皆さんはじめまして! 男性タレントの大島 薫です。今月号からこちらに連載を書かせていただくことになりました! 皆さんボクのことはご存知でしょうか? ボクは今年6月までいわゆるAV女優をやっておりました。「おやおやおや〜? 男性なのにAV女優〜?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか? それもそのはず、ボクは純粋な男性でありながら女性側として、えっちなビデオに出演する「男の娘AV女優」として活動をしていたのです。
皆さんは<男の娘>ってご存知でしょうか? 本誌をご覧になられているようなサブカル感度の高い読者の方々は知っておられる方も多いでしょうが、改めて説明をさせていただくと、いわゆる『女の子のように見える男子』のことを総じて<男の娘>と呼んでいます。
「つまり、女装ってこと?」って思った方! 正解でもあり、不正解でもあります。女装男子と男の娘は微妙な違いがあるのですが、それを説明するとこのページだけでは書ききれない内容になってしまうので、概ねそれでオッケーです。ここでは簡単に考えましょう。女装してても男物の服を着てても、女の子みたいな男子は<男の娘>。これで大丈夫です。
さて、この<男の娘>というジャンル、どのくらいに登場した言葉かご存知でしょうか? ネットで生まれた言葉なのではっきりとはわかりませんが、2005年くらいから徐々に使われ始めたようです。しかし、そもそも昔から<男の娘>的な存在はいろいろな場所で登場していました。『ストップ!! ひばりくん!』の主人公「大空ひばり」くん、『バーコードファイター』のヒロイン「有栖川桜」……男の娘という言葉はなくとも、彼ら(彼女ら?)の存在に、『男だと思ったアイツが女だった!(ドテーッ!)』というギャグ以外の何とも言えない感情を抱いた方も多いのではないでしょうか。
ボクもかつてはそんな男の娘たちの存在に胸を躍らせた、純朴な少年の一人でした。可愛らしい少女のような容姿に、男性だという事実。それに言い知れぬ興奮を覚えていました。
男が男に惹かれるなんて、それじゃあまるでホモではないか。そう思われた方もいらっしゃるでしょう。もしくは、いいや、男の娘に惹かれるのは男として当然だ! そう思われた方もいらっしゃるでしょう。
その答えを導き出すには、<セックス>や<BL>、<ゲイ>、<ビアン>……など、<男の娘>以外のテーマからのアプローチが必要になりそうです。これからこちらのコラムを使って、さまざまな性の不思議に取り組んでいきたいと思います。どうか次回以降も、お付き合いいただければ幸いです。
profile
大島 薫:1989年6月7日生まれ。ブラジル出身。ノンホル(女性ホルモン未使用)、ノンオペ(性転換手術をしていない)を公言している、純粋な男の子。Twitterフォロワー約10万人を誇る。女性よりも可愛らしい容姿を武器にセクシー女優として活躍していたが、2015年6月に引退。現在はマルチタレントとして幅広く活動中。