんです。そういうところの支持が、自分達にとって大事だと思うので。いきなり遠いことを狙って考えてもしょうがないというか、よく分からないですし。ちゃんと想像が付くところだけでも、素晴らしい事はたくさんあるじゃないですか。それを自分達でちゃんと確かめる事が出来ました。
── なるほど。音楽的な部分で言うとどうでしたか?
夏目:「DEMO SINGLE SERIES」の1枚目と2枚目を出した後でも全然違った事が見えてきましたね。例えば、1枚目を出した後なんですけど、演奏がもっと上手くないと説得力に欠けるだろうと基礎練習をしっかりしたり、ちょっと突拍子の無い事をやった方が良いんじゃないかと思って、ライブでの演奏を割とグッチャリしてみたりとか。そういうのを経て、自分達がどう演奏したら良いのかが見えてきました。3枚目ではそれを音源として表現する事が出来たと思います。だから、去年は自分達にとってすごく良い流れが作れましたね。
藤村:そもそも、僕ら4人っていうのが、ちょっと普通じゃない人の集まりだと思っていて。上手くやる事が出来ない人達というか、世の中のバンドには上手く出来る人達って結構いるじゃないですか。
── “上手く”というのは?
藤村:単純にテクニックとかが上手い、という事です。僕らは、そうではないので。それがダメな所もありつつ、一番の魅力だとも思っていて。バンドは人間がやっているものなんで、そこを出していけたらなって思っています。だから、上手くやっている人達より、僕らは説得力を付ける事に時間が必要なんですよ。そういう意味でも、去年のような活動が必要だったなって感じています。
夏目:自分達だけのグルーヴを探していたんですよ。自主制作に戻ってから、色々なバンドに触れ合う事が多くなって。それこそ、年上のバンドが多かったんですけど。上手さとか下手さとか関係ない部分で成り立っている音楽にたくさん出会ったんです。どうしたらそういう音楽が出来るんだろうと考えて、自分達のグルーヴを探すというのが無意識にバンド全体のテーマになりましたね。音源を録りまくって、ライブして、っていう作業を繰り返しながら。で、去年の8月か9月くらいかな。何となく、自分達のグルーヴはこんな感じだなっていうのが理解出来たんですよ。
── メンバー4人が理解出来たというような瞬間があったんですか?
夏目:いや、そういう話はあまりしないんで無いんですけど。徐々に固まっていったという感じです。ただ、グルーヴに関しての話はよくしてましたね。音楽を聴く時にも意識的にグルーヴを聴くようになりましたし。今はそういうところで泣けちゃいます。ロック・バンドの良い所ってそこだと思うんですよ。ストーンズにしろ、ザ・ラーズにしろ、グチャグチャなんだけど、人が集まった時の力って凄いじゃないですか。それをグルーヴって呼ぶんじゃないかなと思っていて。
藤村:うん。自分達のそれを追求したい。
夏目:あと、今回リリースした『渚』をレコーディングをしたのもその頃で、プロデュースしてくれた古里さん(uminecosounds)が「下手でも良い。4人でパッと録って、そこから4人の顔がちゃんと見える音源の方が良いんだ」って言ってくれて。その影響もかなりありますね。

シャムキャッツ 1stシングル

NFBS-001 / 500yen(tax in)
IN STORES NOW
※1,000枚限定生産

Live info.

2011.4.24(日)青山 月見ル君想フ
「渚」リリース記念スリーマンショウ “ゲットダウン青山”

開場18:30 / 開演19:00
前売2,000円 / 当日2,300円(1ドリンク別)  
出演:シャムキャッツ / 昆虫キッズ / the mornings
VJ:小田島等
DJ:柳緑花紅

2011.4.02(土)札幌Sound Lab mole
2011.4.03(日)札幌spiritual lounge
2011.4.9(土)下北沢440
2011.4.17(日)つくばPARKDINER
2011.5.14(土)桜台 pool
2011.6.26(日)“Simokitazawa Indie Fanclub 2011”