Rooftop ルーフトップ

BURAI

編集無頼帖

20100503

2010.05.04

SN3F0836.jpg

 毎月、月末の入稿作業は怒涛の勢いゆえに時間の感覚が麻痺する。先月末に校了を終えて、「あれ、5月3日まであと4日しかないじゃん…」とふと気づいた。自分の中では新宿ロフトでの“LAST GIGS”開催と増刊号の発行で気持ちに一区切りしたが、ああ、いよいよなんだなぁ…と実感した。

 でも、昨日、5月3日を迎えたことに悲壮感はまるでなかった。昼のフィルム・コンサートも夜のファイナル・ライブも、自分でも不思議なくらい悲しい感覚がなかった。確かに村田さんの涙のMCや『ENDLESS YOUTH』のサイリウム演出とオーディエンス大合唱でグラッと来たけど、泪橋は決壊しなかった。むしろいつも通りの純粋に楽しい現場だったし、メンバーが宣言していた通り湿っぽく終わらずに、まさかの『This is 運命』でトリプル・アンコールを敢行するというオッタマゲーションなメロンらしさが最後にあってとても良かった。スタッフは一切口を挟まずにメンバーだけで決めたというセットリストの見事さにも感服したし。

 中野サンプラザでの中打ちでメンバーに手短に挨拶させてもらった。深夜にプラスワンで行なった『ヲタモダチ'S NOT DEAD』の準備もあったし、他にも関係者がわんさかいらっしゃったので、極々手短に。多分、この先4人とお会いする機会はそうないとは思うけど、悲しくはなかった。別れ際はさりげないほうがいいし、必要以上にしんみりするのは苦手である。「またいつか、どこかで!」と軽やかに手を振る程度がいい。

 深夜のチーマネ公認オフ会は動員がどうなるか判らなかったけれど、フタを開ければ150枚即完。チケットを入手できなかった皆さん、本当にごめんなさいでした。ご来場下ったヲタモダチの皆さんにはただひたすら感謝。席は狭いしオーダーは遅いしですみませんでした。そしてチーマネ石井さん、ワークスの荒木さんに橋本さん、貴重な逸話を多々披露して頂きまして誠にありがとうございました。レアグッズにレア映像のご提供にも感謝です(顔出しを好まぬ現場Tマネージャーにも深く感謝してます)。メロン愛に溢れたジェントルなヲタモダチと濃密な時間を共有できて、心から幸せでした。わざわざ握手を求めてくれたり話しかけてくれた同志の皆さん、どうもありがとう。ちょいと照れくさいけど嬉しかったです。

 今日はインタビューに打ち合わせにとバタバタ立て込んでいて、昨日の感傷という泥濘に足を取られる余裕がなかったのが逆に良かったのかなと。この世はまさにオール・シングス・マスト・パス。ひとつの記念日が終わったら、自分だけの新たな記念日をまたこしらえればいい。でも、“メロン記念日”というアニバーサリーだけはずっと永久欠番。メンバー、スタッフ、そしてヲタモダチとで10年間大切に育み続けた代替不可な記念日ですから。愛に溢れた物語の末席に携われた幸運に感謝。ありがとう、そしてしばしの間、バイバイ。

このアーティストの関連記事

PROFILEプロフィール

椎名宗之(しいな むねゆき):音楽系出版社勤務を経て2002年1月に有限会社ルーフトップへ入社、『Rooftop』編集部に配属。現在は同誌編集局長/LOFT BOOKS編集。本業以外にトークライブの司会や売文稼業もこなす、前田吟似の水瓶座・AB型。

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻