Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー在日ファンク

生きるも死ぬも、この日次第
11月21日、ZAZEN BOYSとの直接対決!!

2010.11.12

 今年1月のデビュー・アルバム発売以降、《SAKEROCKの浜野謙太が云々》という説明も、もはや不要となるまでに、その名を全国に轟かせている「在日ファンク」。ジェームス・ブラウン直系の精神を宿した7人の猛者が、ディープなファンクを鳴らし、叫び、踊りまくりのパフォーマンスで、今夏は各地の音楽ファンを圧倒。
 そんな、絶好調の彼らの次なる一手は、なんと"3連発コラボ・シングル"! そのお相手は、兼ねてから公私ともに親交の深い、サイトウ"JxJx"ジュン(YOUR SONG IS GOO)、サイプレス上野(サイプレス上野とロベルト吉野)、そしてTHE BAWDIESのROYを迎えた強烈な顔ぶれ。
 11月21日は新宿LOFTにてZAZEN BOYSとの共演も控え、メラメラと闘志を燃やす中、リーダー兼ボーカルの浜野謙太、ベースの村上啓太、トロンボーンの久保田森の3人に話を伺った。(interview:山口 広太郎/新宿LOFT)

最終的に下劣な7人が揃って、まとまりました

── まずは、在日ファンクRooftop初登場となりますので、バンド結成の経緯を教えてもらえますか?

浜野謙太(Vo&リーダー):僕と啓太(Ba)が高校の時にクラスメートで。その時に、ブルース・ブラザーズを教えてもらって、すごい音楽があるなって事になって…。

村上啓太(Ba):そんなに昔まで遡るの(笑)?

浜野:いや、大丈夫。簡略化させるから。それで、高一から高二ぐらいの時にブルース・ブラザーズに導かれて、なんとなく「ああいう事をやりたいね」ってなって。それから、JB(ジェームス・ブラウン)とかボブ・マーリーのカバーをやりながら、お遊び程度にちょくちょくやってて、2007年に本格的に活動を始めたんです。

村上:えっ、急にそこまで飛ぶの?

久保田森(Tb):うん。10年以上飛んだね(笑)。

浜野:はしょっていかなきゃ! 「ちょこちょこやってた」って言ったじゃん!

久保田:いやいや、10年ははしょり過ぎだよ〜(笑)。

── 久保田さんはいつ加入されたんですか?

久保田:僕はハマケンと同じ大学の一つ先輩だったんですけど、はしょられた10年の中で、吉祥寺のスターパインズカフェで一回だけ一緒にやった事があって。

浜野:ま、ジャズ研の変な先輩です。

久保田:たしか、この日はバンド名が “スーパー在日ファンク”じゃなかった(笑)? ホーン隊を入れた特別編成だったからだっけ?

浜野:いや、その時は在日ファンクって名前だけじゃパンチが無いなって思って、“スーパー”を付けただけ(笑)。

──2007年に何か本格的に活動するきっかけがあったんですか?

浜野:大阪でカクバリズム主催のハマケンバースデイイベントっていうのがあって。そこに在日ファンクで出たら、すっごいウケたんですよ。で、これやっていけるんじゃね?! ってやり始めたら、結構困難にぶち当たり。当時ドラムをやってた(伊藤)大地くんが抜けてメンバーチェンジがあり、今の編成になって、挫折を繰り返しながら…化けた! みたいな(笑)。

村上:俺は、2007年がきっかけというよりは、そのちょっと前だと思っています。2006年の暮れにJBが亡くなったんですけど、その時にハマケンから電話があって「神が死んだ」とか言ってて…。最初は何を言ってるんだと思ったんだけど、後でJBが死んだと知って衝撃を受けて。それで、俺たちがやるしかない、って話になったんですよ。

久保田:あ、結構アツいんだね(笑)。

村上:その後に下北沢でライブがあって、追悼の意味でこのバンドがちゃんと始まったと俺は勝手に思ってるんですよ。曲は全部JBのカバーで。そして、ハマケンのバースデイイベントがあって、オリジナルもやり始め、色々あって…化けた(笑)。

浜野:ほら、化けた。

── (笑)最終的に化けて、今年はアルバムのリリースで始まり、ワンマンライブや、今回の3連発コラボ・シングルと怒濤のスケジュールを展開されています。一気にギアが入った感じですよね?

浜野:実は、1stアルバム(『在日ファンク』/2010年1月6日リリース)を出すまでは特に何にも考えていなくて。リリースしてから、全て始まった感じなんですよね。ちゃんとやらなきゃいけないな、って(笑)。

久保田:というか、出すまではバンドがどういう状況にいるのか分からなかったからね。

──周りの反響を受けて、という事ですか?

浜野:そうですね。それまでは、自分たちはこれぐらいだろう、って勝手に決めつけていたところがあって…。運良くスチャダラパーのBOSEさんがライブを見てくれたことがあって「これ面白から、絶対にCDを出した方が良い!」って言ってくれたんですよ。で、面白いのかなって思いつつ、レコーディングをしてみたんですね。そうしたら、歌詞を固めなきゃいけないし、ちゃんと聴こえるように意識するじゃないですか。各パートの音とか、アレンジとかもしっかり考えて。そうしたら、思った以上に評判が良くて、共感もしてもらえて。そんな時に、今のマネージャーに会ったというのも大きいですね。マネージャーというよりは、もう一人のメンバーが加入したって感じですけど。何か方向性が見えた気がして。色んな固定観念というか諦めてたことが、全部そのままでも売りものになるんだって。メンバーには会社員だったり、家業が忙しい人もいるから、遠征も激しい活動をするのも無理だろうと思っていたんですけど、マネージャーも付いて、こういうやり方でも十分出来るんだって思ったし。アルバムを出してからハマり始めたというか…商品化、っていう自覚を持ち出しましたね。ステージが一段上がった感じというか。

久保田:だってさ、始めた頃って、ハマケンが何か面白いバンドをやるんだろうなぁ。僕らはそれに乗っかって、みんながワーワーやってくれてたら良いな、ぐらいで考えていて。

村上:最初はハマケンの人気でお客さんが来るのかなって思ってたんで、バックバンド的な意識だったんです。でも、CDを出したくらいから、在日ファンクというバンドとして見に来てもらえてるんだなって。

浜野:僕は普通に友達を集めたというよりは…もちろん友達ではあるんですけど、それぞれが自分のバンドで活躍してて、実力がある人を集めたつもりなんで。メンバーチェンジとかありましたけど、最終的に下劣な7人が揃って、まとまりました(笑)。

久保田:たしかに! そうだね(笑)。

村上:バンドの性格がハッキリしてきた感じはあるね。一緒にいる時間も多くなって、バンド内の人間関係とか、外からの視線とかが、だんだん分かるようになってきて。まだまだ変わるとは思いますけど、今は結構良い状態にあるかなって気がしますね。

── 今夏は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」という、今までとは違った大舞台も経験されましたが、いかがでしたか? あえて別のフィールドに飛び込む、と言いますか。

浜野:なんか、開き直ったところがあるんですよね。下劣な7人が集まったからといって、下劣な露出ばかりしてたら終わるなって思っていて。なんていうのかな…自分達の固定観念に当てはまる事ばかりをするんじゃなくて、ここに出てたら面白いな、っていう事をしないとダメだなって。似たようなバンドの中ばかりで共演するんじゃなくて…ま、それだと何も起こらないかなと(笑)。でも、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」とかに出ると、在日ファンクみたいなバンドっていないじゃないですか。だから、そういうズルいというか、自分らのイメージとかけ離れた事、予想出来ない事をした方が良いんじゃないかと思っていて。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出た事で、BOSEさんに褒められたんですよ。「そういう事だよ! 在日ファンクはこういう事をやってかなきゃ」って(笑)。

村上:もっとポップな活動というかね。

浜野:だって、同じような場所にいても広がらないじゃないですか。でも、接点が少しでもあれば、これまでとは違う場所に広がれるというか…そっちの領土もちょうだい、みたいな(笑)。そういう感じですかね。だから、今回のシングル3連発とかも、インディーズのバンドが何やってんだって感じではありますけど、楽しいから良いじゃんかと。

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3連発コラボ・シングル第1弾
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IN STORES NOW

1. あいつによろしく(在日ファンクとサイトウ“JxJx”ジュン)
2. スペシャボーイズ・ザ・ワールドのテーマ(在日ファンクとサイトウ“JxJx”ジュン)
3. 環八ファンク(在日ファンク)

在日ファンクとサイプレス上野『ベイ・ドリーム~フロム課外授業~

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1. BAY DREAM〜FROM課外授業〜(在日ファンクとサイプレス上野)
2. 担当者不在(在日ファンクとサイプレス上野)
3. 知らなかった(在日ファンク)

LIVE INFOライブ情報

Rock on the Rock presents「歌舞伎町のど真ん中!#1」
2010.11.21(sun)新宿LOFT 

w)ZAZEN BOYS, Far France(BAR STAGE)

「MUSIC LTD.」
2010.12.13(mon)SHIBUYA-AX(WOWOW公開収録・入場無料)


『新春祈願ワンマンツアー'11』
2011.1.15(sat)梅田 シャングリラ
2011.1.16(sun)今池 TOKUZO
2011.1.23(sun)渋谷 O-NEST
 

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