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編集無頼帖

師走序盤怒濤ノ三連戦

2012.12.07

154428_447706115290400_91880125_n.jpg先週は怒濤の週末でありました。

まず、11月30日(金)にロフトプラスワンで開催した『ナンバーガール解散10周年記念ファン大集会!「GUY呑みリターンズ!〜シンジュクOMOIDE IN MY HEAD状態〜」』で司会。
このイベント、今からちょうど10年前のナンバーガール解散前日に(ほぼ)同じ出演者、同じ会場で開催した『さよならナンバーガール〜GUY呑みファイナル!!〜』の続編的位置づけで、元はと言えば現・東京カルチャーカルチャーの店長兼プロデューサーであるシンスケ横山さんと一緒に企んだトークライブ。
何の因果か度あるごとに司会の仕事に駆り出される僕ですが、今回の『GUY呑みリターンズ!』は久々に自分からやりたいと店に掛け合った企画なのです。
そもそも『GUY呑み』というのはファン主宰のオフ会の呼称(行為自体の定義は「呑み物を手に持って2人で向かい合い、手を交差させた状態で自分の飲み呑を飲み、親睦を深めること」←向井さん提唱)なんですが、メンバーやスタッフも交えて飲酒し続けるところにこの会の特異性がありました。そして、解散から丸10年経ったにも関わらず、いくら語っても語り尽くせないのがナンバーガールというバンドの特異性でもあるのです。己語りを余儀なくされてしまうという。
当日まで動員が若干心配でしたが、フタを開ければ100名弱のお客さんが来場してくれて、しかも当時を知らない10代、20代の若いお客さんがたくさん来てくれたのが嬉しかったなぁ。ナンバーガールの音楽は確実に次世代へ受け継がれているのが分かったし、懐古的な匂い皆無で未だに半端なく格好イイ。自分の触覚は間違ってなかったと若いお客さんに教えられた気がします。
「NUMBER GIRL Fan Club」元管理人の竹田さん、「4STST」元管理人のさるころさん、EMIミュージック・ジャパンの加茂さん、吉田さん、加茂さんがお宝映像を忘れて会社へ戻ったために急遽飛び入りして下さった斉藤さん、ゲストのART-SCHOOL木下さん、そして何より長時間ご観覧下さった皆様(はるばる福岡、大阪、広島から来てくれたお客さんもいた!)、本当にどうもありがとうございました。そうだ、シンスケさんも来てくれたんだった。感謝! 今度はまた10年後にやりましょう!(笑)

その翌日は昼に阿佐ヶ谷ロフトAで『非常階段「蔵六の奇病」発売30周年記念トークライブ“アルケミー・デイ・オブ・ザ・デッド”』の司会。この日で阿佐ヶ谷ロフトAはオープンから丸5周年。早いねぇ、もうそんな経つのか。
非常階段のJOJO広重さんと美川俊治さん、テレグラフレコード&イーターの地引雄一さん、そしてロフト席亭・平野悠を迎え、当時の貴重なフライヤーや映像を織り交ぜながらトークを進行。ゲストとして出演して頂くはずだった氣志團の綾小路翔が都合で来られなくなったのは残念でしたが、その綾小路さんが「非常階段とは発明。非常階段とは革命。非常階段とは共鳴。この伝説の名盤を聴かずして死ぬことなかれ」とコメントした『蔵六の奇病』の話を中心に、非常階段の革新性について存分に語って頂きました。
非常階段のことも言及しているロフト席亭の著作『ライブハウス「ロフト」青春記』もお陰様で何冊か物販で売れて、文豪を自称する席亭はお客さんからサインを求められたりとご満悦の様子(笑)。
このイベントをもって僕の今年の喋り仕事は終了。最後は二連投で心地好い疲労感でした。来年も懲りずにいろんな企画を仕掛けようと思ってます。

その翌日夜は高円寺HIGHでロックンロール・ジプシーズの年内最後のワンマンを観戦。久々に見たジプシーズ、身体の乾いていた部分がじんわりと保湿されたような感じ。未だに愛聴盤である『III』の収録曲やルースター“Z”時代のナンバーなんかを聴くと特に。「CRAZY ROMANCE」の後半で、下山さんがストーンズの「MISS YOU」のフレーズをたたみ込んだのはシビレたなぁ。
ご承知の通り、この日のアンコールでのゲストは福岡から駆けつけた大江さんだったのですが、花田さんが「ゲスト、大江慎也!」と紹介するも、オーディエンスの歓声がもうひとつだったような気がしたのは僕だけか。まぁそれも一理ありで、ライブの前日に大江さんがブログに「明日12月2日東京で、某バンド(そこの貴方は多分知っているバンド、笑)のゲストでちょっと(3曲くらいです)ですが、出演します」と書いてたんですね(笑)。
しかも3曲どころか、アンコールで「SITTING ON THE FENCE」、「CASE OF INSANITY」、「恋をしようよ」、「GOOD DREAMS」、ダブル・アンコールで「SWEET HOME CHICAGO」ともう1曲(曲名分からず)の計6曲をジプシーズ+大江さんで披露するという大盤振る舞い。宮古島の時よりも若干スリムに見えた大江さんはとにかくハイテンションで、やはりとんでもなく迫力ありました。その両脇で時折笑顔を浮かべながらギターを弾く花田さんと下山さんが印象的だった。

終演後すぐ、この日で閉館となるシアターN渋谷へ移動。同館裏のバーで催されていた近藤支配人お疲れ様会へ。近藤さんとシアターNにはアナーキーのドキュメンタリー映画『アナーキー』やブッチャーズのドキュメンタリー映画『kocorono』上映の際に大変お世話になったし、シアターNの舞台に司会の仕事で立たせてもらったし、ライジングサンでの『kocorono』特別上映会の時も弾丸ツアーをご一緒させてもらったし、ホントにいろいろとお世話になったし、何よりよく呑んだ(笑)。
バーの中は近藤さんとシアターNの閉館を惜しむ映画業界の方々で満杯で、これもすべて近藤さんの人徳と言うか、近藤さんとシアターNが如何に愛されていたかを実感しました。
ブッチャーズ吉村さんから近藤さんに手渡された贈答品も愛があったなぁ。「感謝 近藤さん これからも宜しくお願い致します ブラッドサースティ・ブッチャーズより」と書かれたオリジナル・ラベルの一升瓶×2本の中身は日本酒かと思いきや、近藤さんの大好きなビール!(笑)っていうブッチャーズらしいプレゼント。ちなみにこんなのです。

696462386.jpg↑吉村さんのツイッターから勝手に拝借。
世に埋もれる良質な作品を上映し続けてきた映画館がまたひとつなくなるのは悲しいことですが、何はともあれ7年間お疲れ様でした、近藤さん!
また改めてチーム“kocorono”の面々でワイワイ呑みたいですね。近藤さんが吉村さんからムチャ振り(愛ある虐待?・笑)を強いられる姿を肴に(笑)。

……とまぁ、ドタバタな3日間。
まだ師走の序盤だというのに、濃すぎた。濃すぎてまた風邪を引いてしまいました。来週からまた濃い取材が続くので、気を引き締めていかねば。

あ、そうだ。ロフト席亭の『ライブハウス「ロフト」青春記』、講談社の話によると在庫わずかだそうです。我がロフト・グループ各店舗でもしぶとく販売しているので、イベント開演前に流れるPV(ARB OFFICEのご厚意で「LOFT 23時」をBGMに使わせてもらってます)にグッと来た方は是非お買い求め下さい。自分の編集稼業人生においても思い入れの深い一冊となりましたので。

PROFILEプロフィール

椎名宗之(しいな むねゆき):音楽系出版社勤務を経て2002年1月に有限会社ルーフトップへ入社、『Rooftop』編集部に配属。現在は同誌編集局長/LOFT BOOKS編集。本業以外にトークライブの司会や売文稼業もこなす、前田吟似の水瓶座・AB型。

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