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INTERVIEW

トップインタビューLOFT & master+mind presents『Triple Colors Night』開催記念特別対談 ガラ(MERRY)×高野 哲(nil / THE JUNEJULYAUGUST)

絶えず何かを発信し続け、境界線を軽やかに突破する姿勢

2011.03.18

ライヴハウスも胡座をかいていられない

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──せっかくこんな機会を得たのですから、スプリットCDの制作なんかも期待したいところですけど。

ガラ:いいですね。僕らは今までそういう試みをやったことがなかったので。異ジャンルのバンドが組めば組むほど聴かれる層も広がっていくだろうし、是非やってみたいですね。

高野:スプリットに関して最近思うのは、CDショップとレコード会社を度外視して、土着的に手売りをする物販的なものなのかなと。CDが売れない一途を辿る昨今、その在り方が実は一番真っ当な気がするんだよね。

ガラ:確かに。それが極々自然な形ですよね。

高野:でしょ? 中間搾取って言うと語弊があるかもしれないけど、一度それを取っ払って、バンドから直接お客さんに売るというある種の原点回帰をするべき時なんじゃないかな。やっぱりね、パッケージを含めたレコードが一番なんだよ。ダウンロードしても所有欲が満たされないし、味も素っ気もまるでない。目と耳と感触で味わえるものじゃないと何も面白くないし、それを生で体感できるライヴがなければ意味がない。その意味で言えば、俺たちに限らずライヴハウスも胡座をかいていられないと思うよ。

──まさに仰る通りです。

ガラ:昔と比べて、どのライヴハウスもスケジュールが毎日埋まっている状況じゃないですよね。試行錯誤しながらいろんなイヴェントを企画して埋めなくちゃいけないですし。

高野:ロフトだって平日のスケジュールが空いてることがたまにあるし、昔は昼の部まで全部埋まっていたでしょ?

ガラ:その前に、昔のロフトはオーディションに受からなければ出られませんでしたからね。

高野:今や殿様商売なんてどこにもないよね。危機が迫っているのであれば、それを面白おかしく乗り越えていったほうがいい。今はそんな時代なのかなと思うね。MERRYと俺たちに共通しているのは、絶えず自分たちから何かを発信していく姿勢なんだよ。境界線を軽やかに突破するスタンスって言うかさ。

ガラ:僕らからすれば、先輩である哲さんの懐が広いからこそこうしてライヴでご一緒できていると思うんですよ。いくらロフトでやるイヴェントと言っても、オファーしても端から毛嫌いされるケースもありますからね。もちろんまだまだ頑張るつもりですけど。

高野:そうやって後輩キャラで語ってくれてるけど、MERRYのフォロワーはいっぱいいると思うし、MERRYの背中が境界線を飛び越えることの大切さをちゃんと伝えているんだろうね。日本の音楽は細分化されすぎているし、そこをもっとクロスオーヴァーしたほうが俄然面白くなるっていうことをこれからも伝え続けて欲しいな。MERRYやそのフォロワーが今のシーンをもっとグチャグチャに掻き混ぜて面白くさせた頃に俺たちも乗っかるよ(笑)。それまでバンドを続けることにしようかな(笑)。

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