Rooftop ルーフトップ

BURAI

編集無頼帖

型破り

2018.07.28

20180718a.jpg「型破り」という言葉があるけれど、頑なに「型」を守り続ける人がいるから「破り」が成立するんだと思う。破天荒な人はそりゃ格好よく見えるけど、地道に型を守る人があってこそ。盾も矛もどちらも尊い。

先日取材させてもらった山下洋輔さんもインタビューで似たようなことを話していた。
「ジャズの本筋の人がちゃんといてくれないとぼくみたいなジャズは成り立たないからいてくれないと困る」と。
どの分野でも大御所と呼ばれる人は決して驕らず腰が低くて含蓄のある言葉をサラッと話す。

ぼくは型を破るパンクロックも大好きだけど、リズム&ブルースの型を守り続けるビートロックも好き。ハードコアだけ好きな人や王道ロックだけ好きな人とはたぶん波長が合わない。でも合わなくたって別にいい。みんな違ってみんないい。むしろチューニングの合う人のほうが珍しい。だから珍しくチューニングの合う人とは付かず離れずの程よい距離感で長く付き合えたらいいなと思うのです。

PROFILEプロフィール

椎名宗之(しいな むねゆき):音楽系出版社勤務を経て2002年1月に有限会社ルーフトップへ入社、『Rooftop』編集部に配属。現在は同誌編集局長/LOFT BOOKS編集。本業以外にトークライブの司会や売文稼業もこなす、前田吟似の水瓶座・AB型。

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