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34回 未来に向かって躍進する(株)ロフトプロジェクト

第234回 未来に向かって躍進する(株)ロフトプロジェクト

2018.01.04

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太平洋のサンセット
 
 ロフトファンの皆さん、新年おめでとう。新しい年が始まろうとしています。新年を迎えるにあたって、この紙面を借りて今年のテーマと抱負を偉そうに語ってみたくなりました。いやはやロフト創設45年もの間、危機はありましたが潰れずにここまでやってこられたのも、ロフトを愛するみなさんのおかげだと思っています。
 さて、昨年、壮絶な癌と戦い抜いた故小林前社長の意思を受け継いだ現ロフトプロジェクト社長・加藤梅造による新生ロフトの今年の抱負とテーマがすごい。
 
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梅造社長と盟友石丸元章氏
 

トークライブハウス「LOFT9 Shibuya」から1年

 
 1976年に新宿に拠点を構えて40数年、ロフトは長いこと新宿派であって、渋谷の「明るく健康的な若者の街」といった様相になじめずどこか毛嫌いしてきた(もちろんこれは私だけのことかもしれないが)。しかし、新社長は、私がピースボートの世界一周の船に乗って日本にいない間に、渋谷のユーロスペースビルの1階に新しいトークライブハウス「LOFT9 Shibuya」を作り上げてしまった。今や渋谷は新宿に代わる流行の発信地になっている感がある。ロフトの文化発信のポテンシャルを高めるためには渋谷進出は不可避であるとの新社長の決断により、渋谷初のトークライブハウスを作り上げ、1年が過ぎ、経営基盤も順調に推移している。渋谷という街にロフトの拠点ができたことは何よりも素晴らしい。
 
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在りし日の小林前社長と娘さん(フジロックにて)
 

渋谷にロフト系音楽ライブハウスが出来る 〜「ライブハウス「LAST WALTZ IN LOFT」が誕生。

 
 最近、ロフトではトーク系ばかりが跋扈して、どうも直営店の新宿ロフト・下北沢シェルターの二軒では音楽の発信力としてはちょっと辛いものがある……とは会社の総員が思っていたことだ。だからどうしてもロフトの原点、ロック系ライブハウスがもう一軒欲しかった。渋谷に本来の「ロフト系音楽=ロック」の拠点が必要だ。そして渋谷でいい場所がないか探していた所、縁があって、渋谷二丁目にあるライブハウス「ラストワルツ」(六本木通り沿い)を引き継ぎ、ロフト音楽文化を移植することになった。なんとここにはグランドピアノがあるのだ。客席は座りで80席程度なのだが、ジャズのライブもできるとのことで、さて、今年この店はどんな文化の発信地となるのか楽しみである。3月リニューアルオープン予定。
 

新しい基軸、70年代ロック喫茶の復権を!〜「ROCK CAFE LOFT」

 その昔、40年以上前、私たちの青春時代、私たち若者は高揚する政治の季節・学園闘争の最中、機動隊との戦いに疲れ切ってバリケードから抜け出して新宿や吉祥寺などのジャズ喫茶やロック喫茶に通ったものだった。私を救ってくれたのは爆音のレコードの音を全身で受け止めるような音楽だった。ロック喫茶は若い少年少女たちの溜まり場だった。甘酸っぱい世界だった。レッド・ツェッペリンとかピンク・フロイドなんかを聴いて、曲の合間にみんなでおしゃべりをした。そしてジャズ喫茶は大学生以上の男の世界だった。
 

まさに今、ロックはただ聴く時代から喋る時代になっている

 最近、ロック評論家の牧村憲一さんたちロートルの「70年代のロックを検証する」みたいな番組がいろいろなところで開かれている。ふっと私は、「俺だって新譜を聴きたい、でも一人で新譜を買い込んで部屋で聴くだけではどうも満足できないな」と思うようになった。それなら私みたいな年寄りも若者も満足できて、誰かの楽曲についてのうんちくを聞きながら友達と美味しい酒を飲める空間があったらいいな、なんて思うようになり、あたりを見回したが私好みの空間がないと気がついた。それならうちの会社で作ってしまおう。歌舞伎町の一等地(旧コマ劇前広場の側)にテナントを確保した。できたらロフト45年の歴史をなぞる音楽イベントをやり続けていたい。だから毎日20時〜22時にはレコードを聴きながらうんちくを喋り、討論するイベントを開催する予定だ。さて、この店がどんな形で登場するのか注目してほしい。これも始動は3月ごろになりそうだ。
 
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ロフトを愛するみなさんに感謝
 

ネット戦略に挑戦するロフト〜ニュースサイト『TABLO』創刊

 2018年のロフトはネットでの新たな試みも始める。従来からの音楽系情報サイト『ROOFTOP』とは別に、ニュース情報サイト『TABLO』を1ヶ月前に創刊した。サイトのキャッチコピーは「偉そうなヤツ、だいたい嫌い」だ。2000年代に『実話ナックルズ』を刊行してネオ実話誌ブームを作った久田将義氏を編集長に迎え、社会・事件から芸能、サブカル、アングラまでを扱うその内容はまさにネット版ネオ実話誌とも言えるが、久田氏が尊敬する『噂の真相』編集長の岡留安則氏の言葉を借りれば、その本質は「反権力ジャーナリズム」だろう。久田編集長はTABLO創刊の辞でジャーナリズムについてこう書いている。
「メディアの原点は反権力であるべきなのだと思っています。この立脚点からまず、事象を見るべきでしょう。それを雑多な言葉でいうと『偉そうな奴、だいたい嫌い』になる訳です。もう一つ、本サイトのコンセプトは『弱者の立場に立つ事』と付け加えておきます」
 いま、ニュースサイトは星の数ほどあるがその多くはアクセス数を稼ぐための煽り記事、コピペ記事、中にはヘイト記事さえもが跋扈している。「反権力」「弱者の立場」というジャーナリズムの原点から出発し、オリジナル記事にこだわった「TABLO」が今後いまのネット社会にどんな波紋を投げかけるのかに期待したい。
 
……あ、あぁ〜、新年早々、仕事の話ばっかりしてしまって、このコラムの寿命も長くはないと思うことしきりだ。
 
 
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