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【ライブレポート】9.25 O-EAST「SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY MUSIC FES DREAM MATCH 2016」

2016.10.07

2016年9月25日に開催しました「SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY MUSIC FES.DREAM MATCH 2016」にご来場頂き、誠にありがとうございました。人生の約半分在籍している新宿ロフトの40周年と自分の今までの集大成をまとめた本公演を終えてから約2週間近くが経ち、やっと振り返る事が出来るようになりました。
 どれも全部新宿ロフトで出会った大切な音楽です。皆さんにとっても大切な1日であり、音楽になってくれたら嬉しいです。そして私はあの日の光景を胸に、次に向って進んでいきたいと思います。 (新宿ロフト 樋口寛子)
 
 
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藍坊主

MAIN STAGE 14:00〜出演
一番手は藍坊主。のっけから会場中に生命力を漲らせた彼ら。まずは「伝言」を通し、勢いと力強さ、そして田中のエモーショナルなギターに乗せ、ボーカルhozzyによる、♪だから誓ってやるんだ。愛を誓ってやるんだ♪のフレーズで、会場とのアライアンスを強固なものへとしていく。続いての「バタフライ」では、サビのストレートな開放感に会場中が呼応。一体感が場内に呼び込まれていく。
ドラマー渡辺によるカントリー調のドラミングに乗せられた「魔法以上が宿ってゆく」に入ると、会場中が魔法にかかっていく。至福感溢れる4声の大らかなコーラスが楽曲にふくよかさを与えていった。
幅広いジャンルながら歌がキチンと中心にあるアーティストが集った本日の出演者について、ベースの藤森が言及。「是非かけがえのない出会いをしてもらいたい」と続け、9月14日発売のニューアルバム『Luna』から「ボトルシップ」が、”空を抜けてこの想いよ君へ届け!!”と言わんばかりに放たれた。
後半の2曲は、各々ライヴを再び走り出させた。中でも彼らの地元小田原を歌った、ラストの「ホタル」では、走り抜けるような同曲に乗せ、会場の多くに自身の出自の地を思い浮かばせ、そこから今でも消えない想いを思い返させていたように映った。(text:LUCK'A Inc.池田 / photo:内藤まみ)
 
<セットリスト>
1.伝言
2.バタフライ
3.魔法以上が宿ってゆく
4.ボトルシップ
5.ハローグッバイ
6.ホタル
 
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つじあやの

SUB STAGE 14:35 〜出演
2番手は、18年前のインディーズの頃から新宿ロフトのステージに立ってきた、つじあやのが登場。
ウクレレの弾き語りと和やかなおしゃべりにて、幸せな時間を会場いっぱいに広げていった彼女。「熱いバンドの次に私というのが、なんともロフトの幅っぽい(笑)」と、本日の幅広いラインナップを指し、1曲目の初期からの代表曲「クローバー」に入る。2曲目は、荒井由実の「ルージュの伝言」。会場の手拍子に合わせ、ハーモニーやコーラス部も一人で担い歌う。元々同曲が持っている牧歌的な雰囲気に会場中が包まれていく。
カバー2曲目は、ロフト出身の代表的バンド、スピッツの「猫になりたい」。彼女独特の歌声とタイム感が交わり、ささやかな幸せを味あわせてもらった。続いても、ねこ絡み。ジブリ映画「猫の恩返し」の主題歌でもあった「風になる」が披露される。坂道を自転車で駆け下りているかのような爽涼感が会場全体に広がっていく。
ライヴハウスから飛出し、河原等でみんなで囲んで和やかに聴いている、そんな雰囲気も印象的だった彼女のステージ。ラストは、みんなの追いかけるハミングで楽曲を完成させていった、ザ・スパイダースの「なんとなくなんとなく」を歌い、幸せな時間を更に広げていった。(text:LUCK'A Inc. 池田 / photo:酒井麻衣)
 
<セットリスト>
1.クローバー
2.ルージュの伝言(荒井由実)
3.猫になりたい (スピッツ)
4.風になる
5.なんとなくなんとなく(ザ・スパイダース)
 
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Brian the Sun

15:10〜MAIN STAGE出演
柔らかなSEと淡い光に包まれ【Brian the Sun】が現れた。
Vo.森良太の挙げた右手に導かれ、強く芯のある歌声が会場を満たし、一気に畳み掛けるように”アレカラ”、”彼女はゼロフィリア”の音の粒が飛び交う。
一変して”同じ夢”では優しげな眼差しがでひと味違う今日の彼らを感じさせる。
「2.3年前からこの『DREAM MATCH』をやる事は知ってたんですけど、自分らのライブ次第で出演できんかったらどうしようって不安でしかなかったです。」
と今イベント最若手ならではの今日を迎える喜びを現す一面もあった。
一定のゆったりとしたリズムに甘くほろ苦い言葉が染み渡る最新シングル”Maybe”、勇ましく力強い”HEROS”が辺り一面を駆け抜けていった。
「俺は時代に向けてライブをしてるのではなくて、あなたらにライブしてるんです」
隅々まで見渡し、叫ぶようにラスト”ロックンロールポップギャング”は実に感情的で、音楽のあるべき形を見た気がした。
新宿LOFT40周年のバックドロップを背に掲げる【Brian the Sun】表情は実に晴れ晴れしかった。(text:新宿ロフト 横溝 / photo:内藤まみ)
 
<セットリスト>
1:アレカラ
2:彼女はゼロフィリア
3:同じ夢
MC
4:Maybe
5:HEROES
MC
6:ロックンロールポップギャング
 
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ヒグチアイ

SUB STAGE 15:50〜出演
一色のほのかな光が照らすステージに現れたのは女性シンガーソングライター【ヒグチアイ】。
ゆっくりと呼吸を整え、力強くピアノの音が鳴り始めた”まっすぐ”。
小さな彼女が放つ雄大な歌声と彩り豊かなメロディが満たす空間は、まるで時が止まったかのように人々を取り込む。そして余白すら聴く人を離さない。
続いた”シンプル”は遊び心とワクワクを詰めこんだおもちゃ箱のようで、会場からは自然とリズムに合わせて拍手が起き、心地の良い時間に包まれた。
「主催の樋口さんとは同性なので、先ほどから私が褒められているようで・・・」と冗談まじりの愛らしい笑顔も、会場を和ませる。
これまでの彼女の道のりを照らしてきた光のように感じさせた”ココロジェリーフィッシュ”、
ラスト一曲はこの日のためにと11月23日にメジャーデビュー作品『百六十度』から新曲が飾り、
たくさんの感謝とこれからの願いを込めるように歌い遂げていた。(text:新宿ロフト 横溝 / photo:酒井麻衣)
 
<セットリスト>
1:まっすぐ
2:シンプル
MC
3:ココロジェリーフィッシュ
MC
4: 備忘録(新曲)
 
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SAKANAMON

MAIN STAGE 16:25〜出演
待ちわびた客席からサウンドチェックとは思えない本番顔負けの高揚感。
さあいよいよ【SAKANAMON】の登場だ。
両手を高くあげてステージへ駆け抜けてきた3人が”カタハマリズム”、”幼気な少女”とド頭からアップチューンで立て続けに会場を揺らす。
「樋口さーーん!」とVo.藤森元生が思わずお立ち台に飛び乗ってしまう程に胸弾ませる”ミュージックプランクトン”、
「昔よくやっていた曲」と”SAKANAMON THE WORLD”が音楽のタイムマシンとなって緩やかに時間をなぞっていく。
いつの間にか勝手に身体が揺れ動くようになったらそれは【SAKANAMON】の世界の虜。
「お客さん7人の時から出演させてもらっていて、新宿LOFTは先生のようなライブハウスです」
と昔話にも花が咲く同窓会のような温かい雰囲気が会場を包む。
星空のように”アイデアル”音の粒が辺り一面充満し、サカなもんも”UTAGE”のリズムに合わせて楽しげに踊る。
ラスト”シグナルマン”は新宿LOFTを想像させる5年分の想いを詰め込んだ心に焼き付けるステージだった。(text:新宿ロフト 横溝 / photo:鎌倉真希)
 
<セットリスト>
1:カタハマリズム
2:幼気な少女
3:ミュージックプランクトン
4:SAKANAMON THE WORLD
MC
5:アイデアル
6:UTAGE
7:シグナルマン
 
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メレンゲ

MAIN STAGE 17:30〜出演
次はメレンゲ、Vo.Gクボはアコースティックギターで登場!1曲目は『クラシック』、キンモクセイが~という歌いだしからこの初秋のイベントに相応しい曲!歌詞を「EASTへと」と変えて歌っていて、今日の特別感に嬉しくなった。クボ「長い付き合いなので思い出がいっぱいあります」と話し、Ba.タケシタは「でもロフトでやらないっていうね(笑)」と笑顔。次は鍵盤とクボの歌から始まる『8月、落雷のストーリー』、お客さんも曲の可愛いリズムに揺られていて楽しそう。『魔法』では暖かな歌の世界をオレンジ系のライトがステージを包んでいた。ほっこりした後は少し緊張感ある『楽園』へ。ハンドマイクで歌うクボ、マイクは左手だ(ちなみクボは左利き寄りの両利き)。6曲目は『タイムマシーンについて』。優しい歌なのに微かなひっかき傷を残すような歌詞が深く染み込む。ミラーボールも回ってキラキラと綺麗だった。最後は彼らがインディーズ時代にLOFTの歌物レーベルSONG-CRUXからリリースした『少女プラジーボ』に収録されている『ユキノミチ』。アコギでこの曲が演奏されるのはとても珍しい事。力強い歌声と歌詞の切なさが加速していく。情熱的で素晴らしいステージだった。(text:TOTE 朝倉 / photo:鎌倉真希)
 
<セットリスト>
クラシック
8月、落雷のストーリー
魔法
楽園
タイムマシーンについて
ユキノミチ
 
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堕落モーションFOLK2

SUN STAGE 18:05〜出演
この日、最も叙情的だったのは、安部コウセイと伊東真一によるデュオ、堕落モーションFOLK2だろう。共に黒の上下で表れた2人。まずはノンマイクにて挨拶と自己紹介を始める。
地方出身者の都市生活の日常を素朴に歌として綴った楽曲が特性的な彼ら。2本のギターによる奥行きのあるアンサンブルと抒情性溢れるその歌たちで、聴く者に各々の望郷を思い返させた。
みなに東京の夜の空を思い浮かべさせ、同時に故郷の夜の空も思い返させた「東京節」。抒情の中の哀愁を歌にしたかのような「不潔なメロディー」と、自身の歌を2連発する。
「暗いフォークなんです、僕ら」と、自虐を交え自身の音楽性を伝える安部。加え、自分たちは普段はHINTOという自称「明る目のロックバンド」をやっている旨、そして、そのHINTO以前に、安部、伊東がやっていたバンド、スパルタローカルズのことを伝え、同バンドの「FLy」のセルフカバーに入る。
ロフトでの想い出の一つとして、フジファブリックとの出会いを挙げた彼ら。ラストは、そのフジファブリックの「若者のすべて」を。これまで座っていた安部も立ち、ハンドマイクにて歌う。かなり感情を込めて歌われた同曲。そこに志村(故人・フジファブリック・元ボーカル&ギター)も一緒に歌っている姿がダブって見えた。(text:LUCK'A Inc. 池田 / photo:鎌倉真希)
 
<セットリスト>
1.東京節
2.不潔なメロディー
3.FLy(スパルタローカルズ)
4.若者のすべて(フジファブリック)
 
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スキマスイッチ

MAIN STAGE 18:40〜出演
意外かもしれないが、新宿ロフトとスキマスイッチとの関係は深い。結成当初より、幾つものエポックなライヴをロフトで行ってきた彼ら。その辺りへの感謝は、この日の「おめでとう!!」の挨拶やMCの端々にも表れてはいたが、この日の選曲や、短い出演時間ながらも自身の魅力を端的に詰め込んだ、そのセットリストからも大いに感受できた。
まずは大橋卓弥がフェイクで会場を煽り、そのまま1曲目の「ガラナ」に入ると、ライヴが一気に加速していく。「この曲は2002年頃、まだロフトでやっていた頃にやっていた曲」(大橋)と、「view」を紹介し、入る。艶めかしさやセクシーさ、ウネるグルーヴが特徴的な同曲。各人のソロ回しも交え、会場中が高揚していく。
後半は盛り上がりの2曲、「Ah, Yeah!!」と「全力少年」が会場を再び走り出させた。会場中にタオル旋回の花を咲かせた「Ah, Yeah!!」、「ライヴハウスは、やっぱりいいね」とは常田。会場を温めるフェイクによるコール&レスポンスのあと入った「全力少年」では、♪セカイを開くのはロフトだ♪と、特別に歌詞を変えて歌い、サビは会場交えての大合唱。サポートギターの外園の弾き倒したギターソロやラストの大橋の「ロフトおめでとう!!」のシャウト共々、幾つものハイライトを作り出していった。(text:LUCK'A Inc.池田 / photo:内藤まみ)
 
<セットリスト>
1.ガラナ
2.view
3.ハナツ
4.Ah, Yeah!!
5.全力少年
 
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成山剛(sleepy.ab)

SUB STAGE19:20〜出演
SUBステージのトリに登場したのは成山剛(sleepy.ab)、「札幌から来ました、成山です。まさかスキマスイッチの次とは(笑)」と笑顔で言いつつ、1曲目は『メロディ』。繊細で透明感のある彼の歌声とアコースティックギターが静寂を彩っていく。続けて『エピトリカ』を演奏、伏し目がちに歌う姿は成山のクールな一面を見せていた。2曲終わるとはにかみながら「ありがとう~」と一言。MCではLOFTの特設ページのインタビューのエピソードや「大体いつもこんな感じでゆったりやっています」等と話し、場内は和やかな雰囲気に。3曲目は暖かな『街路樹』、歌詞をひとつひとつ大事に紡ぐように、微笑むように歌っている姿が印象的だった。次は英語詞の『high low』、マイナスイオンが出てるのでは、と思うほどに心地よい歌とつま弾かれるギターの音がまったりと場内を包んでいく。2,3,4と今年の春にリリースされた成山のソロアルバムからのナンバーだった。「最後に、皆さんを眠らせます(笑)」とsleepy.abの『ねむろ』へ。時おりフロアを見渡す成山の静かな目線が、歌詞の切なさと温かさと相まって独特な温度で降り注いでくる。心も身体もほぐれるような、ゆったりと気持ちの良い、とても美しい時間だった。(text:TOTE 朝倉 / photo:内藤まみ)
 
<セットリスト>
1.メロディ
2.エトピリカ
3.街路樹
4.high low
5.ねむろ
 
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音速ライン

MAIN STAGE 19:55〜出演
大トリを飾ったのは音速ライン、1曲目はエモーショナルな『our song』、ギターサウンドにVo.G藤井のハイトーンボイスが重なり駆け上がっていく。ステージもフロアも笑顔があふれていた。『BEER KAN』では吉田氏が登場!ステージを歩き回って場を盛り上げている。飲めば飲むほど強くなる!のフレーズでは振りも。お客さんも一緒に振りで踊っていて楽しそう。次は11月リリースの新譜から『ウーロンハイ』をプレイ。お酒ナンバーが続く(笑)。中華風のギターフレーズも印象的! 一旦吉田氏が退場し、Ba.大久保の「ロフト40周年おめでとうございます!」という一言を挟んで『みずいろの町』へ。切なさが疾走していくよう。『だってネットにのってたもん』ではハードにキメてMCへ。これからの楽しみな予定を話しつつ、吉田氏を再び呼び込んでツインドラムの特別バージョンに。藤井が「ありがとう!樋口さん!」と言い、『逢いたい』を演奏。フロアを見ると一緒に歌っている人が沢山いた。ステージ上の5人はアイコンタクトしては笑顔になっていて、嬉しくなる。最後はキラキラとウキウキが爆発する『週末旅行』、ミラーボールも回ってとても華やか。楽しいが溢れる、素敵なステージだった。(text:TOTE 朝倉 / photo:鎌倉真希)
 
<セットリスト>
1.our song
2.BEER CAN
3.ウーロンハイ
4.みずいろの町
5.だってネットにのってたもん
6.逢いたい
7.週末旅行

 
 

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