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言葉が音楽に補完される体験をしたライブのこと(青山祐己とのツーマン「ぼくの理由ときみの理由」) 2017.01.10

 
17ページにもわたるロングインタビューを掲載してくださっている「どんと、こい!vol.5」、たくさんお買い上げいただいたおかげで、なんと増刷!やったー!ありがとうございます、これからもライブ会場に連れていきます。
 
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年末のソワソワ感と暮れの寂しさがあわさって、みんなちょっと急いでいる感じが好きなので年があけてしまうとポカンとします。去年は、仕事納めを待たずして喉の炎症からの気管支炎・咳喘息再発をし大好きな「良いお年を!」という言葉が言えなかったので、前後6ヶ月は年末というくくりにしても良いのではないだろうかと問いたい。ちなみに「お誕生日おめでとう!」と言うことも好きなので前後6ヶ月は誕生日だぞ!と言い張っているため、今年は毎日こう言うことにしました。
 
「今日もお誕生日おめでとう、良いお年を!」
 
さて、まだ2016年のライブを振り返り切れていません。ちゃんと思い出したいから書き残しておこうね。
 
11/23 青山祐己×成宮アイコ「ぼくの理由ときみの理由」@西荻アートリオン
ほぼ全編がコラボレーションという濃いツーマンライブでした。(青山くんのブログはこちら)
 
きみの無言の機関銃はこの夜をぶち抜いて明日を守る/新しい炎


 

この前日に気管支炎からの肺炎になってしまい、4:30からもう息絶え絶えで声も裏返っててヘドバンみたいになってるけど、このとき、ものすごく切実な気持ちだった。わたしがライブを始めた頃から来てくれていた女の子たちが並んで座っていて、みんなで一斉に泣いていて、あとでみんなで「この景色懐かしいね」って泣きながら笑いました。最後のほうは、朗読も歌もすべてアドリブ合戦です。何も決めずに、最後に全部吐き出しつくそうねということだけ。
 
されど、望もう/Hello,The New World!

 
11:50あたりからタイトルの「されど望もう」を繰り返す所で青山くんのピアノと歌がもっと行けもっとみんなで行こうって背中を押しまくって追い風になってくれています。(本来4拍子の曲なのにこのコラボ用に3拍子に急遽アレンジしなおしてくれました。)
 
相模原事件をうけて書いたこの朗読詩は4部構成になっていて、途中何度か同じ人、同じ風景、同じフレーズが出てくるのですが、毎回少しずつ変化します。
 
例えば
 
生きてきた道よ、振り返りたくないから消えてくれ
生きてきた道よ、殴り壊したから、もう先に延ばせないよ
生きてきた道よ、他人がなぞることはできなくても、知っていてほしい、こうして踏み入れる瞬間があることを
生きてきた道よ、なくならないで、いなくならないでね
 
という風に。
 
少しずつ希望に向かっていきたかった、だから青山くんがなんども繰り替えす「Hello,The New World!」のフレーズがその光のように思えて、その世界に向かって少しずつ読み進めていく気持ちでした。そして、この時に初めて思ったのは「補完された」ということでした。どうしようもないような気持ち(詩)が音楽と一緒になることで完全体になったのだ、と急に確信をしてすごく高揚しました。新しい世界に向かう道筋、ハロー新しい世界、そう言えるように。
 
「その足元にまでも&永く遠い散歩」
 

 
コラボバージョン。これは全てこの世界に生きている人の話です。ツイッターで募集をしたエピソードをもとにして詩にまとめた「その足元にまでも」。ときどき忘れたくなる過去はこうして一緒に聞こう、同じ引き出しに入れておこうね、と思っています。そうしたら、なかったことにしなくて済むような気がするから。
 
傷つかない人間なんていると思うなよ
 


 

いろんな場所で読むことが多い「傷つかない人間なんていると思うなよ」は形を変えて、複数の道しるべをわたしにくれました。例えばネイキッドロフトでのライブで、タダフジカのギターとお客さんの音とTokinのペンの音、そして雑踏の音が聞こえたときは、やっと世界と一緒になれたと思ったし、選挙フェスに「傷つかない人間なんていると思うなよ」でオファーをいただいて品川駅前のステージで読んだときは「世界は水面だ」と言った瞬間に雨がふる奇跡が起こったし、スラムとも呼ばれることがあるわたしの心の故郷・西成の釜ヶ崎でも読み、さらにスーパー猛毒ちんどんとのコラボでも読み、復讐のはずだったこの詩はわたしにとって人間賛歌になったのだと思います。 
 
この日、音楽に補完される体験を強烈に感じて、なかなか眠れませんでした。言葉は言葉だけで終われないとき、音楽によって補完されることがあるのだな。
 
(SET LIST)
〜前半〜
トーク
・酔いどれ月夜に逃避行(青山ソロ)
・みずうみ(青山ソロ)
・傷つかない人間なんていると思うなよ(朗読:成宮 : ピアノ:青山)
・四文字じゃ足りない/りゆう(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
・その足元にまでも/永く遠い散歩(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
〜後半〜
トーク
・青山短歌朗読&成宮ピアノ少し
・りゆう(青山ソロ)
・されど、望もう/Hello,The New World!(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
・夢が見る、魚は泳ぐ(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
・あなたのドキュメンタリー/幻の隣に(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
アンコール
きみの無言の機関銃はこの夜をぶち抜いて明日を守る/新しい炎(朗読:成宮 : ピアノ&歌:青山)
 
プロフィール

成宮アイコ(なるみやあいこ):ロフトプラスワンで開催している”生きづらい人間集結!”を合言葉としてお笑いを交えたパフォーマンス集団「こわれ者の祭典」メンバー。ネイキッドロフトで不定期ライブ「カウンター達の朗読会」を主催。詩や短歌を絶叫朗読するスタイル。サブカルクソ野郎のテンプレを体現していたらついうっかりロフトへ入社。サブカルってマジョリティじゃん?と錯覚する毎日。

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