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【ライブレポート】LAMP IN TERREN、赤坂BLITZツアーファイナルで魅せた新たな旅路への覚悟

2016.11.22

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11月19日、LAMP IN TERRENは東京・赤坂BLITZにてバンド誕生11年目の始まりとして口火を切った、11月に11公演の「TOUR "11" L.A.P」のツアーファイナルワンマンライヴを開催した。
 
10月にワンマンツアー「GREEN CARAVAN TOUR」を終え、初の対バンツアーを11月から行ってきた彼ら。「今日しかない、絶対に忘れない一日にしよう!」という松本大(Vo&Gt)の言葉と共にスタートしたワンマンライヴは、彼らが歩んできた道程を更新し、新章の幕開けを告げるものとなった。
 
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まず今回のセットリストは、松本が「初めての人もみんなと変わらない気持ちで楽しめるはずです」と語るほど未発表音源が多数盛り込まれ、そのどれもが彼らの新たな音楽的側面を示していた。特にこのツアーに入って初めて披露した「at (liberty)」は、スタジアムロックの潮流を汲みつつ、冷たい鍵盤の旋律と松本の圧倒的な言葉と歌の力が映える、邦楽ロックの新たな一面を垣間見る出来栄えと言える。また、デビュー当時の楽曲にも新たなアレンジが随所に加わり、「雨中のきらめき」ではアンビエントな空間系のサウンドやリズムパターンが冒頭箇所に追加され、より楽曲に込められた情景の彩度が増していた。
 
彼らの音楽的な表現力がグッと羽を広げた要因は、松本というソングライターの進化によるものだけではなく、彼らのフィジカルな部分が向上していることも大きい。川口大喜(Dr)のドラムはタイトな均整さを増し、中原健仁(Ba)のベースは音源により近い音粒の厚みを得た。そして大屋真太郎(Gt)に至っては、ギターフレーズの表現力やステージング共に、最早ちょうど1年前の再加入時とは別人に近い。12日間で10本のライヴを敢行した今回の対バンツアーも、彼らの地力を養うのに寄与したことは間違いだろう。空間を支配するほどのサウンドスケープを彼らは身に着けつつある。
 
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しかしこの夜の彼らを語るには、過去から未来までがクロスオーヴァーするようなサウンドメイクを披露したことだけでは足りない。彼らが、新たな旅路への覚悟を“原点”で示し切ったラストシーンこそが、最もエポックメイキングだったと言える。
 
「――これからはもっと皆さんと繋がっていられる日々を創っていきたい。それが、皆さんにとって大事だって素直に思えるような……そういうバンドになります。だから、“今日”、またこの世界に新しく生まれたような気持ちで、僕らの始まりの曲を鳴らさせてください」
 
このように松本は本編ラストの曲前に語った。ソールドアウトが叶わなかった事実、このワンマンライヴに至るまでの日々で改めて芽生えた決意――すべての想いを抱えて、LAMP IN TERRENにとっての初めてのオリジナル楽曲「L-R」を、彼らは音源とほぼ変わらないアレンジで鳴らした。この楽曲に綴られた<この唄が君に届いた時 精一杯の声が届いた時 その全ては必然じゃないんだ>というリリックに、オーディエンスが胸を打たれたのと同時に、彼ら自身も再スタートの決意を確固たるものにしたに違いない。リスナーへの素直な愛情を詰め込んだラヴソングを会場限定盤としてリリースしたことにも表れているように、本当の意味でリスナーと共に歩む旅路はまだまだ始まったばかりだ。
 
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来年3月には、またこの赤坂BLITZに「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」で帰ってくることが決まっているLAMP IN TERREN。全ての道程を噛みしめ、彼らが新たに抱いた決意が来年どのような結実をみせるのか。是非注目して欲しい。(黒澤圭介)
 
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