トップ > コラム >吉田 豪の雑談天国(ニューエストモデル風) > 第五回ゲスト:PANTA(頭脳警察)

 プロインタビュアー・吉田 豪による対談連載『雑談天国』。今回は、さる8月4日に緊急開催された、頭脳警察・PANTA編を再録。アイドルに関しても一家言を持つ伝説のミュージシャン、PANTAさんの話をたっぷりと掘り下げます!(構成:市川力夫)

PANTA.jpg

目からうろこ! “振りつけ”に対する掟ポルシェの見解

吉田 豪(以下、豪):PANTAさん、今日はよく分かってないままここに来たみたいですね。
PANTA(以下、P):そうなんだよ。今日は別の予定があったんだけど、「プラスワンのほうが面白いから来ない?」って言われて、「いいよ」って答えてたのね。それでホームページを見たらゲストに俺の名前が出てるじゃん!
豪:ダハハハハハ! 急遽決まったイベントなんですよね。
P:全然知らなかったよ! 知ってたら前に告知しといたのに! まぁでも、豪ちゃんとじっくり話すことってあんまりないからね。
豪:そんなわけで、今日はじっくり話をしてみたいんですけど。
P:でも、いきなりアイドル云々の話は……。
豪:ええっ!? どうしてですか?
P:この前、『別冊少年チャンピオン』の掟ポルシェのページで取材を受けたんだよ。
豪:ああ、掟さんがPANTAさんを取材するって言ってたんで、ボクが「アイドルの話を聞くべきだ!」ってアドバイスしたんですよ。
P:そうだったの? いきなりアップアップガールズ(仮)の話から始まったんだけど、そこでちょっと自信なくしちゃったんだよ、俺(笑)。
豪:そこは気にしちゃダメですよ!
P:で、掟ポルシェとアイドルの話になったわけだけど、最近のアイドルって、俺からすると振りつけがうるさいんだよね。とくに乃木坂46!
豪:ダハハハハハ! いきなりピンポイントで乃木坂が!
P:綺麗で、美人たちが揃ってるんだけど、やたら手を使ったアクションが多いじゃない。あれが邪魔なんだよな〜。うるさいよお前ら! ちゃんと唄えよ! 俺は古い人間だから、アイドルと言えばフランス・ギャルとかシルヴィ・ヴァルタンなわけね。彼女らは、マイクを持って、なんかの時に横に体を揺らすぐらいで、振りつけっていうのはその程度でいいの。あとはメロディをしっかりして欲しい、音の分量をしっかりして欲しい、ちゃんと音楽としてアレンジして欲しいっていうのがあってね。特に地下アイドル系に不満は多いんですよ。
豪:明らかに音楽面で手を抜いてるグループってハッキリ分かりますもんね。
P:手を抜いてるのか、才能の限界なのか。ま、そんなようなことを掟ポルシェと喋ってたわけ。そしたら、目からうろこな答えが返ってきたわけだ。掟ポルシェから!
豪:なんですか?
P:「PANTAさん、歌は頑張ったら上手くなっちゃうじゃないですか。彼女たちは曲を書いてるわけじゃないし、詩を書いてるわけでもない。頑張るところは振りつけなんですよ。あの手の振りをみんなと合わせて『みんなで頑張ってる』というイメージになるんです。そうすると、頑張ってる彼女たちを見てるファンも応援したくなるでしょ? だから、手の振りが大事なんですよ」って言ってたんだよ。そうかぁ〜、と思ってね、これは目からうろこだったね。
豪:フリコピしやすくなるっていうのもありますよね。ただライブで見てるだけじゃなくて、手だけでも合わせられる。
P:俺の勝手な持論なんですけど、1983年にマイケル・ジャクソンの「スリラー」という曲が出て、この曲のミュージック・クリップが非常に長かったんですよ。あれは革命的でしたね。素晴らしかった。あれから音楽は「見せる音楽」になったんですよ。
豪:それでMTV時代に入っていきますよね。
P:だからアイドルもそういうふうに変わってきたのかな? っていう持論があるんだよね。
 

直接的じゃない表現だからエロティシズムが増す

豪:そう言えばPANTAさんと初めてお会いしたのが、ロフトプラスワンの控え室だったんですよ。
P:なんの時だっけ?
豪:PANTAさんが打ち合わせかなんかで来てて、その時に「TBSラジオ『ストリーム』聴いてます」って言われたのと、『三億円少女』(Berryz工房主演の劇団ゲキハロ第9回公演)見た?」って言われたのは覚えてますよ(笑)。
P:そんなこと言ったっけ?
豪:言われましたよ! それとボクが大好きな話が、アプガが中野サンプラザでワンマンをやった時にPANTAさんが来てたんですよ。そこで「豪ちゃん! 今日は反原発のデモに誘われてたんだけど、こっち来ちゃった!」って言ってて(笑)。
P:アハハハハ! 正しい選択だったかもね(笑)。
豪:この前のアプガの野音もいらっしゃってましたよね。
P:さすがに握手会とかには参加しなかったけどね。
豪:終演後、関係者をお見送りしてたんですけど、アプガのメンバーが水着だったんですよね。だからボクとか嶺脇社長とかは挨拶しないで逃げたんですけど(笑)。
P:あれは行けないよ! でも、豪ちゃんは行きたかったでしょ?
豪:行けないですよ!
P:握手会とかは参加したことあるの?
豪:基本、行かないですね。
P:「基本は」でしょ? 例外もあるでしょ?
豪:10数年前に行ったのが最後だと思います。METAMOっていうチェキッ娘の流れにあるグループのイベントに行ったら、知らないうちに握手会の列に入ってて。その時「ボクには無理だ」と思って、それ以来、握手会は行かないようにしてます。
P:握手会はね、ズルイよ! 両手で手を握られて、目を見られるんだよ。くるでしょ?
豪:え!?
P:きちゃうでしょ? かなり?
豪:……なにがですか!?
P:あれはね……相当な猛者じゃない限り心を奪われるよ!
豪:ダハハハハハ! 心が揺れ動く?
P:揺れ動くよ〜! どんな話をしていいか分からないじゃない。彼女たちのこともよく分からないし、「今日は寒いですね」なんて言ってもしょうがないしさ。豪ちゃんならどういう話する?
豪:それが分からないから無理だと思ったんですよ。結局、近いところで仕事している側の人間だから、いざその時になると「お疲れ様です!」しか出てこないんですよ。
P:そうだよね! 握手会はズルイよな〜。きちゃうもん。
豪:アプガ野音の時に印象的だったのが「豪ちゃん! 俺が今、制服向上委員会の黒幕だと思われてるんだけど、違うんだよ! 俺の誤解といてよ〜」って言ってて(笑)。
P:そうなんだよ! なにかって言うと、「裏にPANTAあり」って言われてるんだよ! この前、日本外国特派員協会で制服向上委員会が会見したんだよ。その時に、画面にコメントがいろいろ出てくるじゃん。
豪:ニコ生の中継ですかね。
P:そうそう。それでボロカス言われてるんだよ。酷いんだよ。そこで、何回「PANTA」って言葉が出てきたか! 彼女たちは真面目に一生懸命やってるのにさ。
豪:なぜかPANTAさんが黒幕だと思われてますよね。
P:そうなんだよ。でも、俺はかわいい歌を唄って欲しいだけなんだよ。
豪:そうなんですよね。実際クレジット見たら分かるけど、PANTAさんはかわいい曲を作ってる担当なんですよ。歌詞はPANTAさんが書いてるわけじゃないし。
P:そうですよ。あんなに直接的な歌詞は書けません!
豪:ダハハハハハ! 制服向上委員会の「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」が騒動になった時に、初台ドアーズでPANTAさんと会ったら、「あの曲は歌詞がストレートすぎるよ! ジョン・レノンも、もうちょっとぼやかしたよ!」って言ってて、頭脳警察なのに! 「銃をとれ」って唄ってたのに! って思いましたよ(笑)。
P:アイドル・ソングはオブラートに包んでこそだから。でも、あの曲は悔しいぐらいイイ歌なんだよ。あのポップさが大好きなんだ。
豪:PANTAさんならあそこまで露骨な歌詞は書かない?
P:たとえばフランス・ギャルがセルジュ・ゲンスブールの作った「アニーとボンボン」を唄って、すっげーいやらしい歌なんだけど、直接的じゃないからこそさらにエロティシズムが増すってことはあるよね。でも、全然話が飛ぶけど、「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を彼女たちが唄ったからこそ、今のSEALDsとかがあるのかもしれないからね。どんどん活動がエスカレートしていけば、面白い動きになるのかなぁとも思うんだよね。
豪:制服向上委員会のメンバーとPANTAさんの話になると、「車の運転してくれたり、ボイス・トレーニングしてくれる優しいおじさん」って感じなんですよ。だから「みなさんにとってはそういう人かもしれないけど、あの人はステージでオナニーしたりする人だから! 清く正しく美しくがキャッチフレーズのグループにはふさわしくない人なんです!」って何度か注意しておきましたよ(笑)。
P:ちょっと、それは言わないでよ!
 
頭脳警察
歴史からとびだせ
〜結成45周年記念ドキュメントDVD〜


テイチクエンタテインメント TEBN-72056〜57
定価:6,667円+税

amazonで購入

 2014年末に上野ストアハウスで開催された「頭脳警察」結成45周年記念ライブ・イベントから精選した2枚組ライブDVD。45年に及ぶ「頭脳警察」の歴史を語ったPANTAのスペシャル・インタビューも収録。

Live info.

吉田豪の『復活!雑談天国』ライブ版スペシャル!! 「ゲスト・吉田尚記(よっぴー)さんを迎えて」 【出演】吉田豪(プロインタビュアー) 【Guest】吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー) 2015年9月8日(火)LOFT/PLUS ONE OPEN 18:00/START 19:00 前売 2,800円/当日 3,000円(税込・要1オーダー500円以上)  今回はゲストに、ニッポン放送アナウンサー・よっぴーこと、吉田尚記さんをお迎えします! 吉田尚記×吉田豪による「聞き出す力」対決!? 果たして、どんな展開に……?

連載コラム一覧
  • おじさんの眼
  • 大島薫の「マイセルフ、ユアセルフ。」
  • 能町みね子 新中野の森 アーティストプロジェクト
  • 能町みね子 中野の森BAND
  • アーバンギャルド浜崎容子のバラ色の人生
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の ああ夢城
  • ゲッターズ飯田のピンチをチャンスに変えるヒント
  • 戌井昭人の想い出の音楽番外地
  • 最終少女ひかさ 但野正和の ローリングロンリーレビュー
  • 吉村智樹まちめぐ‼
  • いざゆかんとす関西版
  • エンドケイプの室外機マニア
  • 日高 央(ヒダカトオル)のモアベタ〜よ〜
  • ザッツ団地エンターテイメン棟
  • 劔樹人&森下くるみの「センチメンタル「非」交差点」
  • 三原重夫のビギナーズ・ドラム・レッスン
  • ポーラーサークル~未知なる漫画家オムニバス羽生生純×古泉智浩×タイム涼介×枡野浩一
  • the cabs 高橋國光「アブサロム、または、ぼくの失敗における」
  • “ふぇのたす”ちひろ's cooking studio
  • JOJO広重の『人生非常階段』〜今月のあなたの運勢〜
  • マリアンヌ東雲 悦楽酒場
  • 大谷雅恵 人生いつでも初体験
  • ジュリエットやまだのイケメンショッキング
  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ ロック再入門
  • 岡留安則 “沖縄からの『書くミサイル』”「噂の真相」極東番外地編
  • 高須基仁 メディア論『裏目を読んで半目張る』
  • 田中 優 環境はエンタメだ!
  • 吉田 豪の雑談天国(ニューエストモデル風)
  • 雨宮処凛 一生バンギャル宣言!
  • 大久保佳代子 ガールズトーーーク!!!!!
  • DO THE HOPPY!!!!!