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COLUMN

画と映画のはざまで!?』 タイム涼介の場合

『漫画と映画のはざまで!?』 タイム涼介の場合

2013.12.02

漫画家・羽生生純古泉智浩タイム涼介、歌人・枡野浩一、注目の漫画家たちが自らメガホンを取った異色のオムニバス映画、『ポーラーサークル 〜未知なる漫画家オムニバス』が、12月7日(土)よりオーディトリウム渋谷にて5日間限定レイトショー公開!

劇場公開を記念して、『漫画と映画のはざまで!?』をテーマに、リレーコラム形式で4監督の製作秘話をお届け!
第3週目は、ちょっと遅れてタイム涼介先生です!

 

danjodaisakusen.jpg

 

『漫画と映画のはざまで!?』 タイム涼介

高校生の終わりに近づいた頃、
運よく漫画賞に引っかかり僕は漫画家になった。

苦労したとか、しないとかは置いといて、夢中だった。

全てが初めてで、一コマ一コマ描けば描くほど
自分が上達するのを感じて胸がときめいた。
どんどん描いた。眠らなかった。眠る必要が無かった。

それを19年経った今もう一度「映画」でやっている。
また「初めて」がいっぱいできてよかったと思う。
ときめきが残ってて良かったと思う。


漫画は確かにストイックな仕事で、上手く行ったら行ったで
とんでもなくシンドイし、上手く行かなかったら
猫が吐いたヘアボールより無価値だ。

映画はどうか?(勿論インディーズでしかも駆け出し目線を前提に)
それが上手く行かなくてもそこそこ楽しめちゃうんだよ。
これが不味いんだな!
全く前に進んで無くてもなんかやってる気分になってしまう。
たまに華やかな現場を眺めて、自分もそこと地続きであると錯覚したり
監督になるつもりが全く違うものになっていいたり
眠気でそれに気付かず他人の打ち上げで達成感を感じていたり
無限部活に明日をごまかす、それもまたよしだが

俺のメンタルじゃ耐え難い。だからそこそこ上っていきたいし
そこそこでけじめをつけようと肝に銘じている。

今の気分は前に比べてどうか・・・
漫画しかない時と比べてどうか・・・
表現手段が増えたことは心の余裕を生んでくれたので
本当に救われたと思っている。

一方で、恐らく周りも思っているだろうけど、漫画に対して
気が散漫なことは否めない。これは2014の課題だなと思っている。

漫画は好きだし、漫画は大きい。
飽きるとか捨てるとか僕が自由に扱えるような存在ではない。
漫画はおおきいから。僕が何を血迷って他所でときめいていようが
戻れば、そこにあって、ときめきをくれる。

行ったり来たりでいつもときめいていられたらいいですね。

nidomi_new.jpg
 
このイラストは映画館で配るプレゼントの為に描きました。
ニドミという『男女大戦』のヒロインです。
彼女は機械によって脳内に投影される女性です。
劇中に出てくるシーンにこんな台詞があります。

ニドミ「新しい更新プログラムがダウンロード可能です」

タキオ「有料でしょ・・・いいことあるの?」

ニドミ「間接の稼動域が30パーセント広がります」

タキオ「それは・・・可能性もひろがるな」

このイラストはそれにちなんだ
ダイレクトメールの勧誘という設定です。
理想的な「イイ女」が描けたと思います。
こんな時、自分は漫画描いて暮らしてるんだ・・・
っと気付かされ狐につままれた気分になります。

漫画はおおきいから。僕は一番にはなれないだろうな。
一番すごい漫画とか描けないだろうな。

でも頑張れば・・・
ひょっとしたら一番楽しんでる漫画家にはなれるんじゃないのか?
それって案外すごいんじゃないか。目には見えないけどね。

もう少しときめいてみます。中途半端と叱られながら。
 

羽生生純、タイム涼介、枡野浩一と、蔭山プロデューサーが語る
『未知なる漫画家オムニバス』対談!!


『男女大戦』(40分)
監督:タイム涼介 http://ameblo.jp/time000/
出演:護あさな 高橋和生 松井琴乃 服部紗奈 小泉ここ 千絵ノムラ 飯田華子 ちくまサラ 他

 

【作品解説】

21世紀日本。1人の天才が開発した装置IP(アイデアルパートナー)により、男性は誰でも脳内に理想の女性を投影し共に生活、恋愛を楽しむことが可能と なった。いつしか男たちは生身の女性を不要とするようになった。女性たちの不満は爆発し、男女間で戦争が勃発する。第23回映画祭TAMAシネマフォーラ ム ある視点部門招待作品。

 

【監督プロフィール】

タイム涼介(漫画家)
映画監督としては『実験失敗家族』が劇場公開デビュー作となる。
『ポーラーサークル~未知なる生物オムニバス』の一編として2012年六月オーデトリウム渋谷にて上映。漫画家としての活動経歴は ヤングマガジンで漫画家デビュー。近年はコミックビーム(エンターブレイン)にて「I.C.U.」を連載。 主な著作に「日直番長」「あしたの弱音」「アベックパンチ」などがある。
2011年にアベックパンチが映画化されたのをきっかけに映像制作に興味を持ち、自主制作活動を開始した。CGやガンエフェクトなどを得意分野とし、超低予算ながら派手な作品を目指して、研究を続けている。

 

『ポーラーサークル 〜未知なる漫画家オムニバス』
http://ameblo.jp/michi-manga/

2013年12月7日(土)〜11日(水) 5日間限定レイトショー!
オーディトリウム渋谷にて
http://a-shibuya.jp/
開場21:00 上映21:10より
特別鑑賞券 ¥900 当日料金 ¥1,000
(2013年/日本/カラー/104分/ポーラーサークル配給)
 

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