アニメが好きだ。アイドルが好きだ。
なんて発言をすると、本職の方から酷く非難されるであろうほどに、私には、知識も経験もアイテムも、あまりに乏しい。
某美少女声優の名をバンド名に付けたり(うるさい! 少女じゃないとか言うな!)。
某アイドルグループZのメンバーである某佐々木への愛の言葉「あーりんわっしょい」をタイトルにした曲を作ってみたり(ちなみに私は紫推しだ!)。
なのに。どちらも未熟すぎるのだ。
しかし、私はなぜこの類のものに興味を示すのか。
深夜。たまにはテレビでも見てやるか。と、チャンネルをポチポチ切り替えてる途中でアニメが映し出されれば、よく知らなくても途中からでも、ポチポチを止めて、見てしまう。
なぜだ! なぜ私はプロ野球ではポチポチを止めないくせにっ! アニメでポチポチを止めるのか! 大相撲でも、音楽番組でも、可愛い犬が映ろうとも、ポチポチを止めないだろう。それなのにっ! である。
ところで私の萌え初体験とは一体、どの日どの時どの場所で起こったのか。謎を解く手がかりになりそうだと察し、記憶を辿る。
…セーラームーンはどうだろうか。
あれは幼稚園…いや、小学3、4年の頃だ。友達の宅で、セーラームーンを見るか、そのウラで放映する日本昔ばなしを見るかで激しく闘論になったことがある。それはもう立派に闘った。北のセーラームーン代表は俺じゃ! なめんな! と言わんばかりに闘った。そして負けた。
「ぼぅおぅやぁ〜♪ よいこだねんねしなぁ〜♪」というあのOP曲が流れる中、突如私は泣き出した。泣いた自分でもビックリした。もう感情を抑えられなかった。怪獣とか仮面かぶったヒーローとか、カッコイイものが好きで。カッコつけたいはずの年頃の男の子が、セラムンを見れずに泣くなんて! そんな涙は、私の美学にはないはずだったのに。
友達も、その子の親も、そして私の親も、ひいていた。結局その友達は、そんな私の熱意に胸を打たれ、セラムンに変えてくれた。ちなみにその友達は、あゆみちゃんという名前の女の子だった。
…いや、セラムンではないのだ! 私の萌え初体験は! セラムンはきっとヒーロー的に見てたはず! カッコイイって思ってたのだ!
「萌え」とはもっと、危険なのだ。なんなんだ…この気持ちはっ! という高鳴り。そして、簡単には人に言えない。共有できそうなものじゃない。この気持ちを打ち明けたら最後…。どこまでも落ちていきそうな、あの不透明な感情。それをわれわれ日本人は「萌え」と名づけた。
と、ここで私は思い出した。ひとつの心当たりに。あの日あの時あの場所が、萌え初体験なんじゃないだろうか…。
と、ここで私は文字数をオーバーしてることにも気づいた。初めての次月持ち越し。それまで皆さまも、萌え初体験を思い出してみてね。さらば。
profile
最終少女ひかさ:“北海道の最終兵器”との呼び声も高い5人組ロックンロール・バンド。2013年晩春に札幌市水車町で結成。昨年、札幌のみで発売したシングル『関係者でてこい』が海を越え全国各地で話題に。今年3月に発売したタワーレコード限定シングル『いぎありわっしょい』とMVが各メディアを席巻、ライブの動員も急上昇中。