北海道の打ち上げ事情と言えば、ホタテ。海老。いくら…。嗚呼、素晴らしき海の幸よ。
どうも、但野です。
…ってなんだ。この気持ちの悪い書き出しは。
健全な読者は、すでに身体が拒否反応を示しているであろう。
…そう、それは遡ること数日前。
ライブを終えたワタシは、打ち上げ会場である居酒屋にいた。隣にはマネージャー。コラムの〆切は間近だが、1ミリも書いていない旨を伝えたところ。
彼は、さも面白いことを伝授するかのように、目の前の料理を指さし、冒頭の書き出しを誇らし気に伝えてきた。笑う彼と愛想笑いのワタシ。
どうも、但野です。
と、悪口で終わるわけにゃいかん。今回切り込むべき話題は、ズバリ打ち上げについてである。
非難殺到は覚悟の上。全国民から嫌われてしまうだろう。否! 逃げちゃダメだシンジ。ハッキリと言おう。
ワタシは打ち上げが嫌いだ。
「バンドメンってイーヨネ。いっつも酒飲んでドンチャンと騒げてさ」
とんでもない! 打ち上げなんてだいたいがツマラナイ! ドラゲナイ!(別にディスってナイ!)
そもそもバイト先の飲み会で楽しめない人間が、ライブの打ち上げだからって急に楽しめる人間になるハズガナイ! ドラゲナイ!
そもそもワタシは酒が飲めないドラゲナイ!
さらにはコミュ症気味ときてるので、輪に入れず隅っこでコーラを飲んだり。自意識だけは一丁前なので、その格好悪い姿を見られたくなくてコソッと外に出て散歩したり。
そんなん続けば打ち上げなんてイヤになるねんて! しゃあないねんて! ドラゲナイねんて!
それなのに、バンドの世界には、打ち上げに出るバンドはエライみたいな気持ちの悪い暗黙のルールがあったりする。その体育会系のノリが本気で嫌いだ。
打ち上げまでがライブとかほざく種族もいて、ステージより元気な奴もいる。
アホ! ライブがダメならもうダメだろ!
帰って練習でもすりゃいいのだ。
「酒飲んで今日のライブのことは忘れよ」
はぁ? 忘れるな!
そして、最もキツイのは、帰ろうとしてる人に対して執拗に絡む輩だ。
たとえば
「大丈夫! おれ明日もっと早いから」
たとえば
「おれんちもっと遠いけど? 終電なくなったら始発で帰れるよ?」
うるせぇ! いちいちこっちの理由を越えてくんな! しかも、なんで貴様と酒を飲みたがってる前提なんだ! 帰りたいだけだよ! 察しろ!
バンドメンならば、教わることはステージの上から教わることがすべて。それ以上のことは要らない。どんなに格好良い人に対しても、俺は割とそう思っている。
ステージ上の格好良いあんたのままでいてくれ。求められない限りは積極的に説教するもんじゃない。ドラゲナイ。
profile
最終少女ひかさ:“北海道の最終兵器”との呼び声も高い5人組ロックンロール・バンド。2013年晩春に札幌市水車町で結成。昨年、札幌のみで発売したシングル『関係者でてこい』が海を越え全国各地で話題に。今年3月に発売したタワーレコード限定シングル『いぎありわっしょい』とMVが各メディアを席巻、ライブの動員も急上昇中。