3月の頭ぐらいだったろうか。
突然、マネージャーに呼び出された。
嫌な予感……。
最近やった悪事を必死に思い出すワタシ。
アレか……。ラジオの生放送で頑張りすぎて、放送終了後に番組ディレクターから「もう来ないで下さい」と、出入禁止を言い渡された件でお叱りを受けるのだろうか。
いや、待てよ……。マネージャーが頭を下げ、やっとライブを見に来てくれたおエライさんに向け、説教くさいMCを浴びせ、おもっきし嫌われたあのライブに対してのダメ出しだろうか。
あっ、もしかしたら……。ワタシに似合うだろうと、マネージャーが買ってきてくれたTシャツ(人間の目がたくさんプリントされてある)を一度も着用していないことに腹を立てているのだろうか……。
心当たりが多すぎて見当がつかない。が、念のため目がたくさん描かれているそのTシャツを着用し、指定された喫茶店に向かった。
マネージャーは結構前から待っていたようで、ワタシが店に入ったときには3本目のタバコを吸い終わり、イライラした面持ちで揉み消しているところであった。
向かいの席に座り、ホットココアを注文。
別に暑くはないが、コートを脱ぎ、留めていたデニムシャツのボタンを全開にし、たくさんの目を見せる。
が、氏はノー・リアクション。そうか……Tシャツのことじゃなかったか……。
ガクブルと震えながら、彼の第一声を待った。その恐るべき内容とは……
「ルーフトップから、コラムの連載しないかって連絡が来たけど、やる?」
なーんだよもう! ドッキリさせやがってー! もちろんやるやるー!
ということで、はじめましてルーフトップ読者諸君。自己紹介が遅れ申し訳ない。今号から連載を任されました。そう! ワタクシこそが! 北海道札幌から全国へ! 話題沸騰直前! 肝っ玉の据わってないビビりまくりの超大型新人バンド最終少女ひかさ! のボーカル但野正和だ。
ワタクシの文章が誌面に載る日が来ようとは、ルーフトップはお目が高い! よっ! 出世間違いなし!
さてさてしたらば、〆切も迫ってることだしサクサクッと書いたろかい。書いたろかい書いたろかい。
ほう、テーマがあるとね。まぁコラム連載なんてのは初めてのことだし助かるばいね。
どれどれ。
【原稿のテーマ:バンドという表現にまつわるあれこれ、現在のライブハウス・シーン、インディーズ・シーンが札幌在住の但野さんにはどう映っているのかを忌憚なく書いていただきたいです。】
あちゃー。もう全然違う。ルーフトップの皆様! 次号から頑張りますので、どうかマネージャーの逆鱗に触れるような結果だけは御勘弁を!
profile
最終少女ひかさ:“北海道の最終兵器”との呼び声も高い5人組ロックンロール・バンド。2013年晩春に札幌市水車町で結成。昨年、札幌のみで発売したシングル『関係者でてこい』が海を越え全国各地で話題に。今年3月に発売したタワーレコード限定シングル『いぎありわっしょい』とMVが各メディアを席巻、ライブの動員も急上昇中。