トップ > コラム >三原重夫のビギナーズ・ドラム・レッスン > vol.8「難しいようで簡単な、でもやっぱり難しいリズムの構造」

 まぁ世界にはどれだけのバンドがいて、どれだけの曲が存在するんでしょ? 年々歳々新曲もどんどん作られるしねぇ。膨大なバリエーションと思えてしまうのだが、これら膨大な楽曲にほとんど共通するのは「4分の4」というリズムの形態である。4分音符4つで1小節。これはもう「当たり前」すぎて誰も意識しないが、ゆえに我々は知らないうちに「4分の4ミュージシャン」なのである。
 これを僕に明確に教えてくれたのはジャズ・ドラマーのピーター・アースキンである。基礎にあるのは「4分の4」。で、4分の4の1拍をいくつに割るか?で、さらにリズムの種類が分かれる。「2」「4」「3」「6」で割る。これで「8ビート」「16ビート」「シャッフル」「ハーフシャッフル(いわゆるハネもの)」という我々が主に対面する4種類のリズムが出来る。やや細分化してもリズムには4種類しかない。
 「うーん、何を練習すれば良いんだ!?」と悩み狂っている若手には、これは福音である。4種類の符割りと演奏上のバリエーションを身に付ければヨロシイ。8ビートとハーフシャッフルは8部音符の位置が共通なので、漠然とは8ビートだが実はハーフシャッフルだった、という勘違いが連発する。さらに人間はそうキッチリ1拍を3つに割って演奏できるものでもないので、16ビートのハイハットの「チチ」とハーフシャッフルの「チッチ」の間には、ほぼ無限のバリエーションが存在してしまう。つまり我々が関わるリズムは、ごく基本的には1種類だが、少し再分化すると4種類あり、しかし無限にバリエーションが存在する、ということになってしまう。禅問答ですな。
 ま、しかし、これからのドラマー諸氏に提言するのは「とりあえず基本の符割りと演奏上のバリエーションをキッチリ身に付けなさい」である。基礎なしにバリエーションは存在できない。ヘタクソがいきなり「味」「人間らしさ」ばかりに向かうのは順序が違う。長年やっていても混乱している人なども、一度この程度の簡単な理屈、基礎は再訪するとよろしかろう。
 
 
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▲ハーフシャッフルの発明者、バーナード・パーディー。
ゴーストノートをポピュラーにした人でもある。
動画サイトにも自身による超ファンキーな解説があるので必見。
 
 
 
三原重夫
1976年、セットドラミングを始める / 1986年、ローザ・ルクセンブルグ『ぷりぷり』でデビュー。ローザ解散後、メトロファルス・ルースターズ・スターリンに参加。その後フリードラマーとし て、様々なレコーディングやツアーに参加 /1997年、ドラムチューナーとしても活動開始。ドラマー、ドラムチューナー、エンジニアなど、25年ものキャリアを誇る。
http://i.gmobb.jp/mihara/
https://twitter.com/mihasige
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